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親の家がゴミ屋敷寸前…片付けていい? 介護前夜に知っておきたい「NG対応」と専門家に頼る目安

  • 2026.9.23

親の家がゴミ屋敷寸前…片付けていい? 介護前夜に知っておきたい「NG対応」と専門家に頼る目安

「親のために」と思ってしていることが、実は親子を苦しめる原因になっているかも! 介護では、先回りして世話を焼くことが、必ずしもよい結果につながるとは限らないのです。これまで当たり前とされてきた介護の常識が、いま大きく変わりつつあります。介護のプロ・川内潤さんの新刊『介護前夜の教科書 親と自分の人生を壊さないための備え』(講談社刊)からお届けする第2回は、「ゴミ屋敷寸前の親の家、片付けていい?」への答え。

Q. きれい好きだった親の家がゴミ屋敷寸前! 片付けていい?

A. NG。片付けが強引な「終活」を突きつけることにも

かつては整理整頓が行き届いていた実家が、いつの間にかモノで溢れていく。「このままではゴミ屋敷になってしまうのでは?」と焦り、慌てて掃除を始めたくなる……その気持ちはよくわかりますが、ちょっと待ってください。

子にとっては「乱雑」と感じられる部屋も、老いた親にとっては便利な配置になっている場合があります。座ったままで手が届くリモコン。忘れないように戸棚の上に出しておく薬や入れ歯洗浄剤。折ってゴミ入れを作りたいからとためておく新聞広告。それらすべてに、親が培ってきた「暮らしの最適解」があるのです。

「でも以前の母は、生活感があるものはすべてきちんと収納していたんです。本来は、とてもきれい好きな人なんですよ」

確かに、その人は、「若いころは」そうだったのかもしれません。しかし、ひょっとすると性格ではなく、「母」という役割があったからこそ続けられていたのだとしたら。役割から解放された今、「散らかった状態が心地よい」と感じているのかもしれない、そんなふうに考えてみてはいかがでしょうか。

私たちが知っている親の姿は、長い人生のほんの一部にすぎません。子どもが生まれる前の人格や価値観をすべて把握しているわけではないのです。「散らかった部屋はお母さんらしくない」と決めつけるのは、子からの理想を押し付けているだけかもしれません。親が散らかった家の中でも不満なく暮らし、特にトラブルもないようならば、あまり介入する必要はないと思います。

もちろん、家の中が乱雑になる一因として、認知機能の低下も考えられます。衛生面の悪化や火災リスク、近隣トラブルといった心配事が増えるようなら、早めに地域包括支援センター、ケアマネジャーと連携を。ただし、汚れている=認知症という決めつけはせず、あくまでも専門家の目を通して冷静に対応していくことが大切。子に「汚い部屋」「どうして掃除しないの」などと厳しい言葉を浴びせられ、勝手に掃除をされてしまうことで、傷ついてしまう。モノの位置を勝手に変えられることで、暮らしづらさを感じる……。子の「良かれと思って」の介入に違和感を持つ親は、実際に多くいるのです。

親の暮らしの前に、まずは自分の暮らしを振り返る

世の中では「終活」がブームになり、高齢者に身辺整理を勧める風潮があります。しかし、強引に終活を勧めることが、親を傷つけることもある。この事実を、ぜひ知っておいていただきたいのです。終活とは、そんなに簡単なことではありません。親にさせたいと思う前に、まずは自分がやることを想像してみると、どうでしょう。

死への恐怖や葛藤は、たとえ高齢者であっても、簡単に乗り越えられるものではありません。自分ができないことを親にやらせていいのか、という視点も必要です。また、親に「片付けて」と迫る心の奥底には、親が亡くなった後「自分が大変になりたくない」という都合が見え隠れするようで、これも複雑な気持ちを抱かせます。

死に直面する確率は、高齢者の方が高いでしょう。しかし、どんなに若い人であれ、いつ、どんなことが待ち受けているかわからない。親に終活、片付けを迫る前に、まずは自分がやってみることです。良かれと思った行動が、自分勝手な押し付けになっていないかどうかを振り返ってみる必要があるのではないでしょうか。

POINT

・やること▶危険があるときは対応する
・やらないこと▶強引に片付けて終活を勧めない

※この記事は、『介護前夜の教科書 親と自分の人生を壊さないための備え』川内潤著(講談社刊)の内容を、ウェブ記事用に再構成したものです。

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