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“M!LKのバレエ”に期待大? 風間杜夫×吉田仁人×紫吹淳が織りなす、勇気と感動の朗読劇『ナビレラ』インタビュー

  • 2026.10.25
リーディングドラマ『ナビレラ』に出演する(左から)紫吹淳、風間杜夫、吉田仁人 撮影:山本倫子 width=
リーディングドラマ『ナビレラ』に出演する(左から)紫吹淳、風間杜夫、吉田仁人 撮影:山本倫子

世界中に勇気と感動を届けた珠玉の物語『ナビレラ』がリーディングドラマとして上演される。原作は、韓国の漫画家・HUNによる大ヒットコミック。Netflixで配信されたドラマ版が世界中で大きな反響を呼び、多くの視聴者の涙と共感を誘った。その人気はドラマにとどまらず、韓国に続き日本でもミュージカルで上演。さらに北米では、「漫画界のアカデミー賞」とも称されるアイズナー賞にノミネートされるなど、世界的にも高い評価を得ている。そんな物語を、今回は3人の俳優によるリーディングドラマとして舞台化。70歳で初めてバレエに挑戦する元郵便配達員シム・トクチュルを風間杜夫、才能に恵まれながらも夢を見失いかけている23歳の若きバレエダンサー、イ・チェロクをM!LKの吉田仁人、物語を導くストーリーテラーを紫吹淳が務める。風間と吉田、紫吹が、本公演への意気込みや本作の魅力を語った。

【写真】吉田仁人、ビジュよすぎて滅! 撮りおろしショット

■バレエポーズに苦戦中!? 「今、足に絆創膏しています」(紫吹)

――ご出演が決まったときのお気持ちを教えてください。

吉田:お声がけをいただいて、内容をお伺いしたときは「本当に!?」と思いました。僕と風間さん、そして紫吹さんというキャスト陣で。

風間:不満なの?

吉田:不満じゃない、不満じゃないです(笑)。「僕でいいの?」と思いました。本当に召集されたのが僕で合っているのかなと思うくらいの内容と、キャストのお2人で。すごすぎて。

紫吹:年の差はすごいと思いますけどね。

吉田:年の差じゃないです。芸歴と出演歴と実力です! 大大先輩ですから。

風間:吉田くんとリーディングができるというので、僕の家族は大変なんですよ。M!LKのリーダーでしょう?

吉田:はい、リーダーやっています。

紫吹:光栄です、今こうしてご一緒できて。

吉田:いやいや、僕の方が光栄です。

紫吹:バレエのご経験はあったんですか?

吉田:バレエはないんです。10歳くらいからジャズダンスを始めたので、バレエを踊るというのは、プレッシャーが大きい朗読劇だなと思いました。

風間:実は、まだ僕たちは本読みをしていないので、まだ作品については分からないことも多いんですよ。

紫吹:(風間は今回演じるシム・トクチュル役に)ぴったりですよ。

風間:70歳を超えているという役なので、それは実年齢でできますね。でも、この歳からクラシックバレエをやろうなんていうジジイはすごい。

紫吹:それが作品のテーマでもありますよね。

吉田:そうですね。実際に、ビジュアル撮影でバレエのポーズもしましたが、撮影はいかがでしたか?

風間:昔やっていた杵柄と言いますか……実は、僕もバレエの経験があるんですよ。

紫吹:ええ!?

風間:22歳のときだから、半世紀以上前になりますが、劇団の養成所でバレエの時間があったんです。『ジゼル』という演目にも出たんですよ。大竹まことや斉木しげる、きたろうと一緒に、アルバイトのような形で。

吉田:アルバイト?

風間:宮廷のシーンで、ただ歩くだけなんですけどね。舞台を1周するだけの役でした。

紫吹:歩くだけが一番難しいんですよね。

風間:そういうことにも気づいてなかった(笑)。

紫吹:でも、経験者なんですね。

風間:一応ね。

紫吹:だから飲み込みが早いんだ。

風間:早いよ。(この日の撮影でも、ポーズを)一瞬にして覚えたよ、昔を思い出して。でも、紫吹さん、あなたは宝塚ですからね。

紫吹:そうなんですが、私だけ「宝塚だから経験者」みたいな目で見ないでほしいです(笑)。宝塚に入る前まではバレリーナになりたくてバレエをやっていましたが、私もブランクがあるので、久しぶりにやったら、足から血が出てました(笑)。

吉田:え!?

