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「韓国文化通信」Vol.46 YouTuber、「Unspecialty」オーナー・Ahnstar

  • 2026.10.9

今、最も“要注意”すべき韓国カルチャーを牽引するキーパーソンにインタビューし、その変化を定点観測していく本連載。第46回は、韓国のコーヒー好きならこの名前を一度は聞いたことがあるYouTuberのアンスターさん。コーヒー豆の選別や焙煎、淹(い)れ方等の情報を発信する彼が、自身の知識と経験をつぎ込んだカフェをオープンするに至るまでの話を聞いた。

text: Keiko Kamijo / translation & coordination: Saliy Higashiyama

Ahnstar
BRUTUS

コーヒーをとことん追究し発信

──大学在学中に起業されたそうですが、なぜコーヒー業界でお仕事をされようと思ったのでしょうか?

生まれたのはソウルなんですが、父の仕事で高校時代に中国へ行き、大学も中国の大学に通っていました。

実家がそんなに裕福なわけではなかったので、自分で事業をしたいという気持ちは当時から強かった。大学の授業で起業に関することを学び、自分でもできるのではないかと友人と資金を100万円集めて起業を決心しました。それが2013年です。

当時、おしゃれな個人のカフェが流行り始めていた時期で、ロースタリーをやってみようと思いました。別にコーヒーが好きだったわけではなく、ビジネス的な観点から始めました。

事業の中では、バリスタの教育やカフェの運営などをしていたのですが、教育する立場なのに自分の知識が全然足りないことに気づき、もっと勉強したいと思うようになりました。それでいったん事業をやめて韓国全国の有名なカフェを巡ってリサーチをしました。

その時に、カフェ第1世代でバリスタ国家代表にもなったチェ・ジウク先生に話を聞いたのですが、とても助けになりましたし大きく影響を受け、先生が運営する会社で2年間働きました。

──なるほど。その会社でコーヒーの専門的な技術などを学び直すことになって、YouTubeチャンネルの立ち上げにつながっていくんですね。

はい。その会社は韓国国内の約1000ヵ所のカフェにコーヒー豆を卸している会社でした。1日に5~10軒のカフェを回り、豆の説明をしたり、バリスタの指導をしていました。

同時に、個人的にカフェを巡りながら勉強を続けていました。その時気づいたのは、カフェを経営していても、豆の選び方やコーヒーの本当においしい淹れ方を知らない人がすごく多かったことです。

だったら自分がこれまでに得た知識を発信することで役に立てるんじゃないかと思い、会社を辞めてオンラインで発信することに決めました。2020年のことです。

──26年9月現在は登録者数27万人の人気チャンネルになっていますが、YouTubeではどのようなコンテンツを始めたのでしょうか?

テーマは一つだけなんです。コーヒーが好きな人たちに情報をシェアすること。とにかく毎日何かしらの情報をアップしていたんです。そうしたら1日に100人ずつくらい増えていって。こんなに人気が出るとは正直思っていませんでした(笑)。

コンテンツは手軽でおいしいコーヒーの淹れ方や豆の選び方、産地を訪ねた動画やいい道具について……と様々ですが、私も積み重ねてきた知識をすべて出すつもりで本気で挑んでいたので、それが伝わったのだと思います。

BRUTUS

──その後オンラインショップ「Unspecialty」(unspecialty.com)を始められます。コーヒーといえばスペシャルティコーヒーが思い浮かびますが、「Un」には何か理由が?

もちろんです。たくさんの人にスペシャルティコーヒーが「特別」と感じられないほど気軽に楽しめる文化として定着してほしい、という思いからこの名前にしました。このサイトでは、私が全国からキュレーションした豆を「コーヒーウォルピック」という名前で毎月紹介したり、私が信頼しているメーカーのマシンや豆の産地、淹れ方などを紹介しています。

──26年4月には満を持しての実店舗〈unpage〉をオープンされ、コーヒー好きの人の間で有名になっています。こだわりを教えてください。

この店はカフェの新しい1ページとなるよう名づけました。世界で一番おいしいコーヒーが飲める場所を作りたかった。

私がキュレーションした豆や道具はもちろん、特別にこだわったのは「水」です。特別なフィルターを取り付けた5つの水を、毎回選んだ豆に合うようにブレンドできる水道を造り付けたんです。そして、教育されたバリスタたちが淹れた、至福の一杯を楽しんでいただけます。

最高の一杯が楽しめる、26年4月に開店した〈unpage〉(ソウル特別市龍山区漢南大路27ガギル13 2F)。

Ahnstarが選ぶ、今の韓国を知る酒

タムンマッコリ  1932年から3代続くポチョンの〈一東(イルドン)マッコリ〉が製造するマッコリブランド。100%ポチョン産の米と天然岩盤水を主原料に、15日間の低温熟成でクリーミーかつ洗練された味を実現する。「マッコリのスペシャルティ、本質を持っているブランドだと思う」とアンスターさん。

profile

Ahnstar(YouTuber、「Unspecialty」オーナー)

アンスター/1989年ソウル生まれ。中国の大学を卒業後事業を始める。現在はコーヒー情報を発信するYouTubeチャンネル『寰蝶顫』とオンラインショップ「Unspecialty」、カフェ〈unpage〉を運営。
Instagram : @unspecialty_official

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