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人生の壁にぶつかっている人へ。「戦後の過酷な現実」を乗り越えた祖母の生き様に勇気をもらう

  • 2026.10.31
食べ物を持って、しかし沈んだ表情ですね吉さんの家から出てきた女性。
食べ物を持って、しかし沈んだ表情ですね吉さんの家から出てきた女性。

ライブドアブログ「ゆっぺのゆる漫画ブログ」やInstagramで活動する漫画家・ゆっぺさん(@yuppe2)。2021年12月から連載された『親に捨てられた私が日本一幸せなおばあちゃんになった話』は、完結後に電子書籍化され、「人生で一番大切なことが描かれている」と多くの読者の心をつかんだ。今回は作品の内容とともに、制作時のエピソードについて話を聞いた。

ある日、キヨは未亡人たちの行動に違和感を覚える
ある日、キヨは未亡人たちの行動に違和感を覚える
すね吉さん家へ行った女性は皆、食べ物を持っていた…
すね吉さん家へ行った女性は皆、食べ物を持っていた…
「生きていくためには仕方ないのよ」食べるものを得るために女性たちは…
「生きていくためには仕方ないのよ」食べるものを得るために女性たちは…

戦後の町で少女が目撃した過酷な現実

本作は、ゆっぺさんの祖母・キヨさんの実体験をもとに描かれた物語だ。父を亡くした幼いキヨさんは、叔父夫婦の養女となるが、養母から厳しく扱われながら暮らしていた。その後、日本は戦争へ突入。苦しい時代を経て終戦を迎えるが、戦後の町では夫を亡くした未亡人たちが、同じ家へ頻繁に出入りする姿を目にするようになる。

しかも、女性たちは帰るときに食料を持っている。食べるものすら不足していた時代、その家では一体何が行われていたのか。幼いキヨさんの視点を通して、戦後の過酷な現実が静かに描かれる。

月1〜2回のお茶会から生まれた「ネームなし」のリアルな熱量

ゆっぺさんが初めてキヨさんから話を聞いたのは2021年春のことだ。漫画化を決意したのはその約半年後。「それまでギャグ調の漫画しか描いたことがなかったので、決断するまで少し時間がかかりました」と当時を振り返る。

連載中は、月に1〜2回ほどお茶を飲みながら2〜3時間かけて話を聞き続けていたといい、「次から次へと話が出てくるので、ネームは作らず、熱の冷めないうちにすぐ漫画にしていました(笑)」と明かす。細かな確認は母親を通じて行うこともあったという。

重いテーマだからこそ絵柄に込めた優しさと温もり

本作では戦争や家庭内虐待など重いテーマも扱われているが、柔らかな色使いや親しみやすい絵柄によって、最後まで読み進めやすい空気感が生まれている。

ゆっぺさんは「お話がつらい内容なので、絵柄は癒やし系でいきたいと思いました。読んでいてつらくなりすぎないように…と」と語る。さらに主人公のキヨさんについても、「応援したくなるような、かわいらしいキャラにしたいと思いました」と明かしてくれた。

戦前から戦後にかけての激動の時代を生き抜き、壮絶な人生を歩んできたキヨさん。その姿には、現代を生きる人の胸にも響く強さと優しさがある。読者から「時々読み返している」という声が寄せられるのも納得の作品だ。

取材協力・画像提供:ゆっぺ(@yuppe2)

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