1. トップ
  2. ヘルスケア
  3. 【私、こんなに忘れっぽかった?】物忘れの原因について徹底解説!

【私、こんなに忘れっぽかった?】物忘れの原因について徹底解説!

  • 2026.11.2

「人の名前がなかなか出てこない」「頼まれたことをうっかり忘れてしまう」などの物忘れの悩みを抱えていませんか? まだ若いのに、と不安になるかもしれませんが、物忘れは年齢のせいだけで起こるものではありません。睡眠不足やストレス、情報量の多さなど毎日のコンディションが影響していることもあります。
あんしん漢方所属の薬剤師の山形ゆかりさんに、物忘れの原因やセルフケアについて伺いました。

|1. 物忘れの原因 

 

「物忘れ=年齢を重ねてから起こるもの」というイメージを持っている人もいるかもしれません。しかし、若くても睡眠不足やストレス、忙しさなどが重なることで「最近、忘れっぽいかも」と感じることがあります。

物忘れが気になるときは、睡眠や何気ない生活習慣、ストレスなど、最近の生活を振り返ってみるのがおすすめです。ここからは、物忘れにつながる主な原因をみてみましょう。

| 睡眠不足
睡眠不足が続くと、脳の疲れがたまり物忘れが起きやすくなることがあります。

「昨夜もついスマホを見続けてしまった」「平日は睡眠時間を削りがち」。そんな日が続いていませんか? 睡眠は日中に入ってきた情報を整理し、記憶として定着させるための大切な時間です。寝不足が続くと頭がぼんやりしやすく、会議で聞いた内容や「あとでやろう」と思っていたことが抜けてしまうこともあります。

さらに、十分に休めない状態が続けば、疲れもたまりやすくなります。「最近、頭が働かない」と感じたら、昨日何時間寝たかだけでなく、ここ数週間、睡眠不足が積み重なっていないかも振り返ってみましょう。

| ストレス
強いストレスが続くと、集中したり、情報を一時的に覚えておいたりする力がうまく働かないことがあります。仕事の締め切り、職場の人間関係など、気づけば頭の中が「考えなきゃいけないこと」でいっぱいになっている日はありませんか? 悩み事をずっと抱えていると脳が休む暇が無く、自律神経にも負担がかかって乱れやすくなります。

その結果、「話を聞いていたはずなのに内容が残っていない」「次にやろうと思っていたことを忘れた」と感じやすくなる場合もあります。

| 情報過多による脳疲労
仕事やスマホの使用など、多くの情報に常に触れていることで脳疲労が起こり、物忘れにつながっていることもあります。仕事中にメールの返信をしながら、スマホの通知をチェック。そこで別の仕事を頼まれて、頭の中では夕食のことも考えている……。毎日の生活は、想像以上にたくさんの情報であふれています。

いくつものことを同時に進めようとすると、そのたびに注意を切り替えなければならず、脳への負担も大きくなりがちです。また、休憩時にSNSや動画をなんとなく見る習慣も、その間に脳が情報を処理しようと稼働して疲労につながりやすくなります。

| ホルモンバランスの変化
女性の場合、更年期になると女性ホルモンのバランスが変化することで物忘れが起こりやすくなります。女性ホルモンのエストロゲンが減少することによって自律神経が乱れ、睡眠不足などになりやすく、結果として「頭がぼんやりする」「集中しづらい」と感じることがあるのです。

また、エストロゲンが減少すると、セロトニンの分泌量も低下します。セロトニンは精神を安定させる働きのほか、記憶力にも関わるため、分泌量が減ることで記憶力の低下も起きやすくなります。
|2. 物忘れの受診の目安
 

 

「これくらいの物忘れで病院に行ってもいいのかな」と迷うこともありますよね。そんなときは、日常生活への影響をひとつの目安にしてみましょう。

例えば、人の名前がすぐに出てこなくても、あとから思い出せたり、ヒントがあれば「あ、そうだった!」と気づけたりするなら、日常的なうっかり忘れの範囲であることも少なくありません。

同じことを何度も尋ねる、約束したこと自体を忘れる、料理の手順がわからなくなる、お金の管理が難しくなるなど、これまで普通にできていたことに支障が出ている場合は、一度医療機関に相談することをおすすめします。

また、短期間で急に物忘れが目立つようになったり、ぼんやりして反応が鈍くなったりした場合も注意が必要です。受診するときは、「いつから」「どんな場面で」「何に困っているか」を簡単にメモしておくと、状況を伝えやすくなります ※1。
|3. 物忘れが気になるときのセルフケア
 

 

