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立ち上がるたびクラッとする…立ちくらみの原因と今日からできる対策

  • 2026.10.23

「朝、ベッドから起きた瞬間にクラッとする」「仕事中に椅子から立つと視界がふわっと暗くなる」――そんな立ちくらみによるお悩みを抱えていませんか? 立ちくらみは貧血や低血圧だけではなく、生活習慣の影響で起こることもあります。あんしん漢方所属の医師の木村眞樹子さんに、立ちくらみの原因や今日からできる対策方法について伺いました。
|1. 立ちくらみの主な原因
 

 

立ちくらみは低血圧や貧血などのほか、何気ない生活習慣が関係して起こることも少なくありません。主な原因を紹介します。

| 起立性低血圧
立ちくらみの原因のひとつが、起立性低血圧です。

横になった状態や座った状態から急に立つと、重力によって血液が下半身に移動します。通常は自律神経が働いて血管を収縮させ、脳への血流を保つよう血圧を調節しますが、この反応が十分でないと血圧が低下するのです。

起立性低血圧は、朝起きた直後やデスクワークから立ち上がったとき、しゃがんだ状態から立ったときに症状が出やすい傾向があります。

| 自律神経の乱れ
自律神経の乱れによって血管の収縮・拡張がうまくコントロールできないことも立ちくらみが起こる原因のひとつです。これは神経調節性失神と呼ばれ、ふらつきや目の前が暗くなる感覚などが前兆としてあらわれることがあります。

自律神経は、からだを緊張状態にする交感神経と、休息状態にする副交感神経の2つからなり、両者がバランスをとりながらからだのさまざまな機能をコントロールしています。ストレスや疲労、睡眠不足などによって乱れやすく、不規則な生活が続いている場合は要注意です。また、神経調節性失神は人混みや長時間立ち続けることなど、環境的要因によって起こることもあります。

| 水分不足
汗をたくさんかく、水分補給の回数が少ないなどによって水分不足の状態になっている場合も要注意です。水分不足の状態では血液量が減って血圧が下がりやすくなります。その結果、立ち上がったときに脳に十分な血液が運ばれにくくなり、立ちくらみにつながることがあるのです。

真夏の外出や運動時はもちろん、入浴で汗をかいたあとなども注意が必要です。仕事に集中して長時間飲み物を口にしていなかった、朝からほとんど水分を摂っていなかったという場合、知らず知らずのうちに水分不足に陥っている可能性があります。

| 鉄分不足
鉄は、赤血球に含まれるヘモグロビンをつくるために欠かせない栄養素です。鉄が不足して鉄欠乏性貧血になると、全身へ酸素を運ぶ力が低下し、めまいや立ちくらみ、息切れ、疲れやすさなどにつながることがあります。

特に女性は月経によって鉄分が排出されるため鉄分不足になりやすく、経血量が多い人は要注意です。また、食事が偏りがちで必要な鉄を十分に摂れていない場合も、鉄分不足になりやすくなります。
|2. 立ちくらみが起きた際の対処法
 

 

立ちくらみを感じたときは無理をしないことが第一です。目の前が暗くなる、冷や汗が出る、ふわっとするなどの前兆があれば、転倒しないよう安全な場所で座りましょう。可能であれば横になり、症状が落ち着くまで安静にします。階段や浴室では、手すりや壁につかまるなど、けがを防ぐ行動を優先しましょう。

暑い場所にいた、汗を多くかいたなどの場合は水分不足が考えられるため、意識がはっきりしている場合は水やお茶などを少しずつ摂ります。大量に汗をかいた場合は塩分を一緒に補給することも大切です。

症状が治まってもすぐには立たず、少し様子を見てからゆっくり動きましょう。何度も繰り返す、実際に意識を失った、動悸や胸の痛みなどを伴う場合は医療機関に相談してください。
|3. 立ちくらみを防ぐセルフケア
 

 

立ちくらみが気になるなら水分補給や食生活、睡眠習慣などを見直すことが大切です。日常生活のなかでできるセルフケアを紹介します。

| こまめに水分補給をする
「喉が渇いた」と感じてから飲むのではなく、生活のなかにこまめに水分補給のタイミングをつくりましょう。例えば、朝起きたときや仕事の休憩時、外出前後、入浴前後など、「このタイミングでは飲む」と決めておくと忘れにくくなります。

