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秋に楽しむ「キク」と「マム」入門:菊花展の見どころから鉢植えの育て方まで

  • 2026.11.4

秋に楽しむ「キク」と「マム」入門:菊花展の見どころから鉢植えの育て方まで

奈良時代に中国から渡来したキク。初めは薬草として重宝され、江戸時代に園芸植物として注目されるや、日本各地で盛んに品種改良が行われました。これらは古典菊として日本の園芸文化を大きく花開かせ、一方で海外では鉢植えや庭でカジュアルに楽しむマムが誕生。この秋は奥深いキクとマムの世界に触れてみませんか。

日本各地で触れられるキクの園芸文化

東京の新宿御苑では毎年11月上旬に「菊花壇展」が開催されます。断崖に垂れ下がって咲く姿をあらわした「懸崖(けんがい)づくり」や、1株のキクを1年以上かけて分枝させた「大づくり」など、紹介される仕立ての技術は目を見張るばかりです。

ほかにも「伊勢菊」や「嵯峨菊」など、各地で誕生したユニークな花が一堂に集められ、こんなキクがあったのか⁉と驚かされます。東京では花色などが変化する「江戸菊」が発達。管状の花びらが放射状に開く「管者(くだもの)菊」や、天皇家のご紋章に似る「ご紋章菊」も紹介されます。

こうした秋の菊花展は全国各地の愛好家によって開催されます。庭やベランダで栽培するキクとは趣が異なりますが、日本の園芸文化や歴史に触れられる貴重な機会。神社の境内などに飾られる菊人形などをふくめて、キクの奥深い世界を楽しみたいものです。

ハーブとして幅広く利用できるキク

キクはもともと不老長寿の力をもつ薬草として伝わりました。全草にすがすがしい香りをもつ東洋のハーブ。9月9日の重陽の節句には、花弁を浮かべたお酒を飲み、花を浸した水で体を清めるなどして、無病息災を願ったものです。

今でも乾燥させた花をティーでいただく菊花茶や、花を湯船に浮かべる菊湯などで、爽やかな香りが心身をリラックスさせるほか、解熱や消炎効果もあるとされます。わが家でも食用ギクをおひたしでいただくのが、季節の楽しみでした。

無農薬栽培されたキクの花はハーブ専門店などで入手できるほか、家庭でも手軽に栽培できるので試してみてはいかがでしょう。食用ギクは花首だけを集めたパックで、ス―パーなどでも扱いがあります。ほろ苦い味わいを甘酸っぱく仕上げていただきます。

鉢植えや庭で秋の主役になるマム

一方、海を渡ったキクはおもにイギリスなどで品種改良が進みました。小輪の花が株を覆うほどに咲くガーデンマムやポットマム、すらっと分枝して切り花にも使いやすいスプレーギクなど、バリエーションに富む園芸品種が誕生。世界中で秋の庭や街角を彩ります。

大株に仕立てるとそれだけで存在感があり、花色も豊富なので組み合わせが楽しめます。ほかに花がなくても、グラスやシルバーリーフとも相性バツグンで、庭や玄関先の主役にぴったり。こうした使い方はマネしたいところです。

マムは分枝よく仕立てたポット苗や鉢植えが売っているため、そのまますぐバスケットなどに入れて楽しめて手軽です。日当たりのよい場所に置き、鉢の表土が乾いたら水が底から流れ出るまでたっぷり与えます。咲き終った花がらはマメに摘むことで次の花が咲きます。

来年もバランスよく花を咲かせるために

キクは多年草なので、来年も花を楽しめます。ただ、キク科の花は下葉が枯れあがりやすく、冬は地上部が枯れて休眠します。花後には株元に新たな芽(冬至芽)が出ているので、今年咲いた株は地際で刈り込んで、翌年は新芽を育てましょう。

または、やわらかな茎先を切ってさし木をして、翌年用の新たな株をつくります。秋咲きのキクなら本来は5~6月に行いますが、暑さ寒さの厳しくない時期ならいつでも大丈夫。通販でキクの新苗を購入すると、そうして育てた苗が届きます。

春から育てる新しい株は、初夏に切り戻しをすることで、コンパクトな草丈で茎をふやせます。花芽がついてきたら、これを摘芽することでもわき芽を伸ばして、花数をふやせます。前年から鉢植えで育ててきた株は一回り大きな鉢に植え替えることで、花つきがよくなります。

バリエーションに富むキクの魅力をもっと味わいましょう!

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