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【25周年篇】『タイタニック』を超える大ヒット映画が公開した2001年…映画業界&劇場の“あの頃”を振り返ろう

  • 2026.10.27

昨年、映画ファンから大好評を集めたTOHOシネマズの「アニバーサリーキャンペーン」が2026年も好評開催中。劇場オープンから5年単位で周年を迎えるTOHOシネマズ15劇場限定で、毎月14日(トウ<10>フォー<4>の日)に1,300円で映画が観られるTOHOシネマズデイが復活するなど、おトクなキャンペーンやワクワクする企画が年末まで実施されている。

【写真を見る】25年前…2001年公開映画をチェック!歴史的大ヒットの『千と千尋の神隠し』などいまも愛される映画が続々登場

それにあわせてMOVIE WALKER PRESSでは、アニバーサリーを迎える各劇場のオープン当時の社会の動きや映画界のトレンドなどを振り返りながら、スタッフの声をもとにそれぞれの劇場の特色や魅力などを紹介するコラムを不定期で連載中。全6回で展開する当コラムの第5回は、今年でオープン「25周年」を迎える4劇場にスポットライトを当てていこう。

“21世紀”の幕開けに沸いた2001年、映画界ではどんな出来事が?

年間興収ランキングで洋画1位に輝いたスティーヴン・スピルバーグ監督の『A.I.』 [c]Everett Collection/AFLO
年間興収ランキングで洋画1位に輝いたスティーヴン・スピルバーグ監督の『A.I.』 [c]Everett Collection/AFLO

「25周年」を迎える4劇場(「TOHOシネマズ おいらせ下田」「TOHOシネマズ 東浦」「TOHOシネマズ 南大沢」「TOHOシネマズ 秋田」)がオープンした2001年といえば、“新世紀”の幕開けに誰もがワクワクした一年。ユニバーサル・スタジオ・ジャパンや東京ディズニーシーの開業、ゲームボーイアドバンスやゲームキューブ、初代iPodが発売されるなど、身近な娯楽が充実化。さらにJR東日本ではIC乗車カードSuicaが導入されるなど、現代の生活にもつながる便利で新たなサービスが次々と生みだされた。

その一方、9月11日にはアメリカ同時多発テロ事件が発生。テロや戦争の脅威を前に世界中に緊張が走ったことも、2001年を振り返るうえで決して忘れてはならない出来事の一つだ。また、これによって制作が遅延したり公開延期を余儀なくされたハリウッド映画も少なくなかった。スター俳優の来日プロモーションも相次いで見送りになるなど、映画界にも様々な影響が及ぶことに。

【写真を見る】25年前…2001年公開映画をチェック!歴史的大ヒットの『千と千尋の神隠し』などいまも愛される映画が続々登場 [c]2001 Hayao Miyazaki:Studio Ghibli, NDDTM
【写真を見る】25年前…2001年公開映画をチェック!歴史的大ヒットの『千と千尋の神隠し』などいまも愛される映画が続々登場 [c]2001 Hayao Miyazaki:Studio Ghibli, NDDTM

それでも国内の映画業界は、史上初めて年間興収2,000億円を突破するほどの大盛況に。その後押しとなったのは、やはりスタジオジブリ制作の『千と千尋の神隠し』(01)だ。夏休み映画として公開され驚異的なロングランを記録。興行収入は316億円を突破し、当時『タイタニック』(97)が持っていた日本歴代興収No. 1を塗り替える歴史的ヒットに。この記録は、『劇場版「鬼滅の刃」無限列車編』(20)まで19年間破られることはなかった。

また夏休みシーズンにはスティーヴン・スピルバーグ監督の『A.I.』(01)やマイケル・ベイ監督の『パール・ハーバー』(01)、『ジュラシック・パークIII』(01)など洋画のビッグタイトルが軒並み大ヒットを記録。秋には現在も続いている人気シリーズの第1作『ワイルド・スピード』(01)が公開され、年末には「ハリー・ポッター」シリーズの第1作『ハリー・ポッターと賢者の石』(01)が世界中で一大ムーブメントを巻き起こした。

年末に公開された『ハリー・ポッターと賢者の石』は世界的な大ブームに! [c]Everett Collection/AFLO
年末に公開された『ハリー・ポッターと賢者の石』は世界的な大ブームに! [c]Everett Collection/AFLO

同時に2001年は、全国の映画館のスクリーン数に占めるシネコンスクリーンの割合が半分に届かない最後の年でもあった。都市部の大劇場やミニシアターなど、個性をもった映画館がまだ多数存在しており、増加の一途をたどるシネコンと切磋琢磨。このころ、日本各地では郊外型のショッピングモールが相次いで開業。そこにシネコンが出店されることで、買い物や食事、映画鑑賞が一つの場所で完結するようになり、それまで映画館がなかった地域で映画がより一層身近なものになる重要な機会に。

次ページから紹介する「25周年」を迎える4劇場のうち3劇場も、こうした郊外型ショッピングモール内にある映画館。いずれも“シネコン文化”の発展を象徴する劇場と呼べるだろう。

