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「アリが入ってくるんです」管理人を通じて苦情を受けた私。翌朝、仕切り板の向こうで目にした光景

  • 2026.10.15
「アリが入ってくるんです」管理人を通じて苦情を受けた私。翌朝、仕切り板の向こうで目にした光景

管理人室の前で呼び止められて

以前住んでいたマンションでの話です。

私はベランダで小さな植木鉢を2つ育てていました。

毎朝、水をやって様子を見るのが、ささやかな楽しみでした。

ある日の昼、買い物から帰ると、1階の管理人室の前で60代の管理人さんに呼び止められました。

「あの、ちょっとよろしいですか。実は、お隣から苦情がありまして…」

「えっ、苦情ですか?」

「お宅のベランダの植木から、アリが入ってくるんです、とのことで」

思いがけない話に驚きました。

隣に住んでいるのは、私と同年代の女性です。

仕切り板のすき間から見える私の植木鉢が、アリの原因だと思っているようでした。

部屋に戻った私は、すぐに鉢を調べました。

1つずつ持ち上げて底を確認し、土も少し掘ってみましたが、アリは見つかりません。

ところが数日後、管理人さんを通じて再び苦情が届きました。

廊下で隣の女性に会っても、目を合わせてもらえません。

こちらが会釈をすると、顔をそむけられてしまいます。

念のためベランダに駆除剤も置きました。

それでも翌週、ゴミ出しから戻ると、隣の女性が廊下で私を待っていました。

「ねえ、まだアリが来るのよ。あの植木、もう処分してちょうだい」

「でも、鉢はちゃんと調べたんです。アリも見つからなくて…」

「じゃあ、どこから来てるって言うの?こっちは困ってるのよ!」

言い終わると、女性は大きな音を立てて玄関の扉を閉めました。

私だって迷惑をかけたくありません。

でも、原因が分からないまま、大切に育ててきた植木を捨てるのはつらいことでした。

その夜は、なかなか眠れませんでした。

仕切り板の向こうに見えたもの

翌朝、いつものように水やりをしていたときのことです。

ふと隣のベランダが気になり、仕切り板の横からそっと様子をのぞきました。

「えっ…何、これ」

思わず声が漏れました。

隣のベランダには、ふくらんだゴミ袋が手すりの高さ近くまで積み上がっていたのです。

窓越しに見える室内にも袋があり、その周辺にはアリが列を作っていました。

私はすぐに1階へ下り、管理人さんに見たことを伝えました。

「そんなにゴミ袋があるんですか。分かりました。一度確認してみます」

翌日、管理人さんは私の部屋を訪ね、ベランダから仕切り板の向こうを確かめました。

確認を終えた管理人さんを玄関先で見送っていると、そのまま隣のチャイムを鳴らしました。

出てきた女性とのやり取りが、私にも聞こえてきました。

「お隣の植木が原因とは確認できませんでした。こちらのゴミ袋の周りにもアリがいますので、まずは片づけをお願いします」

「えっ、でも…」

「ベランダは避難経路にもなっていますから。今週中に片づけていただけますか」

女性は何か言いかけましたが、玄関先にいた私と目が合うと、黙ってしまいました。

廊下の先にいた住人も、こちらを振り返っています。

女性はそれ以上何も言わず、静かに扉を閉めました。

翌週、隣のベランダからゴミ袋がなくなりました。それ以来、アリについての苦情も届かなくなったのです。

後日、管理人さんが私のところへ来て、頭を下げました。

「今回はお騒がせしました。植木は、そのまま置いておいてくださいね」

「ありがとうございます。ほっとしました」

原因も分からないうちに、植木を処分しなくて本当によかったと思いました。

その春、2つの鉢には白い花が並んで咲きました。


※本記事は、GLAMが独自に実施したアンケートで寄せられた60代以上女性読者の体験談をもとに、プライバシーに配慮し、人物・状況・会話表現などを一部編集・再構成して記事化しています

※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。

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