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「おまえ、眉毛どうした?」油性マジックで片眉を描いて登校した私。教室に入った瞬間、友人が吹き出した理由

  • 2026.10.12

鏡の前で消えた眉

高校2年生の春のことです。

その朝、私は詰め襟の制服に着替え、洗面所で顔をそっていました。

ついでに眉の形も整えようと思い、かみそりを当てたのですが、うっかり手を滑らせてしまったのです。

「うわっ、やばい!」

慌てて鏡をのぞくと、片方の眉がほとんどなくなっていました。

もう片方はいつもどおりなのに、反対側だけが妙につるんとしています。

何度見直しても、そってしまった眉が戻るわけではありません。

そのとき、台所から母の声が聞こえてきました。

「あと15分で出る時間よ。遅れないでね」

「わかってるって!」

返事をしたものの、この顔で学校へ行くのは恥ずかしくてたまりません。

とはいえ、眉をそりすぎたからといって学校を休むわけにもいきません。

そこで思いついたのが、自分の部屋の引き出しに入っていた黒い油性マジックでした。

「マジックで1本描けば、誰にも気づかれない」

今思えば、どうしてそんなことを本気で考えたのか、自分でもわかりません。

それでも当時の私は大真面目でした。

マジックを持って洗面所に戻り、残っている眉を見ながら、そり落とした部分に線を引きました。

「あれ、ちょっと細いな…」

もう一度なぞると、今度は太さが合いません。

「いや、もうちょっとか?」

何度も描き足しているうちに、片方だけがやたらと太く、真っ黒な眉になってしまいました。

はみ出した部分を手でこすってみても、うまく消えません。

それでも時間がありません。

「まあ、外に出ればなじむだろ…」

そう自分に言い聞かせ、母には顔を向けないまま家を出ました。

通学路でも学校の廊下でも、誰からも何も言われません。

私は「意外とバレないもんだな」と、少し安心していました。

教室に響いた笑い声と、黒い手のひら

教室のドアの前に着いた私は、いつもどおりに振る舞おうと決めました。

そして何食わぬ顔でドアを開けたのです。

「おはよう!」

すると、入口近くにいた友人が私の顔を見て、ぴたりと動きを止めました。

「…え? おまえ、眉毛どうした?」

「えっ? いや、別に…」

「ちょっと待って。それ、マジックで描いたのか?」

友人が吹き出したのをきっかけに、周囲の生徒もこちらを振り向きました。

「何それ!」「眉毛、真っ黒じゃん!」

あっという間に笑いが広がり、30人ほどいる教室が大騒ぎになってしまいました。

「いや、違うって! これは…!」

私は恥ずかしくなり、とっさに手のひらで眉を隠しました。

ところが、近くにいた女子がさらに笑いながら言ったのです。

「ちょっと、手のひらも真っ黒だよ!」

「えっ、うそだろ!?」

手を離して見てみると、本当に黒いマジックがべったりついていました。

朝、はみ出した線を何度も手でこすっていたせいです。眉ばかり気にしていて、自分の手が汚れていることには気づいていませんでした。

「もう、勘弁してくれよ…」

顔を隠そうとしたせいで、余計に笑われてしまったのです。

しかも、恥ずかしい出来事はそれだけでは終わりませんでした。

1時間目の先生も、出席を取りながら私の顔を見た瞬間、動きが止まったのです。

先生は何も言いませんでしたが、黒板のほうを向いたまま、肩を小刻みに震わせていました。

それを見て、教室ではまた笑い声が起こりました。

結局、眉が生えそろうまでの約1か月間、私のあだ名は「マジック」になりました。

廊下で「おーい、マジック!」と呼ばれるたび、私はすっかりきれいになった手を挙げて返事をしていました。

あれから何年もたちますが、あの日のことを思い出すと、今でも恥ずかしくなります。

何より、油性マジックで眉をごまかせると本気で信じていた自分が、一番おかしかったと思います。


※本記事は、GLAMが独自に実施したアンケートで寄せられた20代男性読者の体験談をもとに、プライバシーに配慮し、人物・状況・会話表現などを一部編集・再構成して記事化しています

※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。

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