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朝起きたら王様が猫になっていた!? 『となりの関くん』作者が描く、「お猫様」に振り回される異世界ハートフルファンタジー!【書評】

  • 2026.8.29

【漫画】本編を読む

朝起きたら、仕えている主君が一匹の白い猫になっていた……。そんな驚きの事態から幕を開けるのが、『王が猫になった』(森繁拓真/幻冬舎コミックス)だ。日常系コメディの人気作『となりの関くん』(KADOKAWA)の著者・森繁拓真氏が描く、異世界を舞台にしたハイテンションファンタジーである。

舞台となるウィスペリア王国では、なぜか猫が「厄介な魔物」として恐れられていた。ある朝、王様が寝室から忽然と姿を消し、代わりに真っ白な猫が一匹現れたことで城内はパニックに陥ってしまう。この危機的な状況に立ち上がったのが、実直で忠誠心の塊のような近衛兵長・セージだ。「猫になりたい」と常々口にしていた王様の言葉を思い出し、目の前の白猫がその王様であると確信した彼は、誰も知らない猫の飼い方を学ぶために、周囲から恐れられている魔女に力を借りることにする。

セージは魔法の才能がゼロという魔女の弟子・マルバの協力を仰ぎ、手探りで猫の世話をする生活をスタートさせる。しかし、この国にはキャットフードも猫砂も存在しない。栄養バランスを考えた食事作りに始まり、室内での適度な運動のさせ方、そして手作りの猫用トイレの設置など、次から次へと出てくる難題に対処していく。

最大の見どころは、人間の都合などお構いなしに我が道をいく王様の「猫っぷり」と、それに対して周りが過剰すぎるほどの忠誠心を見せる姿だ。どれだけ傍若無人に振る舞われようとも、セージたちが「これこそが王様が望んだ姿なのだ」と大真面目に受け止め、王様の心に寄り添おうと必死になる様子が面白い。一方で、物語は王様がなぜ猫になることを望んだのかという謎にも迫っていく。

異世界ならではのファンタジー設定で描かれるハートフルコメディは、猫好きはもちろん、ファンタジー好きもその魅力に引き込まれるだろう。読後はあなたも、自由気ままな「お猫様」に仕える家来のひとりになっているはずだ。

文=坪谷佳保

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