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ため息モノのランドスケープが広がる、フロリダの美しき庭園16選

  • 2026.9.30
Meinzahn/Getty Images

見わたす限り続く白い砂浜、そして透き通った青い海——フロリダで過ごす夢のような休暇といえば、こんな風景を思い浮かべる人が多いのではないだろうか。けれど、これだけではない。「サンシャイン・ステート」とも呼ばれるこの州は、緑あふれる美しい庭園を数多く抱えている。静かで心が落ち着く屋外空間の散策は、海と同じくらい心を癒やし、目にも楽しい体験となるはずだ。

フロリダの庭園はインスピレーションに満ちている。休暇中に楽しむのはもちろん、帰宅後も自宅の庭をデザインにする際、おおいに参考にすることができるはず。静寂に包まれたリフレクティング・プール(人工池)や穏やかな滝といった水景から、ツバキやツツジ、ブーゲンビリア、フランジパニなど美しい花を咲かせる低木で埋めつくされたエリアまで、その魅力は多岐にわたっている。温暖な亜熱帯気候と、20世紀に世界中から植物を移植してきた熱心な園芸家たちのおかげで、高い生物多様性が叶えられてきた。だから、フロリダには世界で最も美しいと称される庭園が複数存在するのだ。

フロリダを拠点とする才能あるランドスケープデザイナーや自然保護活動家はこの地の動植物を讃え、保護することに尽力。その成果は、西海岸のクリアウォーターやサラソータから、東部のパームビーチ、マイアミに整備された庭園に見ることができる。

本記事では、ビーチバカンスの際に足を延ばして訪れる価値のある16の庭園や植物園を紹介する。

Pat Canova/Getty Images

フェアチャイルド・トロピカル・ボタニカル・ガーデン

フロリダ州コーラルゲーブルス

1938年、ロバート・H・モンゴメリー大佐によって設立されたフェアチャイルドは、大佐の友人であり、同じく熱帯植物の保護活動家であったデビッド・フェアチャイルド博士にちなんで名付けられた。庭園内では、アフリカの巨大なバオバブの木をはじめ、博士が収集した植物を今も見ることができる。この庭園が行う保護活動を象徴するのは、「リン・ルーヒード・スパイニー・フォレスト・オブ・マダガスカル」。ここでは、マダガスカルの砂漠から採集された絶滅の危機に瀕した、希少な植物が育てられている。

ここにも注目!「リサ・D・アネス・バタフライ・ガーデン」は、チョウを呼び寄せ、その生息環境を提供する植物(その多くは南フロリダ原産)を展示。ここでは5月から10月にかけて、多くのチョウが飛び交う。

Janet L. Leopold/National Tropical Botanical Garden

カンポン

フロリダ州ココナッツ・グローブ

ナショナル・トロピカル・ボタニカル・ガーデンを構成する5つの庭園のうちのひとつ、カンポンは、園芸家で探検家でもあったデビッド・フェアチャイルド博士がかつて住んだ場所。博士は、アメリカで育てることができるエキゾチックな植物を求めて、東南アジアやその他の熱帯地域をくまなく旅した。

現在、この庭園には多くの熱帯植物が育つ。50品種以上のマンゴーや花を咲かせる樹木は必見。

ここにも注目!数多いヤシの品種には、ロイヤルパームをはじめとする南フロリダ原産のものや、東南アジアを原産とするタリポットなども含まれている。

JillianCain / Getty Images

ボンネット・ハウス・ミュージアム & ガーデンズ

フロリダ州フォートローダーデール

シカゴ生まれのアーティスト、フレデリック・クレイ・バートレットが1920年代に建てた海辺の家は、歴史的・環境的保全活動に捧げられている。緑豊かな敷地内には、砂丘、海岸林、湿地帯など、5つの異なる生態系が共存。熱帯植物から乾燥地帯の植物まで、多種多様な植栽やハイビスカスの庭園を堪能できる。ラン好きには、邸宅内の「オーキッド・ディスプレイ・ハウス」がおすすめだ。

ここにも注目!バートレットや、妻のエヴェリンによる作品も展示。運河では、渡り鳥やマナティーなどの野生生物を見つけよう。

Holly Guerrio/Getty Images

モリカミ博物館・日本庭園

フロリダ州デルレイビーチ

パームビーチ郡に位置するこの博物館は、アメリカを拠点とする
日本庭園のデザイナーでありランドスケープアーキテクトでもある、栗栖宝一が手掛けた6つの庭園からなる。インスピレーション源は、日本の重要な庭園の数々。6つの庭園は、それぞれ9世紀から20世紀にいたるまでの時代をイメージして設計されている。

