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俳優・水上恒司さん(25歳)の野望…「30代前半までには大河ドラマの主役をやりたい」

  • 2024.10.26

ドラマ「中学聖日記」で鮮烈なデビューを飾ってから6年。大きく成長した水上恒司さんの活躍が目覚ましい。寡黙な青年や、凛々しい熱血漢などの男っぽい役柄に加え、お茶目でユーモラスな素顔も注目の的。今回の初美STではどんな表情と心の内側を見せてくれるのでしょうか?

今を見つめる眼差しと、周囲を見渡す俯瞰の眼差し。“周りのために”未来を見据えて

作り手のひとりとして、どんな歯車になるべきか?を常に頭に

お話を伺ったのは……俳優・水上恒司さん(25歳)

《Profile》
1999年5月12日、福岡県生まれ。連続テレビ小説「ブギウギ」やドラマ「ブルーモーメント」などで好演。映画『あの花が咲く丘で、君とまた出会えたら。』で第47回日本アカデミー賞優秀主演男優賞を受賞。映画『八犬伝』が10月25日、『本心』が11月8日公開予定。

どの作品にも素晴らしい出会いや気づきがありましたが、クリエイティビティに富んだ刺激を受けたという意味では映画『死刑にいたる病』は特別でした。我々俳優部をはじめ、撮影、音声や照明、全部署が現場でアイデアの生み出し合戦をしたのが面白くて。内容的にはシリアスな中にグロテスクな表現も含まれている作品だったので、作り手は“酔いがち”になる危険性もあると思うんです。

でも「このテイストってこういうもんだよね」と決めつけるのではなく、違う軸でポンと出されたアイデアを白石和彌監督が拾い上げてくださって、いい方向に向かっていった。

その結果10億円以上の興行収入を生み出せた。映画は監督のものだと言いますが、そのために自分はどんな歯車になればいいのかを考えることも大事。いろんな役者のスタンスがあると思いますが、私・水上恒司は演者という立場だけではなく、ものづくりに参加することにやりがいを感じます。

それは“自分の見せ方”にも通じる部分があります。セルフプロデュースや戦略なんてたいそうなものではないですが(笑)、僕の外見の印象で真面目というか、決め決めなことをやると当たり前すぎてつまらないと思うんです。時には男子っぽい、ふざけたこともしつつ、誰も予想していないような知らない部分も出していきつつ、幅を感じてほしいと日々試行錯誤しています。

今後はいつか−−30代前半までには大河ドラマの主役をやりたいですね。主役を任せていただけるような役者になりたいのはもちろん、裏方さんをクローズアップする番組をプロデュースしたい。それは大河の主役じゃないと、できない気がして。15分でもいいから「今月は撮影部」「来月は照明部」と、僕がインタビューして裏話を聞き出すみたいな。

できれば若い方にものづくりの楽しさを伝えて、もっと映像業界の人口を増やすことに貢献したいんです。でもそれ以外の野望(笑)は特にないかな。と言うのも、対外的に「こんな作品に出たい」とか「この監督とやりたい」と自分から発信するのは健全じゃないと思うから。そういう作品との巡り合い方が不自然というか。自分が狙ってもいない、予想もしていない作品と出合って、それに対してうまくできなかった、ちょっとはうまくできたかも、みたいなほうが、自分の成長のためになると思います。

そして一旦お引き受けしたからには、その場限りで適当に済ますことはせず、全身全霊で役に向き合いたい。せっかく、僕の意思が反映できるチームが作れているので自分のペースでコツコツとやっていきたい。今この瞬間を大切にして取り組んでいれば、結果的にその先に繋がっていくと僕は信じています。

《衣装クレジット》
シャツ¥276,100パンツ¥194,700*参考価格(ともにジバンシィ/ジバンシィ ジャパン)リング各¥583,000ブレスレット[手首側から順に]¥1,306,800、¥1,346,400(すべてカルティエ/カルティエ カスタマー サービスセンター)その他/スタイリスト私物

2024年『美ST』9月号掲載
撮影/中村和孝 ヘア・メイク/Kohey(HAKU) スタイリスト/池田 敬 取材/柏崎恵理 再構成/Bravoworks,Inc.

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