紫吹:それくらいバレエって大変なんだなと。バレエをやる爪ではなかったので、今、足に絆創膏しています(笑)。

風間:今日のスチール撮りのポーズは、辛かった。

紫吹:そうですよね。バレエを一番経験している私ですら、ずっと同じポーズを取るのがきつかったですから。腕を丸く保つポーズは、きついんですよね。

風間:指も「キツネを作って、(親指と中指を)外してくれ」って。

紫吹:私たちのときは、よく脇の下に卵を入れて、丸い形を作るとかも言いました。

吉田:先輩方の前でいうのもあれですが、今、僕は体がビキビキで(笑)。

風間:いや、僕はもう、膝の裏から、太ももからふくらはぎまで痛いよ。

吉田:あはは(笑)。

風間:それをやろうとする爺さんの話ですよ、これ。

紫吹:だからいいんじゃないですか。

吉田:勇気をもらえますよね。

紫吹:歳を重ねても夢って諦めてはいけないんだなと思います。私は、お話をいただいたときは、この作品を知らなかったんです。Netflixでもドラマが観られるし、すごく話題のある作品だと聞いて、いただいた台本を読んだら、これは大変だ、と。

風間:語りをおやりになるから、大変だよね。10以上の役をやられるから。

吉田:そうですね。

紫吹:お2人も、もっと増えるんじゃないですか?

風間:嫌だよ(笑)。そうしたら断りますよ。

吉田:僕も台本をいただいて読んだのですが、やっぱり感想は「紫吹さん、大変そう」でした(笑)。

紫吹:そうなんですよ。私は、男も女も演じて、語りも担当しているので…ちょっと分担しましょう?

風間:そこは交渉だね。事務所を通して。

吉田:あはは。そこは頑なですね(笑)。

紫吹:私が話し過ぎているので、お2人の会話を増やすとか。みんな、それが観たいんですから。

吉田:僕が引き受けます。

風間:お客さんのほとんどは、あなたのファンだから。

吉田:そんなことはないです(笑)。作品のファンの方も、お2人のファンの方もいらっしゃいますから。

紫吹:吉田さんは、なんてお呼びしたらいいですか?

風間:よっち。

吉田:え、急に(笑)?

紫吹:今日が初めましてなんですよ。

吉田:そうなんですよ。面識もなくて、僕がお2人をずっと見させていただいていただけだったので。

紫吹:なんてお呼びしたらいい?

吉田:吉田くんでも、仁人くんでも。

風間:じんと? 変わった名前だね。本名?

吉田:そうです。

紫吹:じゃあ、仁人くん? じんちゃんいいね。

風間:でも、僕は「じいちゃん」だからね。紛らわしいよ。

紫吹:(風間は)教官ですよ(笑)。永遠の教官ですから。

■笹部博司演出の魅力「ただ座って朗読するのとはまた少し違う」(風間)

――それぞれが演じる役柄についても教えてください。

吉田:僕が演じるイ・チェロクは、シム・トクチュルと関わることによって、心持ちやバレエに対する思いがどんどん変化していくというところが見どころなのかなと思います。最後に、「ボレロ」って書いてあるので……どうやら踊りそう。

紫吹:皆さん、楽しみにしていてください! 最後に踊りますよ、仁人くん。

吉田:本当に膝が震えております(笑)。

風間:踊りますよ!

紫吹:バレエを踊るんだよね?

吉田:そうですね。その練習もすると思います。風間さんは、ご自身の役柄はいかがでしたか?

風間:真面目に話すと、高齢者になって、好きなことを見つけて、憧れのクラシックバレエに挑戦するという役です。すごい夢ですよね。彼は、ある大きな症状を抱えていて、人生の最後に何かを体に刻みたいという思いを持っている。そうしたお年寄りの話でもあるなと思って、いたく感動しました。

吉田:僕も50歳も年の差がある2人の関係をバレエが繋ぐというのが、ものすごく素敵だなと思いましたし、僕も頑張りたいと思いました。

紫吹:私は役目がたくさんあるので、どう説明していいか難しいのですが、あるときは奥さんであり、あるときは孫で、あるときはバレエ団の団長……という感じです。

吉田:実は、今回が朗読劇としては2回目の出演になるのですが、現時点(この取材日)ではまだ1回も経験していないんです。10月に1回出演して、この作品で2回目です。リーディングと普通の舞台の違いってどんなところにあるんですか?

紫吹:まず、良いのは、台本を覚えなくていいこと。

吉田:なるほど。

紫吹:ただ、泣くと最悪だよ。涙で見えなくなるし、ずっと下を向いているから、鼻水も啜れない。

吉田:目線が下にありますもんね。この台本の中には、「台本を置く」というシーンが何回か出てきましたよね。そこには「ポージングを教える」って書いてあったんですが、そこはドキッとしました(笑)。

紫吹:見せどころですね。

吉田:そうですね(笑)、そこはしっかりとやりたいですね。それから、やっぱり踊らなくてはいけないので、緊張や不安でいっぱいです。

風間:僕はこれまで、今回演出される笹部博司さんの作品は2度、経験があるんですが、その1つが『大誘拐〜四人で大スペクタクル〜』という、僕と柴田理恵さんと白石加代子さん、それから中山優馬さんの4人での作品でした。イスとテーブルをみんなでいろいろと動かして、それが車の中になったり、事務所になったり、縁側になったりするという演出だったんですよ。だから、今回もステージングがあるんだと思います。(笹部はそうした演出をする演出家なので)ただ座って朗読するのとはまた少し違う。