ここにも注目!当博物館の盆栽コレクションは、世界3大コレクションのうちのひとつ。世界盆栽友好連盟(WBFF)の協力センターに指定されている

Courtesy of Kanapaha Botanical Gardens

カナパハ・ボタニカル・ガーデンズ

フロリダ州ゲインズビル

フロリダ州最大の竹の展示や、南東部最大のハーブ園など、24の個性豊かな庭園が、約25haの広さを誇るカナパハ・ボタニカル・ガーデンズを構成している。竹のほかに、巨大なビクトリア・ウォーターリリーやアジア産のヘビアロエも見逃せない。

ここにも注目!『カメリア・ショー』は、1月上旬に2日間にわたって開催されるフェスティバル。大小さまざまなサイズ、形、色の受賞歴のあるツバキが展示される(一部は販売も)。

normawilson/Getty Images

カマー・ミュージアム・オブ・アート & ガーデンズ

フロリダ州ジャクソンヴィル

カマー・ミュージアムは、自身の美術コレクションと歴史的な庭園を同館に遺贈したニーナ・カマーの死後、1961年に設立された。設計は、著名な造園家たち——トーマス・ミーハン&サンズ、エレン・ビドル・シップマン、そしてオルムステッド兄弟——による。100年以上の歴史を持つこの庭園は、継続的な保全活動のおかげで、その姿の大部分が当時のままで残されている。

2017年にはハリケーン・イルマにより甚大な被害を受けたが、ランドスケープ・アーキテクチャーを専門とし、ジョージア州アテネに拠点を置くWLA スタジオが大規模な再建を主導。2019年6月に工事が完了した。同スタジオは、植物の記録、写真、請求書など、カマー家のアーカイブに保管されていた歴史的資料を活用し、庭園の特徴を再現した。

ここにも注目!1936年、シップマンによってデザインされた「イタリアン・ガーデン」では、カマー家所蔵の大理石を用いた庭用の装飾品が公開されている。

Sean Pavone/Getty Images

ボック・タワー・ガーデンズ

フロリダ州レイク・ウェールズ

1929年に開園したボック・タワー・ガーデンズは、出版業に携わり、ピューリッツァー賞受賞作家でもあるエドワード・W・ボックによって、野鳥保護区として整備されたもの。ここには、渡り鳥に豊富な餌を提供する在来種と外来種の植物がバランスよく植えられている。設計は、ランドスケープ・デザイナーのフレデリック・ロー・オルムステッド・ジュニア。

ここにも注目!高さ約62.5mの「シンギング・タワー」は、ゴシック・リバイバル様式とアール・デコ様式を融合。60個の鐘からなるカリヨン(組み鐘)が設置されている。このタワーは、フロリダ州でも有数の標高を誇るアイアン・マウンテンの頂上、反射池の南端に立つ。

Meinzahn/Getty Images

ヴィスカヤ・ミュージアム&ガーデンズ

フロリダ州マイアミ

ヴィラ・ヴィズカヤは、実業家であり自然保護活動家でもあったジェームズ・ディアリングによって、1914年から1922年にかけて建設された。約20haにおよぶ敷地内には、17世紀と18世紀の造園様式に着想を得た、約4haのイタリア式、それからフランス式の庭園が広る。迷路庭園などの手入れの行き届いた空間を取り囲むのは、ディアリングが主導し、保護した原生林だ。

ここにも注目!塀に囲まれた「シークレット・ガーデン」と「シアター・ガーデン」では、この庭園が誇る数多くの建築物やアンティークの彫刻を楽しむことができる。

Courtesy of Naples Botanical Garden

ネープルズ・ボタニカル・ガーデンズ

フロリダ州ネイプルズ

この約69haの「生きたミュージアム」を設計したのは、著名なランドスケープデザイナーであるエリン・ゲッツ、テッド・フラト、レイモンド・ジャングルズ、ハーブ・シャール、ボブ・トラスコウスキー、そしてメイド・ウィジャヤ。現在は、北緯26度線から南緯26度線までの間に自生する植物の栽培と保護に取り組んでいる。ここにある多種多様な植物には、スクリューパイン、ラン、ブロメリア、ブーゲンビリア、竹、ジャックフルーツの木などが含まれる。

ここにも注目!ランドスケープ・アーキテクトのボブ・トラスコウスキーが設計した「カプニック・カリビアン・ガーデン」には、そびえ立つヤシの木、熱帯の果物や野菜、さまざまな品種のフランジパニ、演奏可能なスチールドラム、そして身体を休めるのにぴったりなハンモックが設置されている。

Courtesy of Harry P. Leu Gardens

ハリー P. ルー・ガーデンズ

フロリダ州オーランド

約20haの「都会のオアシス」には、ツツジやマグノリアからソテツ、ブロメリアに至るまで、熱帯植物と温帯植物が共存している。アート好きには「ガーデンズ・ハウス・ウェルカム・センター」がおすすめ。常設展や企画展を楽しんでほしい。

