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【おばさんに見られたくないなら、●●に慣れすぎないことが大事】へア&メイクアップアーティスト藤原美智子さんインタビュー【第2回】

  • 2019.2.21
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エイジレスな美しさを体現している藤原美智子さんに、「いくつになっても美しい女性」でいるための秘訣を教えてもらいました。おばさん化の最大的の敵は「あきらめてしまうこと」だそう。なんとも気になるそのお言葉、TRILLが徹底取材しました。

おばさんになってしまうのは自分に慣れすぎているから

ーー女性は誰もがエイジレスな美しさに憧れるものだと思いますが、「おばさん」にならないための方法はあるのでしょうか?

「何事においてもいちばん良くないのは『慣れる』ということだと思うのね。例えば新しい絵を飾ったとしても、目が慣れてしまえばその絵は目に入ってこなくなるでしょう? それと同じ。だからいかにして自分を慣れさせないかということがすごく大事。自分に慣れてしまうと、自分に飽きてしまって新鮮味を感じなくなる。そうすると女性はどうなるかというと、瞳から生き生きした感じがなくなってしまうの。生き生き感がなくなったら、人の目にも新鮮に映らないのは当然のこと。だからまず自分が自分に飽きさせないようにすることが大事だと思うの」

ーー藤原さんは自分を飽きさせないためにどんなことをしていらっしゃるのですか?

「私が事務所を作って、トークショーを引き受けるようになった理由、想像できますか?」

ーー想像できないです。

「ヘアメイクの現場ってどうしてもカジュアルな格好ばかりになっちゃうのね。当時は忙しくて遊びにも行けなかったから毎日カジュアルな格好ばかり。『これじゃ、飽きちゃうな。これを打破するには?』と考えていたらトークショーの仕事が来たの。トークショーの仕事ならきれいな格好ができる。『よし、これを入れちゃおう!』と。それが理由(笑)」

ーーきれいな格好をするためですか(笑)。

「そうすればドレスアップした服装やモードを意識した格好もするようになる。それによって自分の装いの幅が広がる。だから自分も楽しくなる。こんな風に自分の景色を変えていくんです。動物って動いているものを追いかけるじゃない? それは人間も同じだと思うのね。毎日毎日リフレッシュしている人のほうが魅力的に見える。もちろん『あの人は変わらない魅力があるよね』と言われる人もいます。でも実は、いつも同じように見えるのは、変わっているからなの。川の流れと同じように、変化しているから同じ魅力が持続できるの」

ダメなのはあきらめること。美しさにおいて女性は常に繊細でいなければならない

ーー藤原さんがメイクで表現したいのはどのような美しさなのでしょうか?

「透明感があって品性がある美しさ。そんな女性の美しさを引き出したいと思ってきました」

ーー透明感はどうすれば出せますか?

「私は無駄がないことだと思います。例えばファンデーションを塗るにしても塗り方に無駄がなければないほど透明感は出るんです。無駄がある分だけ透明感はなくなってしまうの。メイクするときも、まずは『自分の魅力はコレ!』と一つに絞る。それ以外は潔く捨てると、その人の個性、長所が活きてくる」

ーー若い頃のほうが確かに「あれもこれも」と必死に飾り立てていた気がします。

「大人になればなるほどね、自分が見えてくるから、無駄がなくなる。年を重ねた分、しわが増えて、肌や髪のツヤがなくなる。でもそれはしょうがないことなの。ただそのときにダメなのがあきらめること」

ーーそれは「どうせ自分なんて……」という気持ちにもつながりそうですね。

「あきらめたときから大人の女性から美しさは消えてしまうのね。だから、大事なのはいかにそこを楽しさに変えるか。例えばメイクにしても『こんなことしたらこんなに変わった。すごい!』って、その微差を見つけることが重要なの。年を重ねるとその微差がわからなくなる人もいます。それはだんだん繊細さがなくなっていくからなのね。女性は美しさにおいては鈍感になってはダメ。自分を繊細に扱わないとおばさんになってしまうの。
外面的な美だけじゃなく、内面的な美に対しても同じ。例えば本を読んだとき、映画を観たときに、感動しないのは感受性が薄れているからかもしれない。そして、そこから美は生まれないって思うんです」

