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秋の日焼け対策でやりがちなNG5つ 9月は7月の約8割

  • 2026.9.20

日ざしがやわらぐと、日焼け止めをやめてしまいがちです。ただ、気象庁の観測データをもとに月ごとのUVインデックスを計算すると、9月は7月の約8割、10月でも約5割ありました。環境省が日陰や長袖をすすめる「UVインデックス3以上」になる時間帯も、9月と10月でほとんど変わりません。秋の紫外線対策でやりがちな5つのNGと、代わりにやりたいことを、気象庁・環境省・厚生労働省の資料をもとにまとめました。

9月も半ばを過ぎて、日ざしがやわらいできました。日焼け止めを洗面所の奥にしまった、帽子をかぶらなくなった、という方も多いのではないでしょうか。
ところが、気象庁が観測した紫外線の強さを月ごとに平均してみると、9月は7月の約8割、10月でも約5割残っていました。「涼しいから大丈夫」と感じるのは、暑さを感じさせる赤外線が弱まったからで、紫外線が同じだけ弱まったわけではありません。
まずは、秋にやりがちな5つのNGを図にまとめました。どれも、今日から少しずつ変えられることです。

9月の紫外線は7月の約8割、10月でも約5割

気象庁は、紫外線の強さを表す「UVインデックス」を観測し、1日の最大値を月ごとに平均した数値を公開しています。この観測値をもとに月別の平均を出すと、次のようになりました。
・つくば(2005〜2025年の平均):7月6.96 → 8月7.31 → 9月5.46 → 10月3.55
・札幌(2005〜2017年の平均):7月6.07 → 8月5.82 → 9月4.18 → 10月2.4
・那覇(2005〜2017年の平均):7月10.25 → 8月9.75 → 9月8.48 → 10月6.33
7月を100としたときの割合にすると、9月はつくば78.4%、札幌68.9%、那覇82.7%。3地点の平均で76.7%、つまり約8割です。
10月でも、つくば51.0%、札幌39.5%、那覇61.8%で、平均50.8%。夏の半分がまだ残っている計算になります。

もうひとつ、意外なのが春との比較です。日焼け止めを塗り始める人が増える5月と9月を比べると、つくばの9月は5月の94.8%で、ほぼ同じ。札幌でも87.6%です。那覇にいたっては114.6%と、9月のほうが5月より強いという結果でした。
つくばで見ると、9月は12月のおよそ3.3倍、10月でも12月のおよそ2.2倍あります。「春先から塗り始めて、9月にやめる」という順番は、数字の上ではあまり合っていないことになります。
なお、環境省の資料でも、紫外線が強い時期は「4〜9月」とされ、1年間の紫外線量のおよそ70〜80%がこの期間に集中しているとされています。9月は、国の資料でも「強い期間」に含まれている月です。

数字の読み方について:ここで挙げた月別の数値は、気象庁が公開している日最大UVインデックス(観測値)の月平均値を、こちらで平均して算出したものです(つくば2005〜2025年、札幌・那覇2005〜2017年)。気象庁は札幌と那覇の紫外線観測を2018年1月で終了しているため、この2地点の数値は2017年までの記録にもとづきます。気象庁は月別の平均値を平年値として公表していないため、ここでの数値は観測値から算出した平均です。その年、その日の紫外線の強さは天気や大気の状態で変わります。当日の強さは気象庁の紫外線情報(分布図)で確認できます。

対策が要るのは9時〜14時。夏より2〜3時間短いだけ

とはいえ、朝から晩まで夏と同じ対策を続けるのは現実的ではありません。そこで役に立つのが時間帯の考え方です。
環境省の『紫外線環境保健マニュアル2020』には、月ごとに、時刻別のUVインデックスをまとめたグラフが載っています(7ページ・図1-4/気象庁データより作成)。つくばの数値を読むと、9月のピークは11時〜12時で8.1、15時には2.8まで下がります。
そして環境省は、UVインデックスが3以上のときに、日陰の利用・長袖シャツ・日焼け止め・帽子をすすめています(6ページ)。この「3以上」になる時間帯を、つくばの数値から拾うと、次のようになりました。
・7月:8時〜15時
・9月:9時〜14時
・10月:9時〜14時
9月と10月で、対策が要る時間帯の長さはほとんど変わりません。夏と比べても、前後が2〜3時間短くなるだけで、真ん中の時間帯はそのまま残ります。「10月だからもういい」ではなく、「10月も、9時から14時だけは続ける」と決めるほうが、続けやすく、無理もありません。

