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【ヴィクトリアズ・シークレット2026】カイリー・ジェンナー、約80億円のファンタジー・ブラの復活ランウェイを飾る

  • 2026.10.20
ファンタジーブラを身に着けたカイリー・ジェンナー。 Kevin Mazur / Getty Images

「誰よりもノスタルジーを愛しているのは私です」と、エグゼクティブ・クリエイティブ・ディレクターのアダム・セルマンは「ヴィクトリアズ・シークレット」ファッションショーの前に語ってくれた。「しかし、私は同時に(このショーを)新たな領域へと導く必要もあります。ファンが求めているものの多くは、20年、25年前のものであり、カルチャーはすでにそこから前進しています。それを現代の文脈でどう提供するかが課題なのです」

セルマンはその約束通り、ファッションとエンターテインメントが融合した規格外のスペクタクルを披露。「ヴィクトリアズ・シークレット」の代名詞ともいえるランジェリー、パフォーマンス、そしてもちろんファンタジー・ブラを、新たなエネルギーとともによみがえらせた。彼がかじを取る2度目のランウェイであり、ロサンゼルスで19年ぶりに開催された今回のショーで、ランウェイを季節ごとのチャプターに分けるという構成を取り入れた。「ショーが非常に壮大なので、シンプルなアイデアから始めるのが最善だと思ったのです」と彼は語る。「構成を進める中で、各季節に言葉や感情を結びつけていきました」

アノック・ヤイ Frazer Harrison / Getty Images

幕開けを飾ったのは、ランウェイへの待望の復帰を果たしたベラ・ハディッド。ペタルグリーンのシースルーのミニスカートに、動植物が芽吹くようなウィングを背負って登場した。続いて、アドリアナ・リマ、アシュリー・グラハム、アレックス・コンサニが、ロゼット飾りのコルセットから、アノック・ヤイがまとった花びらに包み込まれたような超ミニ丈のドレスまで、多種多様なルックでランウェイを彩る。「春にフローラル柄なんて、画期的でしょう?」とセルマンは冗談交じりに語る。

ビヨンセやリアーナといったセレブのステージ衣装の制作からキャリアをスタートさせたセルマンは、シアトリカルな演出を得意とする。それは、ショー全体を通して見られた豪華けんらんなウィングや、手の込んだスパンコールのルックからも一目瞭然だ。

テート・マクレーとジジ・ハディッド Dimitrios Kambouris / Getty Images

続いてキャットウォークは「ヴィンテージ・ヴィクトリア」のチャプターへ。パステルカラーのバイアスカットのスリップドレスが次々と登場し、そのシルエットは、ブランドの90年代後半からゼロ年代初頭のアーカイブをほうふつとさせる。「ファンからは常に、『イベント向けのドレスアップやスリップドレス、そして楽しくてカラフルなプリントをたくさん提案していた頃のブランドが大好きだ』という声が寄せられます」とセルマンは説明する。ディレクターに就任して2年目を迎えた今、彼はこうした親しみのあるブランドのコードを、さまざまな形で現代へとアップデートしている。

「ソニー・スタジオ」に集結した熱狂的なファンたちをさらに沸かせたのが、新たなエンジェル発掘のための全国オーディションを追ったドキュメンタリーシリーズ『Angels Among Us』だ。そのタイトルを勝ち取ったソランジュ・オモンが、白黒のレースランジェリーにゴールドのウィング、流れるようなケープをまとってランウェイデビューを飾ると、会場からは割れんばかりの拍手が沸き起こった。

アレックス・コンサニ Dimitrios Kambouris / Getty Images

圧倒的なスペクタクルのなかで服そのものを見失いそうになるかもしれないが、注目すべきディテールは数多くちりばめられている。より日常に取り入れたい「ピンク」のラインからは、クリスタルが輝くローライズパンツや、パンチの効いたパターンの腹部をのぞかせるバンデージドレス、プレイフルでロゴが際立つセパレーツなどが登場。一方、スキントーンのブラに重ねたクリスタル装飾のメッシュドレスは、ネイキッドドレスの次なるトレンドをけん引しそうな予感。

ミーガン・ザ・スタリオン Dimitrios Kambouris / Getty Images
Dimitrios Kambouris / Getty Images

サウンドトラックもまた、このショーの大きな魅力だった。テイト・マクレーが新たなヒットナンバーである楽曲『Housewife』をパフォーマンスするなか、ジジ・ハディッドがランウェイに復帰し、キャッツアイは楽曲『Pinky Up』を披露。ミーガン・ザ・スタリオンのヒットナンバーである楽曲『Body』は、まるでこの舞台のために作られたかのようにぴったりとハマっていた。途中でアデラの楽曲『Nicole Kidman』が流れると、客席で見守っていたニコール・キッドマン本人が笑みをこぼす一幕も。

ベラ・ハディッド Gilbert Flores / Getty Images

この夜最大のハイライトのひとつであり、セルマンのポップカルチャーとノスタルジーの絶妙なバランスを象徴していたのが、カイリー・ジェンナーによるファンタジー・ブラのモデリングだ。ハイジュエラーの「ジェイコブ」とともに制作された5000万ドル(約75億円)相当のこのデザインは、2018年以来となるランウェイへのアイコニックなショーピースの帰還を飾った。恋人のティモシー・シャラメが客席から見守るなか、ジェンナーのスター性によって、ファンタジー・ブラの復活はそれ自体がポップカルチャーの歴史に刻まれる瞬間となった。

Gilbert Flores / Getty Images

「これはまさに、ファッション、カルチャー、プロダクト、そしてエンターテインメントのマッシュアップなのです」とセルマンは説明する。「きらびやかでグラマラスなショーの奥底にある目的とは何か? 私にとって、今年はファンとの対話がテーマでした。私はいつも社内でこう言っています。『ヴィクトリアズ・シークレットにしかできないことをやろう。ピンクにしかできないことをやろう』と。それを何度も繰り返し伝えているのです」

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