1. トップ
  2. エピソード
  3. 「返事遅いね」と言われた出張中の俺→13時間の時差の向こうで、彼女に黙って続けていたこと

「返事遅いね」と言われた出張中の俺→13時間の時差の向こうで、彼女に黙って続けていたこと

  • 2026.11.4
ハウコレ

「ごめん。なるべく早く返すようにする」。そう送った日から、俺はスマホのアラームを一つ増やしました。言い訳になりそうな事情は、彼女には伝えないと決めていたのです。
夜中、アラームを止めて、暗いホテルの部屋でスマホを開きました。日本との時差は13時間。こちらが真夜中のころ、日本は昼過ぎです。付き合って1年半の彼女に返信を打ち終えると、もう一度アラームをセットしてから目を閉じました。

時差の向こうで

仕事でニューヨークに来たのは2週間前のこと。出発前、「向こうでも連絡するから」と約束したのは俺のほうです。
ただ、時差のことまでは考えていませんでした。日中は工場の視察続きで、スマホは控え室のロッカーに預けたまま。読めるのは、ホテルに戻ってからでした。
そうして返すころ、日本はもう翌日の昼です。俺はできるだけ急いで返しているつもりでも、彼女から見れば半日遅れの返事でした。
「ごめん、今見た」
それが、俺の決まり文句になっていました。

届いた二通

その日も、ホテルに戻ってすぐに返しました。しばらくして彼女から届いたのが、この二通です。
「返事遅いね」
「忙しいのは分かるけど、ちょっと寂しい」
時差のせいだと説明することはできました。けれど、それを言えば、彼女は自分の送る時間を気にするようになるでしょう。寂しいと言わせたのは、こちらの都合です。
「ごめん。なるべく早く返すようにする」
そう送って、アラームを一つ増やしました。彼女のメッセージが届きやすい時間に合わせて、夜中に一度起きることにしたのです。

眠気と引きかえの返事

それからは、アラームで起きては返事を打ち、また眠る日が続きました。暗い部屋でまぶしい画面を見つめ、打ち間違えては直す。その繰り返しです。
視察の最中に、あくびをかみ殺すことも増えました。同行した上司には、「時差ボケか」と笑われる始末。
それでも、彼女から届く「返事早くなったね」の一言を読むと、起きた甲斐があったと思えたのです。

そして...

帰国まであと5日に迫ったころ、ホテルに戻って開いたスマホに、彼女からメッセージが届いていました。
「ねえ、そっちは今何時?」
ありのままの時刻を打てば、彼女はこれから送る時間を気にするでしょう。すぐには返せず、いつもの夜中のアラームで起きてから、俺はこう打ちました。
「帰ったら、ちゃんと話す」
少しして届いた彼女の返事は、「帰ってきたら、いっぱい話そう」でした。
時差を言わなかったのは、彼女に時計を気にせず送ってほしかったから。早くなったと喜んでくれた返事は、毎回、彼女のために真夜中に起きて打ったものだったのです。

(20代男性・会社員)

本記事は、読者アンケートに寄せられた実体験をもとにした本人視点の記事を参考に、相手側の心情を想定して制作しています。実際の相手本人への取材ではなく、編集部による解釈を含みます。

(ハウコレ編集部)

元記事で読む
の記事をもっとみる

注目コンテンツ