生活習慣を少し見直し、脳への負担を軽減することが、物忘れの対策につながります。日常生活のなかでできるセルフケアを紹介します。

| 生活リズムを整える
頭とからだをしっかり休ませるために、毎日のリズムを整えてみましょう。休日はお昼まで寝て、平日は深夜まで起きているなど、日によって生活時間が大きくずれると、十分に休んだつもりでも疲れが残ることがあります。就寝・起床、食事の時間をできるだけ毎日一定に保つことを意識するのが大切です。

生活リズムを一気に変えることが難しい場合は「朝はだいたい同じ時間に起きる」「寝る30分前には仕事やスマホから離れる」「夜遅くまで予定を詰め込みすぎない」など、できることから取り入れてみましょう。

| メモを活用する
予定や買い物、仕事のタスクなどをメモにして書き出すことも効果的です。覚えておくことが増えるほど、「忘れないようにしなきゃ」と脳への負担が大きくなります。買い物はスマホのメモ、仕事の締め切りはカレンダー、明日の持ち物は玄関のチェックリストと決めておくと、思い出す負担を減らせます。

予定が決まった瞬間に入力し、リマインダー機能を活用して通知を前日と当日に設定するのもおすすめです。頭の中をすっきりさせるために、メモを上手に活用しましょう。

| 適度に運動する
適度に運動をして全身を動かし、脳への血流を促進することも物忘れ対策につながります。デスクワークが続いて何時間も座りっぱなしでは血行不良が起き、脳への血流も低下しがちです。運動すると全身の血流が変化し、脳の血流も促進されて必要な栄養や酸素が届きやすくなります。

いきなりハードな運動を始める必要はありません。昼休みに10分だけ歩く、買い物のついでに少し遠回りする、仕事の合間に肩や背中を伸ばすなど、まずは今より少し多く動くことを意識しましょう。

余裕のある日はウォーキングなどの有酸素運動を取り入れるのもおすすめです。疲れている日は無理をせず、「気持ちいい」と思える範囲で続けてみましょう。

| ツボ押しをする
物忘れが気になる人におすすめしたいツボが「四神聡(ししんそう)」です。


四神聡は「百会(ひゃくえ)」という頭のてっぺんにあるツボを中心にして、親指の幅分前後、左右に位置するツボです。脳を活性化させたり、精神不安や不眠の解消、健忘の予防などに効果が期待できます。

押しやすい人差し指や中指を使って押すのがおすすめです。じんわり深めに押しながら5秒かけて鼻から息を吸い、力をぬきながら10秒かけて口から息を吐き出しましょう。

日々のルーティンとして取り入れることで、仕事や家事の効率アップに役立ちます。

| 漢方薬を活用する
物忘れが気になるときは、漢方薬を活用するのもひとつの手です。漢方薬は心とからだのバランスを整え、不調の根本原因にアプローチします。物忘れにつながる心身の状態を整える効果が期待できます。

物忘れには「胃腸の働きをよくして必要な栄養を補う」「血行をよくする」「自律神経を整える」などの働きがある漢方薬を選びましょう。

< 物忘れにおすすめの漢方薬 >
人参養栄湯(にんじんようえいとう)
胃腸の働きをよくしてエネルギーや栄養を補い、栄養状態をよくする効果が期待できる漢方薬です。手足の冷えや貧血などが気になる人に向いています。

当帰芍薬散(とうきしゃくやくさん)
栄養を補い血行をよくして、頭重や耳鳴り、めまいなどを改善する漢方薬です。疲れやすく貧血傾向のある人に向いています。

漢方薬は体質や症状によって合うものは異なります。自分に合う漢方薬を知りたいなら、専門家に相談しましょう。

専門家の力も借りながら、漢方薬でのケアを始めてみましょう。
|4. 脳を休めて健やかな毎日を
物忘れが続くと「もう年かな」と思ってしまうかもしれません。しかし、物忘れの背景には睡眠不足やストレス、情報過多など、毎日の忙しさが関係している場合もあります。生活リズムを整える、少しからだを動かす習慣を取り入れるなどできることから始めて、物忘れに悩まされない毎日を目指しましょう。
<この記事の監修者>
 

 

 あんしん漢方 薬剤師
山形ゆかり
薬剤師・薬膳アドバイザー・フェムケアサポーター。
糖尿病病棟での経験から予防医学と食事の重要性を痛感し独立。エビデンスを軸に薬膳・発酵・フェムケアの視点でレシピ監修や執筆、講師活動を通じ「食から整える健康」を提唱。症状・体質に合ったパーソナルな漢方をスマホひとつで相談、症状緩和と根本改善を目指すオンラインAI漢方「あんしん漢方」で薬剤師を務める。
<参考文献>
※1 国立研究開発法人国立長寿医療研究センター「認知症はどう予防する?もの忘れと認知症を知ろう」

元記事で読む
の記事をもっとみる

注目コンテンツ