冷房の効いた室内では暑さを感じにくいため、デスクの見える場所に飲み物を置くなどで水分補給を意識できるよう工夫することも効果的です。一度にたくさん飲むより、少量ずつ回数を分けて摂取しましょう。

| 鉄分やたんぱく質を積極的に摂る
鉄欠乏性貧血が立ちくらみの背景にあるなら、毎日の食事で鉄とたんぱく質を意識することが大切です。鉄には赤身肉やレバーなどの動物性食品に含まれるヘム鉄と、小松菜やほうれん草などの植物性食品に含まれる非ヘム鉄があります。

非ヘム鉄はヘム鉄より吸収されにくい傾向にありますが、動物性たんぱく質やビタミンCと一緒に摂ると吸収されやすくなります。

たんぱく質はヘモグロビンなどの材料にもなる栄養素です。例えば小松菜のおひたしに肉や魚のおかずを組み合わせるなど、1食全体でバランスを考えてみましょう。

| 十分な睡眠をとる
十分な睡眠をとって心身を休めることも大切です。忙しい日が続くとつい睡眠時間が短くなってしまいがちですが、睡眠不足が続くと自律神経の乱れにつながりやすくなります。

十分な睡眠をとるために、起床・就寝時刻を大きくずらさず、自分に必要な睡眠時間を確保することを意識しましょう。休日に寝だめをすると体内時計が乱れるため、平日と休日で睡眠リズムを崩さないことも大切です。

就寝前には深呼吸をする、アロマを楽しむなど、リラックスタイムを設けて心身の緊張をほぐすことも効果的です。自分なりのリラックス方法を取り入れることで寝付きをよくすることにつながります。

| ゆっくりとした動作を心がける
朝ベッドから起きるときや長時間座ったあとなどは、いきなり立ち上がらずゆっくり姿勢を変えましょう。起床時には横になったまま足首や脚を軽く動かし、からだを起こして座ってから立つ、と段階を踏むのがポイントです。

デスクワーク中も、立つ直前に足首を曲げ伸ばししたり足踏みをしたりしてから動き始めると急な血圧低下を避けやすくなります。特に「いつもこの場面でクラッとする」というタイミングがわかっている人ほど、動作をゆっくりにする習慣をつけましょう。

| 漢方薬を活用する
立ちくらみを繰り返して悩んでいる場合は、漢方薬を活用して体質からの改善を目指すのもおすすめです。漢方薬は自然由来の生薬を複数組み合わせてつくられており、不調の根本原因にアプローチします。

立ちくらみには「内耳の水分の循環をよくする」「自律神経の乱れを整える」「血流を改善する」などの働きがある漢方薬を選びましょう。

< 立ちくらみにおすすめの漢方薬 >
苓桂朮甘湯(りょうけいじゅつかんとう)
体内の水分のバランスを整えて、耳鳴りやめまい、立ちくらみに働きかける漢方薬です。のぼせや神経質な人にも用いられます。

当帰芍薬散(とうきしゃくやくさん)
栄養を補い血行を促し、水分代謝を整えることで、冷えからくる生理痛やむくみを和らげる漢方薬です。貧血気味で疲れやすい人に向いています。

漢方薬は同じ「立ちくらみ」でも体質や伴う症状によって適する処方が異なります。ほかの薬を飲んでいる人や妊娠中の人、持病がある人などは、自己判断で選ばず医師や薬剤師に相談しましょう。


|4. 過ごし方を整えて健康的な毎日へ
立ちくらみには、起立性低血圧や自律神経が関わるもの、水分不足、鉄欠乏性貧血などさまざまな原因があります。こまめな水分補給や食生活の見直し、十分な睡眠など、自分に合う習慣を続けてみましょう。頻繁に繰り返す、失神するなど気になる症状がある場合は、セルフケアだけで済ませず医療機関へ相談することも大切です。
<この記事の監修者>
 

 

 医師
木村 眞樹子(きむらまきこ)

都内大学病院、KDDIビルクリニックで循環器内科および内科に在勤。総合内科専門医・循環器内科専門医・日本睡眠学会専門医。産業医として企業の健康経営にも携わる。
自身の妊娠・出産、産業医の経験を経て、予防医学・未病の重要さと東洋医学に着目し、臨床の場でも西洋薬のメリットを生かしながら漢方の処方を行う。症状・体質に合ったパーソナルな漢方をスマホ一つで相談、症状緩和と根本改善を目指すオンラインAI漢方「あんしん漢方」でもサポートを行う。

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