出典 www.env.go.jp

このグラフは「その月のいちばん強かった値を時刻ごとに平均したもの」なので、先ほどの月平均(日ごとの最大値を平均したもの)より高めに出ます。よく晴れた日の上振れの目安として見てください。それでも、9月の正午前後は8を超えることがあり、これは環境省の区分では「非常に強い」に入る水準です。
地域差もあります。同じ9月でも、那覇は9時〜16時、札幌は9時〜14時が3以上でした。気象庁も「札幌でも冬を除いて紫外線の強さが中程度以上の日が出現しており、緯度の高い地方でも紫外線に対する対策が必要」としています。

赤ちゃん・子どもは9時〜15時を避ける

環境省のマニュアルには、赤ちゃんについての記載もあります(18ページ)。赤ちゃんは大人に比べて皮膚が薄く、紫外線の影響を受けやすいため、強い日光を長時間浴びることは避けたいとされ、日差しの強い9時〜15時ごろを避け、朝夕の涼しい時間帯に、薄い長袖を着せ、帽子やベビーカーの日よけを利用することがすすめられています。母子健康手帳の記載として、「乳児の場合は、紫外線の強い時間帯には外へ出さない、また覆いをするなどの工夫をすれば、日焼け止めを使わなくてもいいでしょう」という内容も紹介されています。
つくばで3以上になるのが9時〜14時ですから、この「9時〜15時を避ける」という目安は、秋もそのまま使えます。お散歩は、朝いちばんか15時過ぎに寄せると無理がありません。

NG1|涼しくなったから、と日焼け止めをやめる

朝の空気がひんやりしてきたタイミングで、日焼け止めを塗るのをやめてしまう。肌の感覚としてはとても自然なのですが、涼しさと紫外線の強さは連動していません。
環境省のマニュアルの冒頭には、WHOがまとめた「紫外線のうそ・ほんと」という一覧があり(2ページ・表1-1)、そのなかに「暑さを感じない時には日焼けしない」という項目があります。答えは誤りで、暑さを感じるのは赤外線によるもので、紫外線ではないと説明されています。秋は気温と湿度が下がって体感が変わるぶん、この思い込みが起きやすい季節です。
実際の数字も、9月で7月の78.4%(つくば)です。
代わりに:夏と同じ強度を続ける必要はありません。やめるのではなく、時間帯で緩めます。9時〜14時に外に出る日だけ塗る、ふだんの買い物や洗濯物干しは数値の高くないものにする、というように、「ゼロにしない」ことを目標にしてみてください。環境省も、日焼け止めはシーンに合わせて選べばよく、洗濯物を干したり買い物をしたりするためなら、それほど数値の高くないもので十分としています(35ページ)。

NG2|曇りの日や日陰なら塗らなくていいと思っている

秋は、すっきり晴れる日と、薄い雲がかかる日が交互にやってきます。「今日は曇りだから」と対策を飛ばしてしまうのも、やりがちなNGです。
環境省のマニュアル5ページには、薄い雲の場合、UV-Bの80〜90%が雲を通り抜けるとあります。WHOの一覧(2ページ)でも「曇った日には日焼けをしない」は誤りとされ、薄い雲の場合は紫外線の80%以上が通過する、と書かれています。
日陰も同じです。図1-3には、日陰の紫外線量は日なたの約50%という数値が示されています。半分にはなりますが、ゼロにはなりません。理由は、紫外線が空気中で散らばって、あらゆる方向から届くからです。気象庁は、晴れた夏の日の正午ごろ、紫外線の総量のうちおよそ60%が散乱光だとしています。環境省のマニュアルも、屋外では太陽から直接届く量と、散乱して届く量がほぼ同じくらいだとしています。
もうひとつ覚えておきたいのが標高です。標高が1000m高くなるごとに、紫外線量は10〜12%増えるとされています(5ページ)。紅葉の高原や山歩きは、まさに秋のレジャー。ふもとの感覚のままだと足りません。

出典 www.env.go.jp

代わりに:天気予報の空模様ではなく、出かける時間帯で決めます。薄曇りなら、晴れの日に近い量が届いていると考えておくほうが安全です。日陰を選ぶのは有効ですが、「日陰にいても半分は浴びている」と覚えておくと塗り忘れが減ります。高原や山に行く日は、ふもとより一段しっかりした対策にしましょう。

NG3|量が少ない、朝塗ったきり塗り直さない

塗ってはいるけれど、うっすら。しかも朝出かける前の1回だけ。秋は「ちょっとでいいや」という気持ちが働きやすいぶん、さらに薄くなりがちです。
パッケージに書かれているSPFやPAは、決められた量を塗ったときに出る数値です。環境省のマニュアル34ページには、SPFの測定が1平方センチメートルあたり2mgを塗布した条件で行われることが明記されています。実際に塗る量がそれより少なければ、表示どおりの効果は出にくくなります。

