1. トップ
  2. スポーツ
  3. 比江島慎、辻直人ら豪華OBが母校に集結!リーグ戦直前に振り返る青山学院大OB戦

比江島慎、辻直人ら豪華OBが母校に集結!リーグ戦直前に振り返る青山学院大OB戦

  • 2026.8.24

Bリーグの新シーズン開幕が近づき、長かったオフシーズンも終盤へ。この夏、各地でさまざまなOB戦や交流イベントが行われたが、その中でも豪華な顔ぶれが集まったのが、青山学院大学男子バスケットボール部のOB戦だ。
6月28日、日本代表の比江島慎をはじめ、辻直人、橋本竜馬、鵤誠司ら、バスケ界の第一線で活躍するOBたちが母校に集結。偉大な先輩たちとコートを交えた現役生の主将・上野山波空は、「Bリーガーの方たちを見て、憧れから目標にだんだんなってきた」と刺激を受けた。
現役生たちは、8月26日から、第102回関東大学バスケットボールリーグ戦に臨む。大学バスケの秋シーズンを前に、新旧の伝統が交差した青学OB戦を改めて振り返る。

2010年から2年連続大学四冠。2029年に創部100年へ

青山学院大学男子バスケットボール部の創部は1929年にさかのぼる。関東大学バスケットボール連盟に所属し、1983年から本格的に部の強化に着手。1989年から2013年まで通算22年間指揮を執った長谷川健志監督の下では、数々のタイトル獲得を果たしている。

4度のインカレ優勝をはじめ、関東大学選手権を8度、関東大学リーグを7度も制覇。特に2010年から2年間は黄金期と言えるほどの強さを誇り、インカレ、リーグ戦、関東大学選手権、新人戦を含めた「4冠」を2年連続で達成した。

横浜ビー・コルセアーズなどで活躍した湊谷安玲久司朱(2007年入学)、B1屈指のシューターの辻直人(2008年入学/群馬クレインサンダーズ)、日本代表の比江島慎(2009年入学/宇都宮ブレックス)らは、その一時代をけん引した選手たちとして印象深い。

画像: OB戦当日様子。左から辻直人(2008年入学/群馬クレインサンダーズ)、比江島慎(2009年入学/宇都宮ブレックス)、湊谷安玲久司朱(2007年入学) (C) 青山学院男子バスケットボール部
OB戦当日様子。左から辻直人(2008年入学/群馬クレインサンダーズ)、比江島慎(2009年入学/宇都宮ブレックス)、湊谷安玲久司朱(2007年入学) (C) 青山学院男子バスケットボール部

さらに青学は数多くの人材を輩出してきた。川崎ブレイブサンダースで指揮を執り、2026-27シーズンよりゼネラルマネージャーに就任した佐藤賢次氏(1998年入学)や、解説者としてお馴染みの佐々木クリス氏(1999年入学)、TOKYODIMEの代表でBリーグ理事の岡田優介氏(2003年)。

画像: 岡田優介氏もプレーを行い、また佐々木クリス氏はイベント全体の司会を担った (C) 青山学院男子バスケットボール部
岡田優介氏もプレーを行い、また佐々木クリス氏はイベント全体の司会を担った (C) 青山学院男子バスケットボール部

現役Bリーガーでは、橋本竜馬(2007年入学/ベルテックス静岡)や張本天傑(2010年入学/名古屋ダイヤモンドドルフィンズ)、鵤誠司(2012年入学/宇都宮ブレックス)ら、枚挙にいとまがない。

「バスケ部を強化したい」という思いから、有観客で久々開催

そんな青学バスケ部が6月28日、青山学院記念館(東京都渋谷区)でOB戦を開催した。チームは2022年に1部から2部降格の憂き目にあうも、2025年に1部への復活劇がある中、「青学のバスケを、もっと強くしたい」という声から今回の開催に至った。同校OBの竹田謙氏が2024年2月に監督へ就任以降、非公開でOB戦を実施してきたが、有観客での開催は久々だ。

画像: 発起人でもある青山学院大学 男子バスケットボール部 竹田謙 HC (C) 青山学院男子バスケットボール部
発起人でもある青山学院大学 男子バスケットボール部 竹田謙 HC (C) 青山学院男子バスケットボール部

試合前からOBやOG、ファンが集まり、コートサイドには歴代のメンバーがずらり。黄金期をつくったメンバーはもちろん、新井翔太(2022年入学)やオドゲレルトルガ(同)といったBリーグで活躍が期待される若手選手たち、実業団でバスケを続けている面々の姿もあった。

画像: 新井翔太(島根スサノオマジック)、深見 響敏(#11) (C) 青山学院男子バスケットボール部
新井翔太(島根スサノオマジック)、深見 響敏(#11) (C) 青山学院男子バスケットボール部

試合では現役生もOBも見せ場をつくった。まず先制パンチを浴びせたのは現役生たち。芦田真人(#77/4年)や北條彪之介(#17/3年)が得点を決めて14-2とリードを奪う。それでもOBたちはタイムアウト明けから、船生誠也(2012年入学/仙台89ERS)が流れを呼び込み、鵤がポストプレーでフィジカルの違いを見せつけるなど20-18で逆転する。

画像1: (C) 青山学院男子バスケットボール部
(C) 青山学院男子バスケットボール部

2クォーターに入ると、現役生はキャプテンの上野山(#9/4年)の連続ドライブが決まるなど、学生らしいテンポの速いオフェンスで再び前へ。OBの岡田に現役時代を彷彿とさせる3ポイントシュートを決められるが、34-39とリードを奪い返して前半を折り返す。続く3クォーターもリバウンドなど球際で粘り強く戦い、57-61と4点差でラストの10分間へ。