吉田:そうなんですね。きっと僕のファンの方は、朗読劇というものに対して、接する回数もそれほど多くないと思うので、新鮮に受け取っていただけるんじゃないかなと思います。

紫吹:朗読劇の良さは、やっぱり想像させることだと思います。たくさんの人がいらっしゃったら、一人ひとりの想像はみんな同じではないから、それぞれの想像が膨らませられたらいいですね。

吉田:思い思いの世界が作れるというのも魅力ですね。もし今回、紫吹さんに、バレエを踊ってくださいというお話があったらどうされますか?

紫吹:踊りますよ、バレエ。お2人よりは経験があるので、できる限り準備を重ねていますが、体がグキッとならない程度の動きで、作品がより良いものになるのであれば、挑戦したいなとは思います。

吉田:すごいです。本当に今回、紫吹さんなしではできない舞台です。

紫吹:そんなことないですよ。でも、私は2人の関係を、いろいろなところから支える役をたくさんやらせていただくので、私自身もお2人のより良い関係性をサポートできたらいいなと思います。難しい役どころだと思いますが、頑張りたいと思います。

■「僕は未経験ですよ?」(吉田) “M!LKのバレエ”に期待!

――現時点で、台本の中で特に心を動かされたシーンや共感したキャラクターはいますか?

吉田:僕は、後半のシーンで、チェロクが自分のことをおいてトクチュルを探しにいくシーンです。それまで後ろ向きに考えてしまう人間だったのに、ものすごくエネルギーを使って、大事にしたい、守りたい、助けたいという心情に変化します。それはやっぱり、トクチュルとの出会いがあったからだと思うので、そこにグッときました。男性バレエダンサーとしての成長もそうですが、人としての成長も感じていただけるシーンだと思うので、しっかりと演じられたらと思っています。

紫吹:私は、人の情熱は何もかもを可能にしてしまうものなのかなと、すごく感じたことでした。

風間:確かにそうですね。僕はもう少し稽古を通して、この作品を深めていきたいと思います。

――鹿児島公演は、吉田さんにとって凱旋公演ということですが、凱旋への思いも聞かせてください。

吉田:学生の頃に通っていたダンススクールが鹿児島市内にあるのですが、宝山ホールはそのダンススクールの発表会でずっと使っていた場所なんです。なので、僕自身も何度も発表会で舞台に立ったので、すごくなじみがあるんですよ。凱旋という大きな文字が乗っているので、緊張はしますが、なじみのある会場でやれることは、すごく光栄だなと思います。凱旋だからこそのプレッシャーはありますが、自分が今、どういうことをやっているのか、頑張っている姿を鹿児島の皆さんにお見せできたらいいなと思っています。頑張ります。

――では、本作の見どころを教えてください。

紫吹:見どころは、最後の「ボレロ」です。

風間:うん、「ボレロ」。

吉田:いや、ちょっと待ってください。どんどんハードルが上がっていくんで(笑)。

紫吹:それしかないですよ。

吉田:僕は、バレエ未経験ですよ?

風間:吉田くん風のバレエでいいんですよ。基礎に忠実である必要はない。M!LKのバレエ。

吉田:頑張ります(笑)。バレエを交えながらの朗読劇ですし、年の離れたこの2人が、親友のようにバレエを通じて成長していく姿をぜひ楽しみにしていただければと思います。

風間:すばらしい青年と出会って、憧れのバレエを習い始めるという、ある重い症状を抱えた高齢者の主人公が、必死に、人生最後を生き抜こうとする。そのたくましさと、お2人に支えられているこの70歳の姿も見ていただければと思います。とっても感動的なお話です。

紫吹:見どころは、トクチュルとチェロクのバレエに対する思いや、2人が出会うことによって人生観がどんどん変わっていくところだと思います。私は、今回、さまざまな役を演じさせていただくので、彼らに寄り添って、時にスパイスになって、彼らの人生に反応を与える立場を担っていきたいです。声を変えたりと難しさはあると思いますが、私の見どころは、男と女、自由に自在に、行き来するところかなと思います。それから、この作品では、いくつになっても夢を持てばそれを叶えられるんだという力強いテーマを描いていると思うので、きっとお客さまも感動の涙を流していただけるのではないかと思います。素敵な作品になるといいなと思っています。

(取材・文:嶋田真己)

リーディングドラマ『ナビレラ』は、2027年2月26日~28日に大阪・COOL JAPAN PARK OSAKA TTホール、3月3日~7日に東京・シアターH、3月19日に宮城・電力ホール、3月24日に鹿児島・宝山ホールにて上演。

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