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「昨日どこにいたの?」と問い詰めた朝、彼が玄関に置いていった紙袋の中身

  • 2026.10.6
ハウコレ

レシートの日付は昨日で、箱に貼られた数字は私の足には合わないものでした。彼が帰る前に、私は袋の置き場所をひとつだけ変えて家を出ました。

目を覚ますと、隣で彼が背を向けたまま眠っていました。帰ってきた気配に気づいたのは、日付が変わったあとです。スマホの発信履歴を開き、答えのなかった3件の表示を眺めながら、彼が起きるのを待ちました。

靴ひもを結び直した彼

一緒に暮らして2年になる彼は、帰りが遅くなる日には必ず短いメッセージを送ってくる人でした。それが昨日は何もなく、電話にも出ませんでした。

起きてきた彼は、こちらを見ないまま洗面所へ向かいました。歯を磨く音がやむのを待って、玄関で靴を履く背中に声をかけました。

「昨日どこにいたの?」

彼は靴ひもをほどいて、結び直しました。

「電話、3回かけたんだけど」

「ごめん。充電が切れてて」

「それ、答えになってない」

「行ってくる」

ドアが閉まり、鍵の回る音だけが残りました。

靴箱の脇に残された紙袋

靴箱の脇に、見覚えのない紙袋が置かれていました。彼の会社とは反対方向にある駅ビルの、靴屋の名前が印刷されています。持ち上げると軽く、口は閉じられていませんでした。

中に入っていたのは、白い女性物のスニーカーです。私のではありません。箱の側面に貼られたシールの数字は23で、私の足には2センチ近く小さいサイズでした。

底に折り畳まれていたレシートを開くと、日付は昨日です。印字されているのはその靴1足だけで、ほかには何も買っていません。私の電話が鳴らなかったあいだに、彼はその店で、靴だけを選んでいたことになります。

靴を箱に戻し、袋を元の位置へ置きました。

想像は、いちばん悪いほうへ

帰りが遅かったのは、昨日が初めてではありません。先月も2度、最終の電車で帰ってきた日がありました。そのときは仕事だと聞き、それ以上は聞きませんでした。

スマホをもう一度開いて、発信の3件の下に、彼からの短いメッセージが1件もないことを確かめました。

23センチの足の誰かと、彼は昨日、あの駅ビルにいた。充電が切れていたのは本当かもしれません。でも、切れたまま何時間も放っておける相手と一緒だった、ということでもあります。

「切れてた」を信じられなくなると、先月の2度も同じ色に見えてきました。仕事用の鞄を肩にかけてから、もう一度玄関にしゃがみました。

そして...

紙袋を靴箱の脇から、玄関の真ん中へ動かしました。帰ってきた彼がまたいで入るか、持ち上げて何か言うか。どちらでも構いません。見なかったことにはしないと、自分に決めた印です。

(20代女性・事務職)

本記事は、ハウコレ読者への独自アンケートに寄せられた実体験をもとに制作していますが、個人が特定されないよう、一部設定を変更しています。

(ハウコレ編集部)

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