画像2: (C) 青山学院男子バスケットボール部
(C) 青山学院男子バスケットボール部

そして迎えた4クォーター、会場はこの日一番の盛り上がりを見せた。まずOBの辻直人が登場すると、2本の3ポイントシュートをヒットさせる見事なパフォーマンスを発揮。さらに遅れること数分、比江島慎もコートに姿を現した。彼は日本代表に約2年ぶりに招集されていたため、代表合宿での練習を終えたその足で駆けつけたのだ。2人とも出場予定がないというアナウンスから一転、辻に続いて比江島も履いていた“エア・ジョーダン1ロー”の紐を結び直して1ポゼッションだけコートへ。惜しくもシュートは決まらなかったが、会場からは大きな歓声が上がった。

画像3: (C) 青山学院男子バスケットボール部
(C) 青山学院男子バスケットボール部

試合は現役生たちが79-78とリードしたまま最終局面へ。OBチームのオフェンスとなり、納見悠仁(2016年入学/島根スサノオマジック)がドリブルでリングに向かうも、現役生たちが阻んで試合終了のブザー!先輩は土壇場でシュートを打ちきれず倒れ込み、ベンチでOBたちがずっこけるという、記憶に残る幕切れになった。

竹田監督は安堵の表情。橋本竜馬は、後輩たちへエールも

1日を終えて「ホっとしました(笑)」と開口一番語ったのは、竹田監督だ。ベンチワークはもちろん、準備に走り、関係者に挨拶する姿も見られただけに、胸をなでおろすのも当然だろう。当初はOBの集まりに心配もあったそうだが、それも杞憂に終わり、数多くのファンが訪れたことで「青学バスケ部を知ってもらうきっかけになったと思います」と表情を綻ばせた。

多くのOBが集まった様子を見て、竹田監督は「みんなが学生時代にいろいろな苦難を乗り越え、人として成長して、選択肢を増やして、大学を出る。長谷川さんのときから、ずっとやってきた成果がいま出ていると思う」とコメント。「私もそういう環境を与えて(学生たちが)より成長した4年間になるようにやっていかないといけない」と、気持ちを新たにした。

画像4: (C) 青山学院男子バスケットボール部
(C) 青山学院男子バスケットボール部

有観客での開催を働きかけていた橋本も、試合後は充実した表情を見せた。「たくさんの方に協力していただいて、青学OB戦ができたことをすごく嬉しく思います」と切り出し、「正中(岳城/2003年入学/元アルバルク東京キャプテン)さんもおっしゃっていましたが、横のつながり、縦のつながりが大事だと自分自身も気づかされました。続けていくことの重要性を感じた1回目でした」と語った。

画像: 福大大濠高校出身の選手たち #77 芦田 真人、 橋本竜馬(ベルテックス静岡)、#12 広瀬 洸生、#29 加賀屋 利温 写真提供:CSPark
福大大濠高校出身の選手たち #77 芦田 真人、 橋本竜馬(ベルテックス静岡)、#12 広瀬 洸生、#29 加賀屋 利温 写真提供:CSPark

そして、マッチアップした学生たちの可能性も肌で感じていた。令和の青学バスケ部で奮闘する選手たちを「自信をつけると、すごく伸びると思う」と表現。その上で「自信をつける場をどれだけ提供できるかは大事」とした上で、若い世代へ向けて次のようにエールも送った。

画像5: (C) 青山学院男子バスケットボール部
(C) 青山学院男子バスケットボール部

「(学生は)この先、Bリーグ、海外、NBA選手を目指す選手もいるかもしれませんが、そういったところに出たときに、どういう人間でいれるかという準備を(大学生の間に)間違いなくしないといけないと思っています。自分は、これくらいしかできないんじゃないかと思わずに、自分の殻をしっかり破ってほしいですね。学生たちが持っている才能や能力は、僕たちの年代とは比べものになら無いぐらい良いものを持っている。それを(学生たちが)出していければ良いなと思います」

プロ入りが「憧れから目標に」…主将が説く大学バスケの魅力

現役生を代表する一人である4年生の上野山は、入学以来初めてとなる有観客でのOB戦を楽しんだ。彼が青学に入学するきっかけになった選手たちが目の前にいたからである。青学志望の理由を「中学生、高校生のときにスマホやテレビで見ていると、Bリーグで活躍している選手に、青学出身が本当に多かったです。施設の面でも青学以上に整っている大学は無いんじゃないかと思うところもあって。少数精鋭というところもすごく魅力的だなと思って」と明かす。

OB戦を終えて、上野山は「多くの観客の皆さんに入ってもらって、OB、現役の選手、一緒にプレーした先輩たちと、このような場でゲームを無事に終えたということが、何よりも(経験として)大きい」とコメント。OBたちは“個性派”とも称されるが、彼はいまの青学バスケ部を「チームプレーにフォーカスしています。組織的にいろいろとやっているので、今までの青学とは少し違うかもしれませんが、先輩たちの良き伝統は受け継ぎつつ、新しい青学を表現しているので、そこは秋のリーグ戦でも楽しみにしてもらいたいと思います」と胸を張った。

画像: 上野山 波空(#9) (C) 青山学院男子バスケットボール部
上野山 波空(#9) (C) 青山学院男子バスケットボール部

さらに、卒業後の夢を“プロバスケットボール選手”と明言する彼は、この一戦を転機にさらなる成長を誓っている。

「今日のