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「この店は説明が雑すぎる」合わないケースに納得できない客。だが、店長が実物を並べて説明すると態度が変わった

  • 2026.9.21
「この店は説明が雑すぎる」合わないケースに納得できない客。だが、店長が実物を並べて説明すると態度が変わった

何も案内しないうちに、声が飛んできた

5年ほど前、私は家電を扱う店の売り場に立っていた。土曜の夕方で店内は混み合い、携帯電話のアクセサリー売り場にも次々とお客様が来ていた。

補充用の箱を抱えて通路を歩いていると、60代くらいの男性に呼び止められた。

「ちょっと。この店、説明が雑すぎないか?」

突然の言葉に、私は思わず足を止めた。男性の手には、開封済みのケースと携帯電話が握られていた。

話を聞くと、この店で買ったケースが携帯電話に合わず、売り場へ戻ってきたという。すでに別の店員にも声をかけていたようだった。

「これ、全然合わないんだよ。ほら、サイズが違うだろ。責任者はいないの?」

「ご不便をおかけして申し訳ありません。一度、機種とケースを確認させていただいてもよろしいでしょうか」

「確認って、見れば分かるだろ。合わないって言ってるんだよ」

私は携帯電話とケースを見せてもらおうとしたが、男性は「ちゃんと説明してくれ」「この店は説明が雑すぎる」と何度も繰り返した。

途中には、「こんなの、本部に言ったほうがいいんじゃないか」という言葉も出た。

やり取りをしている間にも、ほかのお客様から「すみません」と声をかけられた。すぐに対応できず事情を伝えるうち、気づけば3人のお客様が少し離れたところで待っていた。

男性から預かった携帯電話とケースを見比べると、理由はすぐに分かった。

ケースは、男性が使っている機種とは1世代違う型のものだった。見た目はよく似ているが、カメラの位置がずれている。

「お客様、こちらはお持ちの機種とは1世代違う型のケースですね」

「え?いや、そんなはずないだろ。毎年このシリーズを買ってるんだよ」

「シリーズは同じですが、世代によって本体の形が少しずつ違うんです」

「でも、こんなに似てたら分からないだろ」

男性の声はなかなか収まらず、説明を始めてから10分以上がたっていた。周囲の視線も集まり、私の背中にはじわりと汗がにじんでいた。

店長は、2つを並べて置いた

騒ぎに気づいた店長が、奥の通路からやってきた。

私から短く事情を聞くと、男性に軽く頭を下げた。

「お待たせして申し訳ありません。携帯電話とケースを、少しお借りしてもよろしいですか?」

「……いいけど、本当に合わないからね」

店長は受け取った携帯電話を台の上に置き、その隣にケースを並べた。そして男性にも見えるように、2つを少し傾けた。

カメラの穴は、指一本ぶんほどはっきりずれていた。

「ここを見ていただけますか。カメラの位置が違いますよね」

男性は黙って2つを見比べた。

「……ああ。確かに違うな」

「同じシリーズでも、世代が変わると形が変わることがあるんです。お客様の機種に合うケースは、こちらの棚にあります」

店長が2つ隣の棚を示すと、男性はまだ納得しきれない様子で聞いた。

「でも、同じシリーズなんだろ?」

「はい。名前が同じなので、分かりにくいですよね。こちらなら合いますので、一緒に確認しましょう」

店長は声を荒らげることもなく、もう一度、携帯電話とケースの違いを指で示した。

男性はしばらく見比べたあと、小さく息を吐いた。

「……じゃあ、こっちを選べばいいのか」

「はい。こちらです」

男性はそれ以上声を上げることなく、店長と一緒に隣の棚へ移っていった。

私はようやく、待っていた3人のお客様のほうへ向き直った。

「大変お待たせしました。申し訳ありません」

先頭にいた女性が、手にしていた充電器を差し出しながら、少し笑った。

「大丈夫ですよ。横に並べると、違いってすぐ分かるんですね」

その言葉を聞いて、張りつめていた肩からようやく少し力が抜けた。


※本記事は、GLAMが独自に実施したアンケートで寄せられた30代男性読者の体験談をもとに、プライバシーに配慮し、人物・状況・会話表現などを一部編集・再構成して記事化しています

※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。

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