顔は1円硬貨大を2回、体は線を引いてから伸ばす

環境省のマニュアル36ページには、量の目安が具体的に書かれています。
・顔:手のひらに一円玉を置いたくらいの面積が埋まる量を2回(クリーム状はパール粒1個分、液状は1円硬貨1個分)
・腕や脚:表と裏に1本ずつ直線状に出してから、らせんを描くように伸ばす
・鼻の頭、肩、背中の上部は念入りに
塗り直しについても、「2、3時間おきに塗り直し(重ね塗り)をすることをお奨めします」とあります。理由は、手や衣類に触れることで落ちたり、汗をかいて拭いたときに取れてしまったりするからです。
また、WHOの一覧(2ページ)では「日焼け止めを塗っていれば長時間日光を浴びても大丈夫」は誤りとされ、日焼け止めは太陽に長時間あたるために使うものではなく、紫外線を浴びることが避けられないときに防止効果を高めるもの、と説明されています。
代わりに:秋は汗も減るので、ランチに出る前に1回塗り直すくらいでも、朝の1回だけとはずいぶん違います。外にいる時間が長い日は、夏と同じように2、3時間おきを意識しましょう。数値の高いものに替えるより、まず量と回数です。

NG4|帽子はかぶるけれど、目と首は無防備

帽子や日傘は手軽で効果のある対策ですが、それだけで完結させてしまうと、守り切れない場所が残ります。
環境省のマニュアル31ページによると、帽子の着用で眼の紫外線ばく露は20%程度減少し、麦わら帽子のような幅の広いつばのある帽子はより大きな効果があるとされています。ただし同じページには、日傘や帽子は太陽からの直接の紫外線は防げても、大気中で散乱している紫外線までは防げないとも書かれています。晴れた日の日中は散乱光の割合が大きいことを思い出すと、帽子だけでは足りないことがわかります。
目については、32ページに紫外線防止効果のあるサングラスや眼鏡を適切に使用すると、眼の紫外線ばく露を最大で90%カットできるとあります。ただしレンズが小さいものや顔に合わないものは、正面以外から入る紫外線に効果が期待できません。注意したいのは色の濃さと紫外線カットは別だということ。色が濃いのに紫外線カットが不十分だと、暗さで瞳孔が開き、かえって多くの紫外線が眼に入るおそれがあるとされています。

首や腕については、31ページで袖が長い襟付きのシャツのように体を覆う部分の多い衣服がすすめられています。生地はしっかりした織目・編目のものがよく、生地を透かして太陽を見ると目の詰まり具合がわかります。色が濃いほど紫外線の透過率は下がりますが、そのぶん熱を吸収するので、暑い日は無理のない範囲で、とも書かれています。
代わりに:秋は、服で守るのがいちばんラクな季節です。帽子+UVカットのめがね+襟のあるシャツやストールの3点にすると、顔まわりと首の守りがぐっと変わります。

そもそも、なぜ秋も続けるのか

「1日くらい塗らなくても」と思ってしまうのは、影響がその日のうちに見えないからです。環境省のマニュアル2ページには、WHOがまとめた一覧の答えとして「紫外線ばく露は一日をとおして蓄積されていきます」とあります。浴びた量はその場で消えるのではなく、積み重なっていくという考え方です。
同じマニュアルの19ページには、紫外線が関係していると考えられている病気が、急性のものと慢性のものに分けて整理されています。
・急性:日焼け(サンバーン、サンタン)、紫外線角膜炎(雪目)、免疫機能低下
・慢性(皮膚):シワ、シミ・日光黒子、良性腫瘍、前がん症(日光角化症など)、皮膚がん
・慢性(目):白内障、翼状片
22ページでは、年齢を重ねた顔や手の甲に出るシミやしわについて、生理的な加齢に加えて、紫外線による慢性傷害によって生じる「光老化」の結果でもあると説明されています。そのうえで、光老化は加齢による自然の老化とは異なり、適切な紫外線防御対策により防ぐことができるものだと書かれています。毎日の対策が効いてくるのは、この部分です。
目については24〜25ページで、屋外での活動時間が長い人に多発するという翼状片や、危険因子のひとつに紫外線が挙げられている白内障が紹介されています。

