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ピンク・レディー50周年の今【未唯mieさん】が届けたいこと––––年齢を憂うより可能性に目を向けて

  • 2026.8.29

ピンク・レディー50周年の今【未唯mieさん】が届けたいこと––––年齢を憂うより可能性に目を向けて

1976年のデビューから50年。ピンク・レディーのメンバーとして、ソロアーティストとして、長く第一線で輝き続けてきた未唯mieさん。年齢を重ねるなかで感じる変化を憂うより、自分の可能性に目を向けてほしい––––。新曲「Anti Limit」に込めた思いとともに、これまでの歩み、表現することの意味について伺いました。

プロフィール
未唯mieさん

みい●1958年生まれ、静岡県出身。中学校の演劇部で知り合った増田惠子さんと、オーディション番組「スター誕生!」に出場。1976年、ピンク・レディーとして、「ペッパー警部」でデビュー。「S.O.S」「カルメン’77」「渚のシンドバッド」など大ヒット曲を連発。社会現象を巻き起こす。81年のソロデビュー後は、舞台やミュージカル、コンサートなど、幅広く活動中。

表現することは私にとって「生きること」

1976年、彗星のように現れた女性デュオ「ピンク・レディー」。デビュー曲の「ペッパー警部」から、発表する曲がことごとく大ヒット。瞬く間に時代のアイコンとなった。そのメンバーの一人が、未唯mieさんだ。

あれから50年、今年ピンク・レディーはデビュー50周年、未唯mieさんはソロアーティストとして歩み始めてから45周年という、大きな節目の年を迎えた。その記念すべき年に発表された未唯mieさんの新曲「Anti Limit」は、歌詞をコラムニストで作詞家のジェーン・スーさんに依頼。その理由を、新曲のリリースの際に未唯mieさんはこう語っている。「詞は、私の存在価値を大きく評価してくれるジェーン・スーさんにお願いしたい」。

その「存在価値」とは、いったい未唯mieさんにとってどんなものなのか。記憶をたどっていくと、話はピンク・レディーとしてデビューするよりも、さらに前へとさかのぼる。

「うちは両親がとても厳しい人で、小さい頃の私は怒られてばかり。『こんなにダメな私でも、生きている意味があるのかな』と思っているような子どもだったんです。引っ込み思案でしたし、自分の気持ちを表に出すことも苦手な、内気な子どもでした。ですが、中学校で入部した演劇部で、ほんの少しですけどセリフのある役をもらったんです。舞台でセリフを言ったとき、初めて自分の気持ちを表に出せたような気がしました。こんなふうに役の形を借りれば、自分の思いを表現できるんだって」

演劇で見つけた「形を借りて表現する」という方法は、その後、歌や音楽につながっていく。

「歌と出合い、音楽と出合い、そういうものの力を借りて自分を表現できるようになって初めて、『私も生きていていいんだ』と思えるようになりました。表現することがなくなったら、生きている意味がわからなくなっちゃうくらい、私にとってそれは大切なもの。表現することと生きることは、イコールなのかもしれませんね」

ピンク・レディーとしてデビューすると、ファンからの手紙が山のように届いた。その中には、「ピンク・レディーが頑張っているから、私も病気と闘います」「受験生勉強で苦しいけれど、僕も頑張る」といったメッセージも数多く含まれていたという。

「私たちの歌だけでなく、一生懸命に頑張る姿が誰かの励みになっている。こんな私でも誰かの役に立てているんだと思ったら、本当にうれしくて。ここに私の生きる場所があったんだと思いました」

自分を肯定できた先に、もう一つの思いが生まれた。

「誰かのためにお役に立てることがないかな、と考えることも楽しくなりました。昔は、自分を押し殺してでも誰かの役に立てたらと、思っていたこともありました。でも振り返ってみると私、自分のやりたいことをちゃんとやっているんですよね。いつのまにか、“自分のやりたいこと”と“誰かの役に立つこと”が地続きになっていたみたい。今は、自分自身が楽しみ、それが誰かの役に立てばいいなと思っています」

生きる意味が見出せなかった少女が、自分の居場所を見つけるまで。きっとたくさんのことを乗り越えてきただろう。しかし未唯mieさんは、「それは私だけじゃない」と、きっぱりと言う。

「自分では意識していないかもしれないけれど、誰もがきっと、今の自分になるためにいろいろなことを乗り越えてきたと思うんです。だからみんな、もっと自分のことをほめていいと思うし、もっと素敵になれるはずです」

年齢を憂うより自分の可能性に目を向けたい

新曲「Anti Limit」は、そんな未唯mieさんの思いがこもった一曲だ。歌詞には、「蹴っ飛ばしてこう 誰かの視線」「咲かせる花に許可は無用」といった力強いフレーズが並ぶ。それは、年齢や周囲の視線にとらわれず、もっと自分の可能性を楽しもうという、同世代へのメッセージだ。

「年を重ねると、シワが増えたり、体力が落ちたり。そういった老いのサインに、憂いてしまいがちです。でも、『今日はこんなことができた』『こんな人と出会えた』という自分の可能性にフォーカスすれば、年齢なんていうリミットは関係なくなっちゃう。そんなことを気にしてる場合じゃないと思いませんか?」

この思いを言葉にしてくれたのが、作詞を担当したジェーン・スーさんだ。作詞にあたり、未唯mieさんからは多くをリクエストしたわけではないのだそう。

「ジェーンさんにお伝えしたのは、『最後のひと言は、私に言わせたいことを書いてください』ということくらい。なのに、私の思いをこうして素敵な応援歌に仕立ててくださった。私が歌詞を書いたら、ジェーンさんのように刺激的な言葉は思い浮かばなかったかもしれません。でも、すべてが私の言葉だと思えたし、私がみなさんにお伝えしたい思いがそこにある。この言葉で、みなさんに私の思いをお伝えしたいですね」

曲ごとに表現する世界観は変わっても、歌を通して届けたい思いは変わらない。

「この曲を聴いた人が楽しんで、元気になって、幸せになってもらえたら。それが私の願いです」

【Information】

「Anti Limit」

デビュー50周年、ソロ活動45周年を記念した新曲は、ソウル/ディスコクリエイターのT-GROOVEがサウンド・プロデュースを手がけるディスコナンバー。作詞を担当するのは、ピンク・レディーの生き様を深くリスペクトするジェーン・スーさん。未唯mieさんが伝えたかった「あなたの味方!」という思いを、同世代への応援歌として書き上げた一曲。現在、音楽ストリーミングサービスおよび、主要ダウンロードサイトにて配信中。9月16日には、カップリング3曲を追加したCDシングル2200円(税込)がリリースされる。

未唯mie DEBUT 50th & SOLO 45th「Anniversary Celebration」presented by Achievement Corporation

新曲から始まり、ソロ時代、そしてピンク・レディーへ––––。未唯mieさんの50年にわたるアーティスト活動を“逆再生”するようにたどる、一夜限りの特別なコンサート。舞台には、ピンク・レディーのサウンドを支えた井上鑑氏をはじめ、長年の音楽仲間が集結する。50年の歩みを振り返り、次のステップへと歩みを進める、未唯mieさんの“今”を見逃さないで。

2026年9月19日(土)東京国際フォーラム ホールC
指定席1万5000円、U-18シート7000円(すべて税込) ※未就学児入場不可
DISK GARAGE https://info.diskgarage.com/

撮影/園田昭彦 取材・文/恩田貴子

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