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【医師が解説!】脚のむずむずで眠れない夜に。知っておきたい原因と見直し習慣

  • 2026.11.4

「布団に入ると脚がむずむずして落ち着かない」「眠いのに脚が気になってなかなか寝つけない」のような悩みを抱えていませんか? 夜になると気になる脚の不快感は「むずむず脚症候群」が関係しているかもしれません。
あんしん漢方所属の医師の木村眞樹子さんに、むずむず脚症候群の原因とセルフケアについて伺いました。

|1. むずむず脚症候群とは?
 

 

むずむず脚症候群は「レストレスレッグス症候群(RLS)」とも呼ばれ、睡眠関連運動障害のひとつです。主に夕方から夜にかけて、横になったときなどに脚に不快感があらわれます。

感じ方は人によって異なり、「むずむずする」「かゆい」「ほてる」「痛い」「虫がはうよう」と表現されることもあります。また、歩いたりストレッチをしたりして脚を動かすと一時的に楽になりやすいのも特徴です。

布団に入ったあとに症状が出ると、脚が気になって寝つきにくくなったり、夜中に目が覚めたりすることも。その結果、翌朝すっきり起きられない、日中に眠気や疲れを感じるといった不眠の悩みにつながる場合があります ※1。
|2. むずむず脚症候群が起こる原因
 

 

むずむず脚症候群が起こる詳しい原因はまだ解明されていませんが、脳内での鉄の働きや、からだの動きを調整する神経伝達物質「ドパミン」が関係していると考えられています。

特に注目したいのが鉄分不足です。鉄分が不足すると、ドパミンの働きにも影響する可能性があります。

女性の場合、月経によって定期的に鉄分を失うため、知らないうちに体内の鉄分の蓄えが少なくなっていることもあります。一般的な貧血の検査では問題がなくても、貯蔵鉄の目安となる「フェリチン」が低い場合があるので注意が必要です。

また、腎臓の病気や糖尿病などに伴って症状が出たり、一部の薬が影響したりすることもあります。気になる症状が続く場合は、自己判断だけで済ませず医療機関に相談しましょう。
|3. むずむず脚症候群を招くNG習慣
 

 

何気なく続けている習慣が、むずむず脚症候群を招いている可能性があります。特に関係している習慣を紹介します。

| カフェイン・アルコールの摂取
むずむず脚症候群が気になる場合、カフェインやアルコールを摂る時間や量が関係していることがあります。

コーヒーや緑茶、エナジードリンクなどに含まれるカフェインは、症状に影響する可能性があるとされています。仕事や家事の合間にコーヒーを飲むのが習慣になっている場合、知らず知らずのうちにカフェインの摂りすぎになっていることもあるため注意が必要です。

また、晩酌や寝酒の習慣がある場合も要注意です。寝つきをよくするためにお酒を飲んでいても、アルコールによって夜中に目が覚めやすくなり、そのタイミングで脚の不快感が気になることもあります。

| 食生活の乱れ
食生活の乱れによって鉄分不足になり、むずむず脚症候群につながりやすくなることもあります。

忙しい日が続くと、食事を簡単に済ませたり、食べるものがいつも似た内容になったりしがちです。そんな食生活が続くと、鉄分をはじめとした必要な栄養を十分に摂れないことがあります。

例えばパンや麺、お菓子だけで食事を済ませることが多かったり、食事量を極端に減らしたりすると、鉄を含む食品を摂る機会も少なくなります。その結果、しっかり食べているつもりでも鉄分が不足することがあるのです。
|4. むずむず脚症候群のセルフケア
 

 

脚のむずむずが気になるときは、毎日の過ごし方を少し工夫することで楽になる場合があります。全部を一度に変えようとせず、できることから始めてみましょう。

| 鉄分を積極的に摂取する
毎日の食事を見直して、鉄分不足を防ぎましょう。鉄分には、肉や魚介類に含まれる「ヘム鉄」と、大豆製品や野菜などに含まれる「非ヘム鉄」があります。

例えば赤身の肉や魚を主菜にする、大豆製品や卵を副菜に使うなど、日々の食事に鉄分を取り入れてみましょう。また、ビタミンCは非ヘム鉄の吸収を助けます。納豆や豆腐に野菜を添える、食後のデザートに果物を食べるなど、いつもの食事に少しプラスする感覚で取り入れてみましょう。

| 夕方以降のカフェイン・アルコールの摂取を見直す
夜になると脚のむずむずが気になりやすい人は、夕方以降に飲んでいるものにも注目してみましょう。例えば、夕食後のコーヒーや緑茶を、麦茶やハーブティーなどのカフェインを含まない飲み物に替えるのも効果的。完全にやめようとすると負担になりやすいため、まずは飲む時間を少し早めるところからでも構いません。

