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年表から知る、杉本博司の(ほぼ)全仕事【1975-2014】

  • 2026.10.9

世界を股にかけた50年に及ぶ杉本博司のキャリアのすべてを網羅するのはムリ!写真、古美術、建築、舞台芸術、陶芸、料理、書と多彩なジャンルにわたる活動の中から、国内で展開された主要な出来事を中心に並べてみた。

photo: Atsuko Koyanagi, Odawara Art Foundation, Gen Aihara / text: Mari Matsubara

年表から知る、杉本博司の(ほぼ)全仕事 1975-2014
BRUTUS

1975

・〈ジオラマ〉シリーズスタート。アメリカ自然史博物館(ニューヨーク)のジオラマを、許可を取っていることを装ってゲリラ撮影。以後は許諾を得て撮影。

1976

・ニューヨーク近代美術館(MoMA)に〈ジオラマ〉シリーズの《シロクマ》が買い上げられる。

・〈劇場〉シリーズスタート。劇場の客席からスクリーンに向けて大型カメラを据え、映画1本分の光で撮影した作品。

1977

・日本に一時帰国中、《華厳滝》撮影。のちの〈海景〉シリーズの発想源となる。

・『杉本博司』(南画廊/東京)開催。杉本の人生初個展。

1979

・ニューヨークで骨董店〈MINGEI〉を開店。

1980

・〈海景〉シリーズスタート。古代人が見た海の景色を想定し海と空を等分に捉えた作品。

1981

・『Hiroshi Sugimoto: Movie Theaters』(ソナベント・ギャラリー/ニューヨーク)開催。海外での初個展。

1983

・『Hiroshi Sugimoto: Photographs』(ソナベント・ギャラリー)開催。

1988

・『Hiroshi Sugimoto: Dioramas, Theaters, Seascapes』(ソナベント・ギャラリー)開催。

・『杉本博司写真展—THEATERS, SEASCAPES−』(佐賀町エキジビット・スペース/東京)開催。

・『杉本博司写真展—DIORAMAS−』(ツァイト・フォト・サロン/東京)開催。

1989

・『Seascape Photographs』(クリーヴランド美術館/クリーヴランド)開催。美術館での初個展。

*1990年以降、年に4〜5回、多い時で14回の個展を世界各地で開催。

イタリア・アマルフィ海
1990年9月、イタリア・アマルフィ海岸で。撮影後は獲れたてアサリのボンゴレに舌鼓。

1994

・〈恐怖の館〉シリーズスタート。マダム・タッソー蠟人形館(ロンドン)を初訪問、歴史上の様々な殺人鬼や処刑シーンを蠟人形で再現した展示を撮影。のちの〈ポートレート〉シリーズにつながる。

1995

・《仏の海》撮影。7年にわたる交渉の末、蓮華王院 三十三間堂の千体仏を早朝の自然光で撮影。

・『Sugimoto』(メトロポリタン美術館/ニューヨーク、〜96年)開催。これを機に骨董商をやめ、以後はもっぱら自分のために古美術品を購入するようになる。

1996

・『杉本博司展』(ハラ ミュージアム アーク/群馬県渋川市)開催。

1997

・〈建築〉シリーズスタート。主に20世紀モダニズム建築を、レンズ焦点を無限遠の2倍に設定して撮影。

シドニー〈ステート・シアター〉内観
1997年1月、シドニー〈ステート・シアター〉で。ニュージーランドにも足を延ばした。

1998

・〈陰翳礼讃〉シリーズスタート。蠟燭1本が燃え尽きるまでの間、シャッターを開放して撮影した作品。

フランス〈ロンシャン礼拝堂〉外観
1998年、フランス、コルビュジエの名作〈ロンシャン礼拝堂〉で建築シリーズ撮影。

1999

・〈ポートレート〉シリーズスタート。様々な蠟人形館で許可を取り、被写体となる蠟人形を移動させて撮影。

2001

・《松林図》撮影。長谷川等伯の《松林図屏風》(国宝)を本歌として、皇居外苑の松を撮影。

・『Hiroshi Sugimoto: The Architecture of Time』(ブレゲンツ美術館/オーストリア)開催。

・上記個展の際、《松林図》を能舞台の鏡板に見立てた能『Yashima』を上演。舞台芸術に深入りするきっかけとなる。

・『Noh Such Thing as Time』(DIA Center for the Arts/ニューヨーク)上演。

オーストリア〈ブレゲンツ美術館〉
2001年、〈ブレゲンツ美術館〉で能『屋島』を上演。写真作品《松林図》を鏡板代わりに。

2002

・「家プロジェクト」の一つとして〈護王神社〉(香川県直島)再建。

・〈護王神社〉の再建記念に能公演『屋島』をプロデュース。

メキシコシティ〈ルイス・バラガン邸 外観、杉本博司
2002年、メキシコシティ〈ルイス・バラガン邸〉で建築シリーズ。実はこんなに鮮やか。
直島〈護王神社〉
2002年、直島〈護王神社〉再建中を撮影。実はこの頃C型肝炎治療で体はキツかった。

2003

・『歴史の歴史』(銀座メゾンエルメス フォーラム/東京)開催。初めて自作と古美術品を取り合わせたインスタレーションを発表。

2003年『歴史の歴史』展
2003年、『歴史の歴史』展。レンゾ・ピアノ設計のガラスのビルに展示された縄文石棒。

2004

・写真作品《Colors of Shadow》のために、マンションの内装設計を手がける。

・〈観念の形〉シリーズスタート。19世紀末に作られ日本に渡ったドイツ製の石膏数理模型などを撮影。

・〈Colors of Shadow〉シリーズスタート(〜06年)。カラースライドで白漆喰壁に反射した太陽光の影を撮影。

・〈観念の形〉をアルミニウムの削り出しで彫刻化した作品制作スタート。

2005

・『BRUTUS』「杉本博司を知っていますか?」特集号が発売。

・『杉本博司 時間の終わり』(森美術館/東京、〜06年)開催。

・『モダン能 鷹姫』(ジャパン・ソサエティー/ニューヨーク)上演。森美術館での個展開催中にも会場内特設ヒノキ舞台で上演。舞台美術:杉本博司、出演:観世銕之丞ほか。

・神奈川県小田原市江之浦の土地を入手(地権者から内諾を得る)。

2006

・〈放電場〉シリーズスタート。暗室内で写真乾板の上に高圧電流を放電させ、雷光の軌跡を焼き付けた作品。

2007

・〈スタイアライズド・スカルプチャー〉シリーズスタート。20世紀のクチュリエによる衣服(京都服飾文化研究財団コレクション)をトルソーに着せ彫刻と捉えて撮影。

2008

・建築設計事務所〈新素材研究所〉設立。

・『歴史の歴史』巡回(金沢21世紀美術館/金沢市、〜09年)。

・〈フォトジェニック・ドローイング〉シリーズスタート。写真術発明者の一人、ウィリアム・ヘンリー・フォックス・タルボットが残した紙ネガ写真を基にポジ像を焼いたシリーズ。

2009

・『歴史の歴史』巡回(国立国際美術館/大阪市)。

・〈ロンドンギャラリー白金〉(東京)の内装設計を手がける。

・〈IZU PHOTO MUSEUM〉(静岡県長泉町、休館中)の内装設計、造園を手がける。

・小田原文化財団設立。

2010

・《数理模型012》がフランスのワイナリー〈シャトー・ラ・コスト〉に恒久設置。

・〈Polarized Color (偏光色)〉シリーズスタート。カラーポラロイドで光の分光を撮影したシリーズ。

・『アートの起源|科学、建築、歴史、宗教』(丸亀市猪熊弦一郎現代美術館/香川県丸亀市、〜11年)開催。

2011

・《光学硝子五輪塔》制作。光学ガラスで制作した五輪塔の水球の中に〈海景〉を納めた作品。

・『杉本文楽 木偶坊 入情 曾根崎心中付り観音廻り』(KAAT 神奈川芸術劇場/横浜市)上演。

・野村万作×萬斎×杉本博司・三番叟公演『神秘域 OUR MAGIC HOUR』(KAAT 神奈川芸術劇場)上演。

・茶室〈今冥途〉(ニューヨーク杉本スタジオ内)の内装設計を手がける。

・〈ロンドンギャラリー六本木〉(東京)の内装設計を手がける。

杉本文楽の人形遣い・桐竹勘十郎氏、杉本博司
2011年、杉本文楽の人形遣い、桐竹勘十郎氏と。通常3人で操る人形を一人遣いで熱演。
『三番叟 神秘域』
2011年、野村万作・萬斎が〈放電場〉を染め抜いた衣装で登場した『三番叟 神秘域』。
杉本博司のスタジオ 茶室〈今冥途〉
2011年、NYの杉本スタジオに茶室〈今冥途〉を建設。古材や敷瓦の使用はこの頃から。

2012

・『ハダカから被服へ』(原美術館/東京)開催。

・エルメス・エディター『影の色』杉本博司展(銀座メゾンエルメス フォーラム)開催。カラーポラロイド作品《Polarized Color》を基にエルメスがカレ(スカーフ)《Couleurs de l'Ombre》を発表。

・〈クリスティーズ 東京オフィス〉(東京)の内装設計を手がける。

杉本博司 2012年
2012年、ジオラマ撮影中、覆い焼きをする自身の姿を隠すため通販で買った黒衣を着用。

2013

・『HOUSE VISION2013』(東京)で〈数寄の家〉パビリオン展示。のちに江之浦測候所内、茶室〈雨聴天〉に移設改築。

・『SANBASO, divine dance』(グッゲンハイム美術館/ニューヨーク)上演。出演:野村萬斎ほか。

・野村萬斎×杉本博司・三番叟公演『神秘域 その弍』(渋谷区文化総合センター大和田 さくらホール/東京)上演。

・カフェ〈茶洒 金田中〉(東京)の内装、造園を手がけ、エントランスに数理模型彫刻《究竟頂》を設置。

・『物 黒 無 モノクローム』(正木美術館/大阪府忠岡町、〜14年)開催。

・『杉本文楽 曾根崎心中付り観音廻り』(マドリード、ローマ、パリ)上演。

・レストラン〈素透撫〉(清春芸術村/山梨県北杜市)の内装設計を手がける。

2014

・『杉本文楽 曾根崎心中付り観音廻り』(東京、大阪)上演。

・『今日、世界は死んだ。もしかすると昨日かもしれない』(パレ・ド・トーキョー/パリ)開催。

・〈硝子の茶室「聞鳥庵」〉が『ヴェネチア建築ビエンナーレ』にてサンジョルジョ・マッジョーレ島に1年間限定設置。以後、ヴェルサイユ宮殿庭園(18年)、京都市京セラ美術館(20年)に設置後、直島に恒久設置。

・《Confession of Zero》がイタリアのワイナリー〈カステッロ・ディ・アマ〉に恒久設置。

・〈オペラ劇場〉シリーズスタート。ヨーロッパのオペラ劇場を舞台とした〈劇場〉シリーズの発展型。

パリ〈パレ・ド・トーキョー〉展
2014年、パリ〈パレ・ド・トーキョー〉での個展では床に穴を開けて世界の滅亡を示唆。
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