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センスと個性が交錯する閑静なスモールタウン、ソウル・延禧洞 (ヨニドン)へ。前編はこちら。

  • 2026.10.7

ソウル在住のローカルに聞いた情報が詰まった2026年9月28日発売の別冊MOOK「&Seoul/ひとりでも、韓国・ソウル」より、セラミックアーティストのヤン・ホンジョさんに教えてもらった、延禧洞(ヨニドン)で立ち寄りたい散歩スポットを紹介します。

この記事は前編です。

延禧洞 연희동/ヨニドン

移り変わりが早いソウルでも、延禧洞は流行の波が比較的緩やか。顧客とのコミュニケーションを大切にしながら、長く続いている店がたくさん。今回ヤン・ホンジョさんが紹介してくれるのも、穏やかな雰囲気の店ばかり。韓国の「パリパリ文化」(早く急いでという意味)が苦手でも、ゆっくりと散策を楽しめるはず。

書店『YOUR-MIND』は延禧洞の街並みを見渡せるビルの3階に。
ビストロ『MAUDIE』など、肩肘張らずに食事を楽しめる個人店が多い。
サロガの愛称で親しまれる地元スーパー『Saruga Shopping Center』。

1.OJACRAFT 오자 크래프트/オジャクレプトゥ

スタンダードなオーバルからユニークな菱形まで、日常使いを意識した器が。
赤ちゃんの顔をモチーフにしたスタンディングランプはディスプレイで、オジャによる作品。
店内は4つの空間に仕切られ、テーブルウェアと展示用の作品が分けられている。
引き出しの中に並べられたインセンスホルダー。手のひらやツバメ、猫の顔など。

Shop Data 서대문구 연희로 11가길 24 3층/3F, 24, Yeonhui‒ro11ga‒gil, Seodaemun‒gu 13:00~19:00 月休 Instagram@oja.seoul, ojacraft

2.objectify 오브젝티파이/オブジェクティパイ

3階には茶器を集めたショールーム『collectyy』を展開。
ディスプレイ用のキャビネットは、日本の工芸への造詣も深いオーナーが選んだという日本のヴィンテージ家具。
店の中心に据えられたテーブル越しに見えるのは、延禧洞の住宅街。ここがメインの展示エリアで、作品は定期的に入れ替わる。
レジやスタッフルームも家具で仕切って、ひとつの空間に。

Shop Data 서대문구 연희맛로 3‒4 2・3층/2・3F, 3‒4, Yeonhuimat‒ro, Seodaemun‒gu 12:00~18:00 月休 Instagram@objectify_official @collect_yy

3.t.t.a 티티에이/ティティエイ

手前は耐熱性ガラスのケースなど、後ろはスペイン南部の粘土で作られたセラミック製の花瓶や器。
ジャカード織りのブランケットも豊富。ショーケースの中はヴィンテージのキーチャーム。
ゾウやユニコーンなど動物をモチーフにした壁の装飾。手作りなので、形や大きさがひとつずつ違う。
古民家をリノベーションした店内。

Shop Data 서대문구 연희로 11길 28‒5/28‒5,Yeonhui‒ro 11‒gil, Seodaemun‒gu 12:00~20:00(月~金16:00~17:00休憩) 不定休 Instagram@tta_official_

4.collect store 생활수집/センファルスジプ

2016年にデザイナーであるオーナーによりスタート。
韓国のセラミックアーティスト、アン・ジョンウンの作品。花や鳥が描かれたものも。果物のオブジェは、チョ・ミンス作。
動物モチーフの陶器作品は滋賀県信楽の幸生窯で前川幸市が手がけたもの。
1年ほど前からソウルでトレンドになっているビーズのアクセサリー。最近は〈SÉEGO〉のヘアピンが人気。

Shop Data 서대문구 성산로 316 2 층/2F, 316, Seongsan‒ro, Seodaemun‒gu12:00~19:00(土日~18:00) 火、最終週の月休 Instagram@collect.store

路地の小径を歩き、個性豊かなセレクトショップへ。

まず立ち寄りたいのは、陶芸作家のオジャ(オ・スンウク)が手がけるセラミック作品を中心に展開しているアトリエ兼ショップ『OJACRAFT』。鋳込みで成形し、青磁や白磁など韓国ならではの情緒を意識した釉薬を施した器は、モノトーンを基調にしながらもどこかヴィンテージのよう。ユニークなモチーフも多く、手仕事ならではの表情が伝わり、私も同じ陶芸家として刺激になります。住宅街に溶け込むように佇む『objectify』はギャラリーとしてスタートし、少しずつ規模を広げながら作家ものの器を扱うセレクトショップへと成長。特徴的なのは作家名や作品名、商品名などをあえて表示していないこと。使い手が直感でアイテムを選べるようにという配慮からですが、質問をすれば、作家や用途についても丁寧に教えてくれます。
路地を進んで古民家のような佇まいのセレクトショップ『t.t.a』へ。ここは韓国の若手作家やヨーロッパのアイテムを中心としたインテリア雑貨の宝庫! かつては1階だけだったスペースは、人気が高まるにつれ2階にも広がり、オリジナルのアパレルブランド〈quiona〉の常設や、他ブランドのポップアップスペースも。所々にディスプレイされたポスターやブランケットも買うことができるので、見逃せません。少し歩くと、『collect store』が見えてきます。〝生活編集売り場〞を掲げるこの店では、器に限らず小物や日用品など、暮らしが少し豊かになるようなアイテムが目白押し。ハンドメイドならではの温度を感じられるものや、日本の手仕事による小さな雑貨も置かれていて、ジャンルを横断したセレクトがおもしろいんです。

area data

若者が集う弘大(ホンデ)の北側に位置する落ち着いたエリア。かつては静かな住宅街だったが、近年は感度の高いセレクトショップや飲食店が点在。あちこちに残る古い建物や緑豊かな通りが心地よく、観光地化された場所とは一線を画す。最寄り駅の地下鉄2号線弘大入口(ホンデイック)駅から徒歩約20分。タクシーやバスでの移動がベター。

 

案内人ヤン・ホンジョさん

セラミックアーティスト。〈Hairy Birdbox〉名義で延禧洞の近くにアトリエを構える。週末には陶芸教室も開催。また乙支路(ウルチロ)で本屋&ギャラリー『TREE LIKES WATER』も運営している。Instagram@yangh0ngj0

instagram.com/yangh0ngj0

photo : Shinnosuke Yoshimori illustration : Adrian Hogan text : Shoko Matsumoto coordination : Aiko Futamata

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