ただし、過度に怖がる必要はありません。同じマニュアルの23ページには、日本は世界で最も皮膚がんの少ない国の一つで、皮膚がんが最も多いオーストラリアやニュージーランドと比べると、罹患率はおよそ100分の1だとあります。また、日本国内の年次推移や地理的分布からは、紫外線との明確な関連性を読み取ることはできないとも書かれています。
つまり、秋も続ける理由は「怖いから」ではありません。浴びる量が積み重なるものであること、そして防ぎようがあること。この2つです。だからこそ、やめてしまうのではなく、時間帯を決めて無理なく続けるのが現実的だと思います。

NG5|日光を避けすぎて、ビタミンDのことを考えていない

最後は、逆方向のNGです。紫外線対策を突き詰めるあまり、日光にまったく当たらない生活になってしまうこと。
環境省のマニュアル15ページには、ビタミンDの主な働きは腸からのカルシウム吸収を増やすことで、不足すると子どものくる病や成人の骨軟化症につながること、そして必要なビタミンDの半分以上を日光紫外線に依存しているのが現状であることが書かれています。日本では近年、特に乳幼児のビタミンD欠乏症が増加しているという記載もあり、その背景のひとつとして、日焼けを避ける若年女性が増えたことが挙げられています。
厚生労働省の『日本人の食事摂取基準(2025年版)』でも、成人(18〜64歳)のビタミンDの目安量は男女ともに9.0μg/日、耐容上限量は100μg/日とされています。報告書には、「我が国においては、紫外線による皮膚でのビタミンD産生は実際にあることから、日光曝露がない条件下の摂取量を参照することは必ずしも実態にそぐわない」とあり、一定量の日光曝露を考慮して目安量が算定されたことが説明されています。つまり、この9.0μg/日という数字は「日光にまったく当たらない前提」の量ではありません。

では何分当たればいいのか、と知りたくなりますが、ここは国の資料も慎重です。環境省のマニュアル16ページは、必要な日光浴の時間は地域(住所)や季節、時刻、天候、服装、皮膚の色など多くの要因に左右されるため、一律に「○○分」と表現することはできないとしています。
地域ごとの目安を知りたい場合は、国立環境研究所が「ビタミンD生成・紅斑紫外線量情報」として、観測地点ごとの月別データを公開しています(速報値の提供は保守のため休止中で、月別の気候値が閲覧できます)。
代わりに:日焼け止めを塗るのをやめる、という方向ではなく、顔や手の甲が外気に触れる時間を、生活のなかでゼロにしないくらいの構え方に。ビタミンDは食事からもとれるので、気になる場合は食事の内容もあわせて見直すのがよいでしょう。サプリメントの利用も含め、心配なときは自己判断せず、医師や管理栄養士に相談してください。

そして、日焼けしたあとのケアでは取り返せません。環境省のマニュアル30ページには、日焼けしてからローションなどで肌の手入れをすることについて、「ひりひりとした日焼けの痛みを抑えるなどの効果はあるとされています。しかし、皮膚の老化や皮膚がんなどの長期的な予防効果は少ないと考えられます」とあります。長期的な悪影響を防ぐために重要なのは、浴びすぎを防ぐこと。つまり、塗る前提でしか防げないということです。

まとめ:10月いっぱいは、9時から14時だけ続ける

秋の日焼け対策でやりがちなNGと、代わりにやりたいことをおさらいします。
・涼しくなったからとやめる → 9月は7月の約8割。9時〜14時だけでも続ける
・曇りや日陰なら不要だと思う → 薄い雲はUV-Bの80〜90%を通し、日陰も日なたの約50%
・量が少ない、塗り直さない → 顔は1円硬貨大を2回、2、3時間おきに塗り直す
・帽子だけで目と首が無防備 → UVカットのめがねと襟付きの長袖を足す
・避けすぎてビタミンDを考えていない → 日に当たる時間をゼロにしない
数字でいえば、10月でも7月の約5割。そして対策が要る時間帯は、9月も10月も9時〜14時でほとんど同じでした。「秋は全部やめる」でも「夏と同じを続ける」でもなく、時間帯を決めて、無理なく続ける。それが、いちばん現実的な秋の紫外線対策だと思います。

この記事について

この記事は、気象庁・環境省・厚生労働省・国立環境研究所が公開している資料をもとに、2026年9月20日時点の情報をまとめたものです。紫外線の強さは地域・天候・標高・その日の状況によって大きく変わり、紫外線の影響の受けやすさにも個人差があります。肌や目の症状が気になるとき、持病や服用中の薬があるとき、妊娠中・授乳中の方、お子さんの対策に迷うときは、自己判断せず医師や薬剤師にご相談ください。

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