お酒の場合、寝酒をすると眠りにつきやすく感じることがありますが、夜中に目が覚めやすくなる場合もあります。晩酌を楽しむときは量を控えめにし、眠る直前は避けることを意識してみましょう。

| 寝る前に脚を軽く動かす
むずむず脚症候群には、じっとしていると不快感が強くなり、動くと一時的に楽になりやすいという特徴があります。そのため、寝る前に少しだけ脚を動かしてみるのもおすすめです。室内を数分歩く、ふくらはぎをゆっくり伸ばす、足首をくるくる回すなど、気持ちよく感じる程度で行ってみましょう。

布団に入ってから脚が落ち着かなくなったときも、横になったまま無理に我慢するのでなく、一度布団から出て部屋の中を少し歩きまわると軽減できる場合があります。激しい運動をする必要はありません。症状が楽に感じる動きを見つけてみましょう。

| マッサージや温度刺激
脚の不快感が気になるときは、やさしくマッサージをしたり温度の刺激を加えたりすることで楽になる場合もあります。例えば、ふくらはぎを手のひらで包むようにさすったり、気持ちいいと感じる強さで軽くマッサージしたりしてみましょう。強く揉む必要はなく、あくまで心地いい程度で十分です。

また、お風呂で脚を温めると楽になることもあります。入浴後に軽いストレッチをしてから就寝するといった流れを夜の習慣にしておくのもおすすめです。眠る前の習慣として取り入れてみましょう。ただし、温めるより少し冷やしたほうが楽になる場合もあります。自分に合ったケアを見つけましょう。

| 漢方薬を活用する
セルフケアを続けても脚の不快感が気になる場合は、漢方薬を活用するのもひとつの手です。漢方薬は自然由来の生薬を複数組み合わせてつくられており、心と体のバランスを整えることで不調の根本原因にアプローチします。体質から改善するため、繰り返し起こる症状に悩んでいる人にも向いています。

脚の不快感には、「血流をよくする」「自律神経のバランスを整える」などの働きがある漢方薬を選びましょう。

< むずむず脚症候群におすすめの漢方薬 >
加味帰脾湯(かみきひとう)
自律神経のバランスを整えるとともに、胃腸の機能を高めてからだに栄養を補い、イライラや不安などの精神症状、食欲不振、疲労感などを改善する漢方薬です。からだが疲れ、食欲不振で顔色が悪い人に向いています。

疎経活血湯(そけいかっけつとう)
筋肉や関節に不足している栄養を補い、血流を促すことで、神経痛や関節痛などを和らげます。冷えてしびれや痛みがある人に向いています。

漢方薬は体質や症状に合わせて選ぶことが大切です。自分に合っていないと、なかなか効果が感じられないどころか思わぬ副作用が出ることもあります。自分に合う漢方薬を知りたいなら、漢方薬の専門家に相談しましょう。

|5. 脚を労って心地よい眠りを
夜になるたびに脚がむずむずすると、なかなか寝付けず睡眠不足につながり、日常生活に支障が出ることもあります。むずむず脚症候群には鉄分不足が関係する場合があり、食事や飲み物、寝る前の過ごし方を見直すことも大切です。まずは日常生活のなかで無理なくできるセルフケアから少しずつ試してみてください。それでも眠れない日が続く、症状が強くなるなど気になる変化がある場合は、ひとりで抱え込まず医療機関に相談しましょう。
<この記事の監修者>
 

 

 医師
木村 眞樹子(きむらまきこ)

都内大学病院、KDDIビルクリニックで循環器内科および内科に在勤。総合内科専門医・循環器内科専門医・日本睡眠学会専門医。産業医として企業の健康経営にも携わる。
自身の妊娠・出産、産業医の経験を経て、予防医学・未病の重要さと東洋医学に着目し、臨床の場でも西洋薬のメリットを生かしながら漢方の処方を行う。症状・体質に合ったパーソナルな漢方をスマホ一つで相談、症状緩和と根本改善を目指すオンラインAI漢方「あんしん漢方」でもサポートを行う。
<参考文献>
※1 社会福祉法人恩賜財団済生会「むずむず脚症候群」

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