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「娘が2人いるの。記念品も2つつけてよ」先着の記念品を余分に求める客。だが、店主が伝えた先着の意味

  • 2026.10.5

かごに並んだ、手作りの巾着

知人が営む小さな雑貨店が開店記念の期間を迎え、50代の私は接客を手伝っていました。

5千円以上購入したお客様には、先着で店主手作りの小さな巾着を1人1つ渡していました。

売り物ではない記念品で、レジ台の上のかごに並べてあります。

昼すぎ、50代くらいの女性客が3千円ほどの花びんをレジへ持ってきました。

ちょうど前のお客様が巾着を受け取るのを見ていたらしく、女性客はかごを指さします。

「あれ、記念品は?」

「こちらは、5千円以上お買い上げのお客様にお渡ししているんです」

すると女性客は「なによ、ケチね」と言い、横の棚から皿を1枚取ってきました。合計は5千円を超えました。

私が巾着を1つ取ると、女性客は指を2本立てました。

「娘が2人いるの。記念品も2つつけてよ」

「申し訳ありません。お1人様1つなんです」

そう答えると、女性客の声が大きくなりました。

「先着なんでしょ?早く来た人がもらえるってことじゃない。2つくらいいいでしょ」

レジ台を手のひらでたたく音に、棚を見ていたほかのお客様も振り返ります。

数に限りがある記念品です。手伝いの私が勝手に2つ渡すわけにはいきません。

しかし、どう説明すれば納得してもらえるのか分からず、私は巾着を持ったまま言葉に詰まりました。

その間にも、女性客の後ろには、かごいっぱいに商品を入れた次のお客様が並んでいました。

店主が返した「先着」の意味

すると、奥の作業台にいた店主がこちらへ来て、私の隣に立ちました。

店主は女性客に笑顔を向けます。

「はい。おっしゃるとおり、先着の記念品なんです。ですから、できるだけ多くのお客様にお渡ししたいんですよ」

そして、女性客の後ろに並ぶお客様へちらりと目を向けました。

女性客もつられるように振り返ります。そこで初めて後ろに人が待っていることに気づいたようで、立てていた2本の指をゆっくり下ろしました。

店主は巾着を1つ、両手で差し出しました。

「こちら、どうぞ」

女性客はそれ以上何も言わずに代金を払い、巾着を1つ受け取ると、花びんと皿の包みを抱えて店を出ていきました。

「お待たせしました。次のお客様、どうぞ」

店主がいつもの明るい声で呼びかけると、後ろのお客様は小さく笑って、商品をレジ台に置きました。


※本記事は、GLAMが独自に実施したアンケートで寄せられた50代女性読者の体験談をもとに、プライバシーに配慮し、人物・状況・会話表現などを一部編集・再構成して記事化しています

※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。

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