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「サウジアラビアからヨーロッパへ戻った7名のサッカー選手」

  • 2026.9.3

現在日本代表MF堂安律が移籍するのではないかと言われたサウジアラビアリーグ。

ワールドカップ開催を2034年に控えた同国は現在豊かな資金力を生かして数多くのスター選手を迎え入れており、世界でも有数のコンペティションに生まれ変わっている。

堂安が加入すると噂になったアル・イティハドは、2024年から所属しているフランス代表MFムサ・ディアビがレヴァークーゼンへと復帰する可能性が高まっており、その穴を埋めるための補強を求めていると伝えられている。

今回は、「一度サウジアラビアに移籍したもののヨーロッパに戻った選手たち」を7名ピックアップした。

ジョーダン・ヘンダーソン

移籍:アル・イテファク → アヤックス

サウジアラビアから欧州へ戻った選手の中でも、最も大きな話題となった一人がジョーダン・ヘンダーソンだろう。

リヴァプールで12年間プレーし、キャプテンとしてプレミアリーグやUEFAチャンピオンズリーグ制覇を経験したイングランド代表MFは、2023年夏にアル・イテファクへ移籍した。

ただ、その移籍はピッチ外でも物議を醸した。ヘンダーソンはイングランドでLGBTQ+コミュニティへの支持を公言してきただけに、同性愛が厳しく規制されるサウジアラビアへ移籍したことには批判も相次いだ。

そして、サウジでの挑戦はわずか半年で終わる。アル・イテファクでは主力としてプレーしたものの、2024年1月にクラブとの契約を双方合意で解除。そのままオランダの名門アヤックスへ加入し、ヨーロッパサッカーへ異例のスピードで復帰した。

ヘンダーソンは後にサウジアラビアの環境や観客の少なさに馴染めなかったことを明かしており、彼にとってはなかなか難しい状況だったようだ。

エメリク・ラポルト

画像: (C)Getty Images
(C)Getty Images

移籍:アル・ナスル → アスレティック・ビルバオ

シティでプレミアリーグを5度制覇し、スペイン代表でもEURO2024優勝を経験したラポルト。そんな世界最高峰を知るDFは、20代の終わりにサウジアラビアへ移籍し、30代で欧州へ戻った。

2023年夏に彼はアル・ナスルへ移籍。移籍金はおよそ2360万ポンドとされ、クリスティアーノ・ロナウド、サディオ・マネらとともにプレーすることになった。

その実力はサウジでも際立っており、2シーズンで公式戦69試合に出場。一方で本人は、現地での生活やクラブ運営について率直な発言をすることもあり、早い段階からスペイン復帰の可能性が取り沙汰されていた。

そして最終的に選んだのが、自身がプロキャリアをスタートさせたアスレティック・ビルバオだった。多額の給与を受け取ったサウジアラビアでの生活。それがむしろ自身の故郷に対する愛を昂ぶらせていったのかもしれない。

タリスカ

移籍:アル・ナスル → フェネルバフチェ

サウジ・プロリーグが現在のように世界的スターを次々と獲得する以前から、中東で圧倒的な存在感を放っていたのがアンデルソン・タリスカだ。

ブラジル出身の攻撃的MFはベンフィカで欧州に進出し、ベシクタシュへのローンではトルコで大活躍。その後、中国の広州恒大を経て、2021年にアル・ナスルへ加入した。

当時のサウジリーグは、まだC・ロナウドやネイマール、ベンゼマらがやって来る前。タリスカはリーグを代表する外国人スターの一人となり、強烈な左足と高い得点能力でゴールを量産した。

そして2022年末、アル・ナスルにクリスティアーノ・ロナウドが加入。世界的スーパースターとの共存によって注目度はさらに増したが、その後も大型補強が続いたことで外国人枠を巡る競争は激化。タリスカ自身も負傷に苦しむ時期があり、徐々にチーム内での立場が変化していった。

そこで新天地となったのが、かつてベシクタシュで活躍したトルコだった。フェネルバフチェへの移籍によって、約7年ぶりに欧州サッカーへ復帰することになった。

ジョタ

移籍:アル・イティハド → レンヌ

サウジ移籍によってキャリアが大きく狂った選手として挙げられるのが、ポルトガル人ウインガーのジョタだ。ベンフィカの育成組織出身で、2021年にセルティックへ加入すると一気に才能が開花。左サイドからのドリブルと得点力を武器に、2022-23シーズンには国内3冠達成に大きく貢献した。