ここにも注目!ここには、豊富なツバキのコレクションも。設立者であるルー夫妻が世界中の旅先から持ち帰った品種を堪能しよう。

Susan Lerner/Courtesy of The Preservation Foundation of Palm Beach

パンズ・ガーデン

フロリダ州パームビーチ

パームビーチの保護を目的とする保護財団によって設立された「パンズ・ガーデン」の目的は、フロリダ原産の植物の生育を促し、それらによって育まれる野生生物を讃え、保護・普及を図ること。庭園では、自然界における関係性に従い、それぞれの植物は高地や湿地帯に配置されているが、その多くは絶滅の危機に瀕している。「パンズ・ガーデン」ではまた、季節ごとに現地の在来種を紹介し、フロリダの野生生物を支える住宅におけるランドスケープの可能性を提案している。

ここにも注目!庭園の入り口には、この庭園の名前の由来となった、「ローハリオンのパン」のブロンズ像(1890年制作)が設置されている。1920年代に建てられたタイル張りの壁「カサ・アパヴァの壁」は、サウス・オーシャン・ブールバードにあった歴史的な邸宅から移設されたもの。

Courtesy of Marie Selby Botanical Gardens

マリー・セルビー・ボタニカル・ガーデンズ

フロリダ州サラソタ

マリー&ウィリアム・セルビー夫妻の旧邸宅の敷地内、約6haの緑豊かな熱帯植物に囲まれたこの植物園は、シダ、ブロメリア、エアプランツ、さらには多くの品種を誇るランなど着生植物の保存でよく知られている。園内には、滝や鯉の池を備えた着生植物園をはじめ、シダ園、竹園、ガジュマルの木立、ブロメリア園、チョウの庭園、そして子ども向けの熱帯雨林園などもそろう。

ここにも注目!セルビー・ガーデン・ショップでは、ランのアレンジメントをオーダーメイドで行うほか、植物、ジュエリー、ガーデンアクセサリーなどを販売している。

Peter Tosh

サンケン・ガーデンズ

フロリダ州セント・ピーターズバーグ

サンケン・ガーデンズは100年以上にわたり、緑豊かな熱帯植物や在来植物のコレクションを鑑賞を目的する人々を迎え入れてきた。ここはフロリダ州で最も古いロードサイドアトラクション(ハイウェイ沿いにある観光スポット)のひとつ。海面より低い位置にひっそりと佇む庭園では、滝、日本庭園、サボテン園、そしてチョウが飛び交う庭園を巡ろう。

ここにも注目!1956年以来、サンケン・ガーデンズにはチリフラミンゴの群れが生息。その他にも、カメやコイ、エキゾチックな鳥など、さまざまな野生生物を観察できる。

Jeff Greenberg/Getty Images

アルフレッド B. マクレー・ガーデンズ州立公園

フロリダ州タラハシー

100年以上前、アルフレッド・B・マクレイとルイーズ・マクレイ夫妻が冬の別荘の敷地内につくり上げたこの庭園には、巨大なライブオークの間を縫うように伸びる自然遊歩道、泳ぐことができるほか、カヤックやSUPも楽しめるるホール湖、秘密の庭園、塀に囲まれた庭園、リフレクティング・プールがある。数百本に及ぶツバキやツツジもお見逃しなく。アウトドアや植物が好きなら、楽しめること間違いない。

ここにも注目!1909年に建てられた「マクレイ・ハウス」は、1月から4月にかけて、花盛りのシーズンに見学が可能になる。

J. Patrick Rice/JPR Images

マッキー・ボタニカル・ガーデンズ

フロリダ州ベロビーチ

1932年に「マッキー・ジャングル・ガーデンズ」として開園したマッキー・ボタニカル・ガーデンズでは、1万種の在来植物や熱帯植物に加え、フロリダ州でも最大規模を誇るスイレンのコレクションを見ることができる。また、園内には「ホール・オブ・ジャイアンツ」や「スパニッシュ・キッチン」など、修復された歴史的建造物も点在する。

ここにも注目!マッキー・ボタニカル・ガーデンズを訪れる際には、「チルドレンズ・ガーデン」や「バンブー・パビリオン」を散策したり、6月に開催される恒例の『ウォーターリリー・セレブレーション』を楽しんだりしよう。

JACEK GANCARZ/Courtesy of Mounts Botanical Garden

マウンツ・ボタニカル・ガーデン

フロリダ州ウェスト・パームビーチ

パームビーチ郡最大の公立庭園であるマウンツ・ボタニカル・ガーデンは約6haの広さを誇り、涸れ川沿いの庭園や松林から、日陰の庭園、緑豊かな子ども用の迷路に至るまで、25の個性豊かなエリアで構成。それぞれが、亜熱帯気候における庭づくりが秘める可能性について、パームビーチの住民や観光客にインスピレーションを与え、関連する知識を深めてもらうことを目指している。

ここにも注目!「ウィンドウズ・オン・ザ・フローティング・ワールド」は、湿地帯の水面の上に設けられたグリッド状の歩道。ここでは、水の上を歩いているような体験を味わえる。

Original Text: STEELE MARCOUX Translation : CHISATO YAMASHITA

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