青森県南部地域唯一の映画館「TOHOシネマズ おいらせ下田」

2001年4月29日にオープンした「TOHOシネマズ おいらせ下田」は、青森県第二の都市である八戸市に隣接した上北郡おいらせ町に開業した「イオンモール下田」内に、「イオン下田TOHOシネマタウン」の名称でオープン(2008年に現在の名称でリニューアル)。それまでおいらせ町には映画館が存在したことはなく、また現在は八戸市内にも映画館がないため、南部地方(青森県の東部)で唯一の映画館となっている。

青森県南部地方の唯一の映画館「TOHOシネマズ おいらせ下田」 TM & [c] TOHO Cinemas Ltd. All Rights Reserved.
青森県南部地方の唯一の映画館「TOHOシネマズ おいらせ下田」 TM & [c] TOHO Cinemas Ltd. All Rights Reserved.

全7スクリーンで総座席数は1,446席(車椅子用14席を含む)。「当劇場が開業したことで、地域のお客さまが最新の話題作を大型スクリーンと迫力ある音響で気軽に楽しめる環境が整いました」と、劇場担当者は振り返る。「この地域では自家用車での移動が生活の中心。以前は映画鑑賞のために遠方まで足を運ぶ必要がありましたが、現在では映画を観に行くことが家族や友人といった身近な人との休日の過ごし方の一つとして定着しています」。

そんな劇場の“推しポイント”を訊ねてみると「お客さまとの距離が近いことです」との回答が。「特に東日本大震災の直後には、地域全体が困難な状況に直面するなかで、日常を取り戻す場所としての映画館の存在意義を改めて実感することになりました。映画館は作品を上映するだけの場所ではなく、人と人とが同じ時間を共有し、感動や驚きを分かち合うことができる“特別な空間”。これからも地域コミュニティの一部として親しんでいただけるような劇場を目指して参ります」。

名古屋から30分!国際色豊かな「TOHOシネマズ 東浦」

『千と千尋の神隠し』の公開日にオープンした「TOHOシネマズ 東浦」 TM & [c] TOHO Cinemas Ltd. All Rights Reserved.
『千と千尋の神隠し』の公開日にオープンした「TOHOシネマズ 東浦」 TM & [c] TOHO Cinemas Ltd. All Rights Reserved.

愛知県の知多半島の付け根、知多郡東浦町に2001年7月20日にオープンした「TOHOシネマズ 東浦」も、大型ショッピングモール「イオンモール東浦」内にある劇場で、開業当時の名称は「イオン東浦 東宝シネマ9」(2005年に現在の名称でリニューアル)。東浦町には1960年代を最後に映画館がなく、映画を観るとなると名古屋市や安城市などに出掛けるか、レンタルビデオを借りるのが主流だった地域だ。

「地元にやっと映画館ができた!これで気軽に映画を観に行けるようになる!とすごく喜んだことをよく覚えています。オープンしてすぐのころは、映画館もショッピングセンター内も激混みでした」と、開業当時を知る劇場担当者は地元の人々の盛り上がりぶりを振り返る。ちょうど劇場のオープン日は『千と千尋の神隠し』の公開初日。担当者自身も家族と劇場に足を運び、3回も鑑賞したのだとか。

開放的なロビーと国際色豊かな客層が特徴のひとつ(TOHOシネマズ 東浦) TM & [c] TOHO Cinemas Ltd. All Rights Reserved.
開放的なロビーと国際色豊かな客層が特徴のひとつ(TOHOシネマズ 東浦) TM & [c] TOHO Cinemas Ltd. All Rights Reserved.

全9スクリーンで座席数は1,801席(車椅子用15席を含む)。同劇場の最大の特徴の一つが、その客層の国際色の豊かさだという。「三河地域という場所柄、トヨタの関連企業で働く方が多く、ファミリー層はもちろんのこと、ブラジルなどの外国出身のお客様も多く来館されます」と、担当者は説明する。「最近ではベトナム出身の方も増えたことから、日本ではあまり紹介される機会のないベトナム映画の上映に踏み切りました。大勢の方が来館し、満席になるほどの大盛況。TOHOシネマズの企業理念でもある“GOOD MEMORIES”を体験することができました」。

最寄りのJR武豊線緒川駅からは徒歩5分。1時間に2本のみのローカル線ではあるが、名古屋駅まで30分以内でアクセスできる好立地にある「TOHOシネマズ 東浦」。「近隣には多くのシネコンが軒を連ね、いまや映画館の激戦区。そのなかで選んでいただくために“東浦だから体験できること”を大切にしていきたい。どんな作品が好まれ、どんな時間帯に観やすいと感じるのかなど、日々研究のまっただなかです」と、シネコンのフレキシブルなメリットをこれからも最大限に発揮していくことをアピールしていた。

ショッピングモールと共に地元で愛される「TOHOシネマズ 秋田」

「TOHOシネマズ 秋田」も地元住民から愛され続けて25周年! TM & [c] TOHO Cinemas Ltd. All Rights Reserved.
「TOHOシネマズ 秋田」も地元住民から愛され続けて25周年! TM & [c] TOHO Cinemas Ltd. All Rights Reserved.