欧州5大リーグへのステップアップも十分に考えられる存在だったが、ジョタが選択したのはアル・イティハドだった。その移籍金は2500万ポンド規模。24歳という全盛期を迎える年齢でサウジへ向かったことは大きな驚きをもって受け止められた。

さらに、その移籍はすぐに難しい状況へ変わる。アル・イティハドはカリム・ベンゼマやエンゴロ・カンテ、ファビーニョらスター選手を大量補強しており、外国人選手の登録枠が問題となった。ジョタは加入直後から登録メンバーを外れることが多く、出場機会を十分に確保できない状況に陥った。

結局、サウジでの挑戦はわずか1シーズンで終了。フランスのレンヌへ移籍し、ヨーロッパへ戻ることになった。その後はさらにセルティックへ復帰。わずか数年の間に「セルティック→サウジ→フランス→セルティック」とクラブを移った。

ガブリ・ベイガ

移籍:アル・アハリ → ポルト

サウジアラビアの大型補強が欧州に大きな衝撃を与えた2023年夏。その中でも特に議論を呼んだ移籍がガブリ・ベイガだった。

セルタの育成組織で育ったスペイン人MFは、2022-23シーズンにラ・リーガで11ゴールを記録。まだ21歳ながら欧州屈指の若手MFとして高く評価され、ナポリをはじめ複数のビッグクラブが獲得に動いていると報じられていた。

ところが、ベイガが選択したのはアル・アハリだった。将来有望な若手が全盛期を迎える前にサウジへ向かったことで、レアル・マドリーのトニ・クロースがSNS上で「恥ずかしい」と反応したことも大きな話題となった。

そして2025年夏、ポルトガルの名門FCポルトへの移籍が決定。移籍金はアル・アハリ加入時を大きく下回る額であり、そこには彼の確固たる意思が感じられた。

ジョン・デュラン

移籍:アル・ナスル → フェネルバフチェ

2025年冬の移籍市場で世界を驚かせたのが、21歳のコロンビア代表FWジョン・デュランのアル・ナスル加入だった。アストン・ヴィラでは絶対的な先発ではなかったものの、途中出場から次々と強烈なゴールを決める「スーパーサブ」として注目を集めていた。

チェルシーなど複数の欧州強豪から関心を寄せられていた選手だったが、選択したのはサウジアラビアだった。アル・ナスルではC・ロナウドと前線を組み、13試合で8ゴールと結果も残した。

しかし、わずか半年後には状況が一変する。2025年夏、フェネルバフチェへのローン移籍が決まり、早くも欧州へ帰還したのだ。

その後も欧州クラブへのローンでプレーを続けており、サウジ側が保有権を持ちながら欧州でキャリアを積むという変則的な形になっている。

エンゴロ・カンテ

移籍:アル・イティハド → フェネルバフチェ

レスターで奇跡のプレミアリーグ優勝を経験し、その後チェルシーではプレミア、チャンピオンズリーグ、ヨーロッパリーグなど主要タイトルを総なめ。フランス代表でも2018年ワールドカップ優勝の中心選手となったカンテ。

ただ、チェルシーでの晩年は度重なる負傷に苦しんだ。契約満了となった2023年夏、32歳の彼はアル・イティハドへ移籍。カリム・ベンゼマやファビーニョらとともに、サウジリーグ大型補強の象徴的存在となった。

中東へ渡ってからのカンテはアル・イティハドの中心として79試合に出場。2024-25シーズンには国内リーグとカップの二冠にも貢献した。

そしてサウジでプレーしていたにもかかわらず、フランス代表にも復帰。EURO2024では主力として起用され、マン・オブ・ザ・マッチ級のパフォーマンスを披露する試合もあった。

そのカンテは2026年冬、トルコの名門フェネルバフチェへの移籍を決断する。大きな理由の一つとして考えられたのが、同年夏のワールドカップだった。ヨーロッパに戻った彼は目論見通り同大会でメンバー入りを果たしている。

※選出基準は、各選手の実績に基づきながら筆者またはメディアの主観的判断も含んでおります。

筆者:石井彰(編集部)
画像提供:Getty Images

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