TRILL×MICHIKO FUJIWARA

「これだけは譲れない」ことを守って後は目をつぶる。それで結婚生活はうまくいく

ーー50歳で結婚されたとき、相手に望む条件は一つだけだったそうですね。

「47の終わりくらいにそろそろ人生を楽しんでもいい頃かなと思って、だったら『結婚すればいいかも』とひらめいたの。じゃあどういう人がいいかなと思って、私はよくやるんですけど、A4の紙10枚にいろいろ書き出してみたんです」

ーー書き出すことによって何が見えてくるのでしょうか?

「『これだけは私は譲れない』ということがわかります。いっぱい書き出した中から一つだけ選ぶの。そしてそれ以外は目をつぶる。自分だって相手に針の穴を探すように両目を見開いて見られたくないでしょ?(笑) 」

ーーそれは誰でもそう思いますね(笑)。

「自分が逆の立場だったらどうだろうと考えて、そんなに細かく言われたくないと思うなら片方の目はつぶるんです(笑)。ただ人間には『ここだけは!』という譲れないところが絶対にあるから、そこは目をつぶってはダメ。それ以外は片方の目をつぶったり両目をつぶったり。それが相手に対するやさしさだと思うし、結婚生活がうまくいく秘訣だと思うの。そういう意味で自分の人生において何を大事にしたいのかをハッキリとさせるのは、とても大事なことだと思うんです。大げさなことじゃなくていいの。私は『生活を一緒に楽しめる人』。ただそれだけだったから」

TRILL×MICHIKO FUJIWARA

良い出会いをするためにはまず自分一人でも行動できるようになる

ーー幸せになるためにはまずは出会わなければならないと思うのですが、良い出会いをもたらすためにどうすればいいのでしょうか?

「まずは自分一人でも行動すること。そして自分の気持ちをワクワクさせること。そうすると人は寄ってきてくれるし、誘ってくれるようになるの。30代以上は外見だけでなく人間力も大きな魅力に繋がるから、どれだけ気持ちに深みがある人間になれるかが大事なんです」

——今まで何かに迷ったときに、どうやって取捨選択してきたのでしょうか?

「人生の正解は自分の中にある、ワクワクする方向へ進むことだと思うの。何がいいか悪いかなんて、その人によって違うじゃない? だから自分が『幸せ!』って思えばいいんだと思う。それが仕事であっても恋愛であっても。結婚したときに、その仕事をしたときにワクワクするかどうか。私は実は人生ってすごくシンプルで単純なものだと思うのね。でもみんなそれを複雑にしがち。いろいろ悩んでしまう。でも悩んでも悩まなくても結果はあまり変わらなくて、案外シンプルに考えた方が上手くいくものなの」

ーーでは最後にTRILLユーザーにメッセージをお願いします。

「腹をくくって『楽しんじゃおう』って決めましょっ! そしたら気持ちが軽くなる。そうすると、女性は生き生きしてくるし、オーラが出てくる。すると人は良いスパイラルに入るの。もちろん人間はいつも良いスパイラルばかりにいられるわけじゃない。私も負のスパイラルに入ることはあります。『今、負のスパイラルに入っているな』って感じたら、なるべくその状態から抜けられるような考え方や違うことをやる。ちなみに、私は体を動かしたり、走ったりして気分を変える。そういう風に、良いスパイラルに入れるように自分を切り変える方法を見つけておくといいと思います」

▼前回の記事はこちら
【第1回】ヘア&メイクアップアーティスト藤原美智子さんに聞く自分らしく生きるための「逆算思考」とは何か

『LIFE IS BEAUTY~美しく幸せに生きるための逆算思考~
藤原美智子さんプロフィール

Movie Director:Yohei Takahashi (f-me)
Writing:Yuko Sakuma
Edit:Natsuko Hashimoto (TRILL編集部)

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