県内では5劇場全18スクリーンと、全国で4番目に映画館が少ない地域である秋田県。その中心部である秋田市の秋田駅周辺にはかつて複数の映画館が軒を連ねていたが、1990年までにその多くが閉館。そうしたなか「イオン秋田ショッピングセンター」内に2001年12月22日にオープンしたのが「TOHOシネマズ 秋田」。開業当時は「イオン秋田TOHOシネタウン」の名称で、2008年に現在の名称へとリニューアルされた。

「当時秋田県内には、単館の劇場が2館あるだけでした。そこへ県内初の本格シネコンである当劇場がオープンしたことで、映画の選択肢が増えたと多くのお客さまから喜びの声をいただきました」。秋田駅から車で15分、秋田自動車道の秋田南インターチェンジからすぐという好立地にある同劇場。「県内最大規模のショッピングモール内にあるということで、ファミリー層の娯楽の場や学生たちのデートスポット、ご年配の方々の憩いの場として、地域の方々に親しまれています」。

新幹線の駅からも高速道路のICからもアクセスしやすい立地が魅力的(TOHOシネマズ 秋田) TM & [c] TOHO Cinemas Ltd. All Rights Reserved.
新幹線の駅からも高速道路のICからもアクセスしやすい立地が魅力的(TOHOシネマズ 秋田) TM & [c] TOHO Cinemas Ltd. All Rights Reserved.

全8スクリーンで総座席数は1,681席(車椅子用20席を含む)。メイン館であるSCREEN2のスクリーンサイズは13.3メートル×5.5メートルの大画面。『室井慎次 敗れざる者』(24)の公開時には柳葉敏郎の舞台挨拶が行われるなど、県出身者の出演作が上映されるとひときわの盛り上がりを見せるアットホームさが魅力のひとつ。「映画館の選択肢が少ないがゆえに、『ここしかないから』ではなく『ここだから観に来た』と思ってもらえる映画館づくりを、これからも目指していきたいと思っております」。

都心から1時間で行ける“非日常”「TOHOシネマズ 南大沢」

「TOHOシネマズ 秋田」と同じく2001年12月22日にオープンした「TOHOシネマズ 南大沢」。こちらは東京都西南部を代表する八王子市の郊外、京王電鉄相模原線の南大沢駅に直結した商業施設「fab南大沢」内にある映画館だ。

新宿からおよそ1時間、京王電鉄の南大沢駅直結の「TOHOシネマズ 南大沢」 TM & [c] TOHO Cinemas Ltd. All Rights Reserved.
新宿からおよそ1時間、京王電鉄の南大沢駅直結の「TOHOシネマズ 南大沢」 TM & [c] TOHO Cinemas Ltd. All Rights Reserved.

日本最大級の計画的ニュータウン「多摩ニュータウン」の一角として開発が進められ、1988年の京王線延伸によって南大沢駅が新設されたことで本格的に街開きすることとなった南大沢。「住宅や商業、教育、文化施設が整備されており、主に高度経済成長期に移り住んだ方々が多く暮らしています。シニア層から近隣地域の大学の学生さん、ファミリー層などが多く来館されており、映画文化が日常になじみ、日常の一部として映画体験があるという印象を受ける地域となっております」と劇場担当者は説明する。

全9スクリーンで総座席数は1,948席(車椅子用21席を含む)。「PREMIER」スクリーンは全席リクライニングシート&サイドテーブルを完備した“映画館のファーストクラス”ながら通常料金で楽しむことができ、ヨーロッパをイメージして開発された駅前の街並みは華やかで美しく、眺望もよく自然豊か。「非日常的な空間を味わえる施設として、地域の人にいつまでも愛される映画館でありたいと考えています。都心にいらっしゃるお客さまにも、ここが東京であることを忘れさせてくれるような街並みを、映画体験と一緒に味わっていただければと思っております」。

映画鑑賞の帰りに駅周辺を散策してみるのもオススメ!(TOHOシネマズ 南大沢) TM & [c] TOHO Cinemas Ltd. All Rights Reserved.
映画鑑賞の帰りに駅周辺を散策してみるのもオススメ!(TOHOシネマズ 南大沢) TM & [c] TOHO Cinemas Ltd. All Rights Reserved.

TOHOシネマズの「アニバーサリーキャンペーン」は、3月から12月にわたって展開。対象劇場は、今回紹介したおいらせ下田、東浦、秋田、南大沢のほか、5周年のセブンパーク天美、10周年の柏、仙台、15周年の甲府、上田、20周年のはません、八千代緑が丘、モレラ岐阜、岡南、なんば、35周年の渋谷だ。本連載をきっかけに最寄りの劇場の思い出に浸ったり、気になっていた劇場情報をチェックして、いまだけの特別な催しを楽しもう!

文/久保田 和馬

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