1. トップ
  2. スポーツ
  3. 風を読むGK鈴木彩艶の神業キック、アストン・ヴィラのスタジアムも好影響か!1年限りの『特別事情』とは

風を読むGK鈴木彩艶の神業キック、アストン・ヴィラのスタジアムも好影響か!1年限りの『特別事情』とは

  • 2026.10.3

今季からプレミアリーグのアストン・ヴィラでプレーする日本代表GK鈴木彩艶。

サムライブルーの頼れる守護神は、今夏のワールドカップ後に移籍金総額3500万ユーロ(約64.5億円)ほどでパルマからヴィラに引き抜かれた。

世界最高峰リーグで卓越したディストリビューション(パス配球)と鋭いセービングを見せつけると、瞬く間にファンの心を掴んだ。

ヴィラは先日のトッテナム戦に3-2で勝利。敵将のロベルト・デゼルビ監督が「相手は昨季よりもロングボールが86%も増えた」と語ったことが話題になった。

『The Athletic』はその発言をもとにヴィラのプレーを分析。「(86%増は)オープンプレーではなく、ゴールキックについての言及だろう」とした。

「ウナイ・エメリ監督の下で、ゴールキックは極めて短いものか、極めて長いものであり、その中間は存在しない。

ボールを保持している場合、ディフェンスエリアでスペースを圧縮し、相手選手を引きつけてから、ピッチの上方のスペースを活かす戦術を好む。

これはゴールキックや鈴木のディストリビューションにも表れている。GKは、しばしばプレッシャーを受けながらも、MFへパスを送り、そのMFは、フリーのCBにワンタッチパスを返すように指示されている。

これは、ゴールキックから相手のハイプレスをかわす上で、ヴィラにとって効果的なルートになっている。

ただ、プレミアリーグでは、多くのチームがハイプレスやマンツーマンディフェンスを採用する傾向が一般化しつつあるため、ヴィラの脱出ルートはよりうまく対応されるようになってきた。

Optaのロングパス定義(32メートル以上)に基づくと、ヴィラのオープンプレーにおけるロングパス頻度はそれほど変わっていない。

主な違いは、前線へのロングパスの距離にあり、これは間違いなく鈴木の影響がある。

ヴィラは、90分平均で60メートル以上のパスを12本出しており、これは昨季(5.05本)の倍以上。

ゴールキック時のヴィラの陣形は、2人のセンターハーフ、2人の10番、2人のFWを配置した4-2-2-2で定着している。

これにより、FW2人の背後にMFのボックスが形成され、空中戦に対応できるだけでなく、何よりもセカンドボールを拾うために中央や背後の選手数を増やすことになる。

その結果、ヴィラはより少ないパス数で、リスクを抑えつつ、高い位置でボールを保持することができるようになる。

さらに考慮すべき点は、ヴィラ・パークのスタンドが一時的に3つに減っており、かつてノース・スタンドがあったゴール裏の広大なエリアが風雨にさらされた状態になっていることだ。

鈴木のロングキックは、風が強まることで滞空時間が伸びたり、逆に加速したりしうる。これにより、相手DF陣はボールの軌道や鈴木が持つキック飛距離を見極めるのが難しくなる。

鈴木は相手チームが深く守りを固めている場合でも、前線にボールを蹴り込むことを厭わない」

ヴィラ・パークは1897年に開場されたヴィラのホームスタジアムで、昨年4月にノース・スタンド拡張に関する改修計画を発表した。

ノーススタンドを解体するのではなく、改修して再利用する計画で、ヴィラ・パークの収容人数は50,000人超に増加する見込み。その工事のために今季はノース・スタンドが閉鎖されているのだ。

鈴木は風も読んで複数のキックを蹴り分けていると語っており、相手GKが驚くようなバックスピンキックも見せつけた。ヴィラ・パークの改修工事もメリットになっているかもしれないようだ。

なお、スタジアムの改修は、2027年8月までに完了する予定。

筆者:井上大輔(編集部)
画像提供:Getty Images

元記事で読む
の記事をもっとみる

注目コンテンツ