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「この先どう生きる?」のヒントに。50代女性が憧れる素敵なシニア映画3選

  • 2026.10.26

『富士山と、コーヒーと、しあわせの数式』
©2025「富士山と、コーヒーと、しあわせの数式」


仕事や育児に明け暮れていた日々が少し落ち着く50代。ふと「この先どうやって生きていこうか」と老後のことが頭をかすめるものです。年齢を重ねることに不安がないといったら嘘になるかもしれませんが、一方で、これまでできなかったことをしてみたい、素敵な人や仲間と楽しく過ごしたい、などワクワクする気持ちもあるでしょう。そこで今回は、50代より先の人生を考えるうえでお手本になるような、素敵なシニア女性が登場する映画を紹介します。

夢を見つけて学ぶことを楽しむ祖母に勇気をもらえる 『富士山と、コーヒーと、しあわせの数式』

©2025「富士山と、コーヒーと、しあわせの数式」

夢に迷う大学生と、夢を見つけた祖母、二人が紡ぐ温かい家族の物語。約100年前、女性の活躍が困難だった時代に学校を創立(後に現在の学校法人文京学院に発展)、教育のために奔走した島田依史子の著作『信用はデパートで売っていない 教え子とともに歩んだ女性の物語』を原案に、彼女が後進に伝え続けた「学ぶことは楽しい」という概念や生きる姿勢を取り入れて映画化した作品です。

祖母・文子と暮らし始めた大学生の拓磨は、亡き祖父・偉志の書斎で大学の入学案内を見つけます。それは偉志が遺した文子へのサプライズでした。文子は、一歩を踏み出し、若い頃の夢だった「学び」の日々を謳歌します。一方、拓磨はコーヒーにはこだわりがあるものの、自分の夢に自信が持てずにいました。そんな二人は、富士山が好きだった偉志の手帳に不思議な数式を見つけて……。

©2025「富士山と、コーヒーと、しあわせの数式」

若い頃はできなかったことに挑戦し、いきいきと楽しそうにしている文子の姿は、50代の私たち世代に勇気を与えてくれます。文子を演じたのは、44年ぶりの映画主演となる市毛良枝です。一方、そんな祖母に感化される孫の拓磨役には、グローバルボーイズグループ「JO1」の豆原一成。少し頼りないけれど、優しい大学生を自然体で演じています。

©2025「富士山と、コーヒーと、しあわせの数式」

今さら初めても遅い、なんていうネガティブな考えを手放して、文子のように自分の好奇心に素直に生きていきたい、と思わせてくれる前向きで温かなヒューマンドラマです。

『富士山と、コーヒーと、しあわせの数式』

2025年製作

Blu-ray ¥6,050/DVD ¥4,950 発売中
発売・販売元:ギャガ

©2025「富士山と、コーヒーと、しあわせの数式」

2大スターが共演、寂しさに寄り添うことから始まった老境の愛 『夜が明けるまで』

Netflix映画『夜が明けるまで』独占配信中

伴侶を亡くして一人暮らしをしている高齢の男女、ルイスとアディの物語。ある夜、ルイス(ロバート・レッドフォード)のもとに近所に住むアディ(ジェーン・フォンダ)が訪ねてきます。二人は長年の顔見知りですが、あいさつを交わす程度で、互いのことをよく知りません。そんな間柄ですが、アディが言いにくそうに、切り出します。夜は寂しくて眠れないから、一緒に寝て語り合いながら眠りにつきませんか、と。

性的な関係はなしにベッドを共にしたい、という思わぬ提案にルイスは戸惑いますが、互いに孤独の身ということもあり、受け入れます。会話を重ねるうちに互いに心の傷も分かち合うようになった二人は、街でもデートをするようになりますが、次第に周囲から好奇の目で見られるように。そこにアディの息子と孫が関わり始めて……。

Netflix映画『夜が明けるまで』独占配信中

長いこと他人の目を気にしてきたけれど、もう人に何を言われても気にしない、自分たちが一緒にいたいからいる、という姿勢に清々しさを覚える本作。年をとると夜眠れなくなるといいますが、孤独な者同士で寄り添いながら眠りにつく、しかも男女で、というのは、なかなか思い切ったアイディアです。

Netflix映画『夜が明けるまで』独占配信中

主演は、1960年代から活躍してきたロバート・レッドフォードとジェーン・フォンダで、約40年ぶりに4度目の共演を果たしました。撮影時はともに80歳前後になっており、長年、映画界を牽引してきた二人の息の合った演技で、老境を迎えた男女の優しいロマンスを見せてくれます。ロバート・レッドフォードは2025年9月に89歳で亡くなりましたが、ジェーン・フォンダは今なお活躍中です。

『夜が明けるまで』

2017年製作

Netflixで独占配信中

過去も資金難も乗り越えられるか? 引退した音楽家たちの挑戦 『カルテット!人生のオペラハウス』

『カルテット!人生のオペラハウス』
©Headline Pictures (Quartet) Limited and the British Broadcasting Corporation 2012

イギリスの美しい田園風景のなかに建つ、引退した音楽家たちが暮らす老人ホーム「ビーチャム・ハウス」を舞台にした物語。これは、オペラ「椿姫」で知られる音楽家のヴェルディが建てた、イタリアのミラノに実在するホーム「ヴェルディの憩いの家」をモデルにした館だそうです。

そのビーチャム・ハウスは、資金難で存続の危機! 近く開かれるコンサートが成功しなければ閉鎖という状況のなか、ある新たな入居者が現れます。それは、かつての大スター、ジーン。すでにホームで穏やかな余生を送っているレジー、シシー、ウィルフと、かつてカルテット(四重唱)の仲間だったジーンですが、彼女は野心とエゴでみなを傷つけて去っていったという過去があります。レジ―、シシー、ウィリフは彼女の登場に衝撃を受け、なかでも9時間だけ彼女と結婚していたレジーは怒って責任者に詰め寄ります。一方、閉鎖の危機を乗り切るには、伝説のカルテットの復活しかない、と周囲は期待を寄せます。

『カルテット!人生のオペラハウス』
©Headline Pictures (Quartet) Limited and the British Broadcasting Corporation 2012

かつて音楽家として活躍してきたプライドや男女間のさまざまな思いがのぞき、一筋縄でがいかない人生の先輩たちのやりとりが面白い本作。老いてもこれくらいの気概とユーモアをもっていたいものです。

『カルテット!人生のオペラハウス』
©Headline Pictures (Quartet) Limited and the British Broadcasting Corporation 2012

名優ダスティン・ホフマンの初監督作で、ジーン役はマギー・スミス。また、引退したオペラ歌手やジャズ奏者らが出演しています。

ホフマンは、本作について「年をとることには美しさがある。人生が顔を作るんだ」と語っていますが、自分自身が70代、80代になったとき、一体どんな顔になっているのでしょうか。よい顔でいられるように生きていきたい、と前向きな気持ちになれる作品です。

『カルテット!人生のオペラハウス』

Blu-ray ¥2,200/DVD ¥1,257 発売中
発売・販売元:ギャガ

©Headline Pictures (Quartet) Limited and the British Broadcasting Corporation 2012

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構成・文

ライター 中山恵子

中山恵子

ライター。2000年頃から映画雑誌やウェブサイトを中心にコラムやインタビュー記事を執筆。好きな作品は、ラブコメ、ラブストーリー系が多い。趣味は、お菓子作り、海水浴。

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