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加湿器の水の継ぎ足しはNG!専門家が教える正しい使い方

  • 2026.11.2

空気が乾燥する季節に欠かせない加湿器。しかし、タンクの水が減った分だけ継ぎ足したり、掃除を後回しにしたりすると、喉や肌の乾燥を防ぐはずの家電が、カビや細菌をまき散らす原因にもなる。米環境保護庁(EPA)や専門家が推奨する、正しい使い方と手入れの方法をまとめた。(フロントロウ編集部)

湿度は30~50%が目安、加湿しすぎるとカビやダニが増える

加湿器は、鼻や喉、唇、肌の乾燥を和らげるほか、冬の暖房によって発生しやすい静電気を抑える効果もある。ニューヨーク大学の准教授でアレルギー専門医のルパム・ブラー氏は、米HuffPostの取材に対し、鼻の乾燥や空咳、肌の乾燥や湿疹の緩和にも役立つと説明している。乾燥する季節の肌トラブルに悩む人にとっても、心強い家電だ。

ただし、加湿しすぎは逆効果になる。室内の湿度は30~50%が目安とされ、EPAは湿度が50%を超えないよう呼びかけている。湿度が高くなると、アレルギーの原因となるダニやカビが室内で繁殖しやすくなるためだ。湿度は湿度計で手軽に測定できるため、窓や壁に結露が発生した場合は、加湿器の設置場所を変えるか、加湿量を減らすことが推奨されている。

加湿器の周囲が湿った状態になることも避けたい。カーペットやカーテン、テーブルクロスなど、水分を吸収しやすいものが濡れたままにならないよう、加湿量を減らしたり、加湿器との距離を十分に確保したりすることをEPAは勧めている。

水の継ぎ足しがNGな理由、タンクは毎日空にする

手入れの基本は、タンクの水を毎日入れ替えること。EPAは、持ち運びできるタイプの加湿器について、電源プラグを抜いたうえで毎日タンクを空にし、内側の水気を拭き取ってから新しい水を入れるよう勧めている。残った水に継ぎ足すだけでは、タンク内で微生物が繁殖するおそれがある。

カビ対策の専門家マイケル・ルビーノ氏は、適切に掃除されていない加湿器について「巨大なシャーレのようなもので、空気の質にとってよくありません」と語る。人は1日に約2万回呼吸するため、汚れた加湿器から放出された粒子を繰り返し吸い込む可能性があるという。

日本でも、東京都世田谷区が加湿器によるレジオネラ症への注意を呼びかけている。日光が当たる透明なタンクや、室内の熱で温められたタンク内の水は、水道水に含まれる残留塩素が減少し、細菌が繁殖しやすくなる。そのため同区は、タンクを毎日掃除し、新しい水道水に入れ替えるよう求めている。

なお、レジオネラ属菌は60度で5分間加熱すると死滅するとされており、水を沸騰させて蒸気を発生させるタイプの加湿器は、感染源になる可能性が低いとされる。

掃除の頻度は週2回が目安、使う水は機種によって異なる

タンクの本格的な掃除について、EPAは「3日に1回」を目安としている。ブラシでタンクをこすり、側面や内部に付着した水垢やぬめりを落とした後、水気を拭き取って乾燥させる。メーカーから指定がない場合は、濃度3%の過酸化水素水で水に触れる部分を洗浄し、その後は水を何度か替えながら十分にすすぐよう勧めている。

ルビーノ氏は週2回、少なくとも週1回の掃除を推奨している。洗浄方法として、酢と水を1対1の割合で混ぜた液に、取り外せる部品を約20分間浸す方法を紹介している。ただし、酢を混ぜた液を入れたまま加湿器を運転することは避けるべきだと注意している。

洗浄剤によっては部品を傷める可能性もあるため、実際の手入れではメーカーの指定を優先したい。フィルター付きの機種は、取扱説明書に記載された目安に従って交換することも欠かせない。ピンク色のぬめりやカビ臭さは、微生物が繁殖している可能性を示すサインだ。

使用する水については、日米で推奨される方法に違いがある。EPAは、超音波式など、水を細かな霧にして放出するタイプでは、水道水に含まれるミネラルが「白い粉」として室内に広がったり、水垢が蓄積して微生物の繁殖につながったりするおそれがあるとして、蒸留水の使用を勧めている。

一方、日本の水道水には消毒のための塩素が含まれており、世田谷区も新しい水道水への入れ替えを推奨している。適切な水の種類は加湿方式や製品によって異なるため、取扱説明書の指定に従うことが大切だ。

「加湿器肺」に注意、こんな症状が出たら使用を中止

汚れた加湿器から放出された細菌やカビなどを吸い込むと、インフルエンザに似た症状や肺の病気を引き起こすことがある。ブラー氏によると、まれに「加湿器肺炎」とも呼ばれる過敏性肺炎を発症することもあり、免疫機能が低下している人は重症化するリスクにも注意が必要だという。

EPAも、子どもや高齢者、肺の病気や呼吸器系のアレルギーがある人は、汚れた加湿器による影響を受けやすいとしている。

適切に手入れをしていても、加湿器を使用している期間に咳などの呼吸器症状が現れた場合は、使用を中止して医師に相談することをEPAは勧めている。

また、蒸気式の加湿器は、熱い蒸気や湯によってやけどをするおそれがあるため、子どもの手が届かない場所に設置する必要がある。

使用シーズンが終わったら、部品を十分に乾燥させてから湿気の少ない場所に保管し、次に使用する前にも改めて掃除をするとよい。

加湿器は設置するだけで十分な効果が得られる家電ではなく、適切な湿度管理と日々の手入れによって、安全で快適に使用できるものだといえそうだ。

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