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じいちゃん&ばあちゃんがもっと大好きに! 祖父母へ想いをよせる絵本3選[絵本専門店の書店員が選出]

  • 2026.10.31
cocrecoイメージ写真:アフロ

絵本は、子どもへの贈りものに最適なアイテム。とはいえ、ぴったりな1冊を選ぶのは、なかなか難しいもの。連載【子どもの本のプロが選ぶギフト絵本】では、絵本の専門家が、プレゼントにふさわしい絵本をセレクトします。

第25回は、子どもの本専門店「ブックハウスカフェ」店長の茅野由紀(ちの・ゆき)さんが、おすすめの“おじいちゃん・おばあちゃんの絵本”をご紹介。

“大人気おばあちゃん”の知られざるルーツ

親とはまた違った立ち位置から、子どもに惜しみない愛情を注いでくれるおじいちゃん・おばあちゃん。子どもにとっては甘えさせてくれる存在であり、「おじいちゃん・おばあちゃんが大好き!」というお子さんも多いですよね。

今年(2026年)の敬老の日は、9月21日。敬老の日に向けて、おじいちゃん・おばあちゃんとの絆や深い愛情を描いた3冊を選びました。

最初にご紹介するのは、大人気『もったいないばあさん』シリーズからの一冊、『もったいないばあさんの おばあちゃん』(講談社)。2024年、『もったいないばあさん』誕生20周年を記念する年に発売されました。

cocreco『もったいないばあさんの おばあちゃん』(作・絵:真珠まりこ/講談社)

本作に登場するのは、子どものころのもったいないばあさんと、もったいないばあさんのおばあちゃんです。

これまでのシリーズを読んで「もったいないばあさんのおばあちゃんって、どんな人だったんだろう?」と気になっていたので、初めて手にしたとき、とても嬉しかったことを覚えています。

田んぼでお米づくりをしていたおばあちゃんは、幼き日のもったいないばあさんにたくさんのことをやさしく教えてくれました。日々感謝すること、自然とともに生きていること、ものを大切にする気持ち──。

そんなおばあちゃんの口ぐせは「ありがたや ありがたや」「もったいない もったいない」。もったいないばあさんが、なぜもったいないばあさんになったのか、そのルーツがていねいに描かれています。

お父さん・お母さんに言われると、距離が近すぎて思わず反発してしまうことも、おじいちゃん・おばあちゃんなら、なぜか素直に受け入れられる……みなさんにも経験があるのではないでしょうか。

もったいないばあさんに、いろいろなことを教えてくれたのは、おばあちゃん。そのおばあちゃんに教えてくれたのは、おばあちゃんのおばあちゃん。命のつながりとともに、知恵や意識のつながりの尊さも感じさせます。

もったいないばあさんから次の世代にも、きっとつながれていくのだろうと予感させるラストもお気に入りです。

お米づくりのようすも詳細に描かれていて、新米の季節のギフトとしてもぴったり。作者・真珠まりこさんが、和紙を染め、貼り絵で原画を作ったというあたたかな絵も、じっくりと味わっていただきたいです。

*読み聞かせ 3さいくらいから

*ひとり読み 5さいくらいから

愛情と信頼で結ばれたおじいさんと孫を描く

次にご紹介するのは『おじいさんならできる』(福音館書店)。ユダヤの人々に伝わるお話をもとに描かれた、おじいさんと孫の物語です。

cocreco『おじいさんならできる』(作・絵:フィービ・ギルマン、訳:芦田ルリ/福音館書店)

少年・ヨゼフが赤ちゃんのころ、おじいさんが心を込めてブランケットを縫ってくれました。けれども、ヨゼフが大きくなると、ブランケットはだんだん古くなり、お母さんに捨てられそうになってしまいます。

すると、ヨゼフは言うのです。「おじいちゃんなら きっと なんとかしてくれるよ」。

おじいさんのところへ持っていくと、おじいさんは「はさみで ちょき ちょき ちょき、はりで ちく ちく すーい すい」と手を動かします。

「ちょうど いいものが できるぞーー」

おじいさんはブランケットをジャケットに作り変えてくれました。けれども、ヨゼフが大きくなると、ジャケットはだんだん古くなり、またお母さんに捨てられそうになってしまいます。

すると、ヨゼフはまた言うのです。「おじいちゃんなら きっと なんとかしてくれるよ」。

ヨゼフが大きくなるたび、大きな愛情で「ちょうど いいもの」に作り変えるおじいさん、なんて素敵なのでしょう。

そして、おじいさんに作ってもらったものをずっと大事にして、「おじいさんならできる」と、圧倒的な信頼を寄せるヨゼフも愛らしい。ヨゼフにとっておじいさんは、特別で偉大な存在なのですね。

同じシチュエーションが繰り返されるテンポのいい展開で、「次はどうなるんだろう?」とドキドキしながら、最後は笑顔になれる物語です。

読んだお子さんは、ものを大切にする心や年長者の知恵だけでなく、“子どもは愛される存在なのだ”というメッセージも受け取るのではないでしょうか。

派手さはないけれど、こうした温かみある良書を紹介することも絵本専門店の重要な役割と改めて感じます。おじいさん家の床下で暮らすネズミ一家のサイドストーリーにも注目ですよ。

*読み聞かせ 4さいくらいから

*ひとり読み 小学校低学年から

会いたい気持ちが止まらない!

最後にご紹介するのは、1979年に刊行された絵本作家・五味太郎さんのロングセラー絵本『はやくあいたいな』(絵本館)。英語版や中国語版、フランス語版など、翻訳版も出版されていて、世界各国で数々の賞を受賞している名作です。

cocreco『はやくあいたいな』(作:五味太郎/絵本館)

おばあちゃんが大好きな、よおちゃんと、よおちゃんが大好きなおばあちゃんの物語です。

ある日、よおちゃんは、急におばあちゃんに会いたいと思い立ち、おばあちゃんの家へ向かいます。ところが、そのとき、おばあちゃんも急によおちゃんに会いたくなって、よおちゃんの家へ向かいます。

会いたくて居ても立ってもいられなくなり、家を飛び出す行動力にまず感動してしまうのですが、同時にお互いの家を出発したふたりは、何度もすれ違ってしまいます。けれど、すれ違うほどに会いたい気持ちはどんどん強くなっていくのです。

「はやく、おばあちゃんにあいたいよ!」

「はやく、よおちゃんにあいたいね!」

“待ってられないぞ!”とばかりに、バイクを走らせるおばあちゃんのカッコイイこと! お互いを想うパワフルさが伝わってきて、大笑いしながら読み、ラストはあたたかな感動が広がります。

究極にシンプルな物語ながら、長く余韻を楽しめるのは、五味さんだからこそ成せる技ではないでしょうか。

子どもたちへの読み聞かせでも大人気で、「ちがうちがう!」「行っちゃダメー」「そこで待ってて!」などと、子どもたちの反応を見るのも楽しいものです。お父さん・お母さんはもちろん、おじいちゃん・おばあちゃんとも一緒に読んでみてくださいね。

*読み聞かせ 2さいくらいから

*ひとり読み 4・5さいくらいから

取材・文/星野早百合

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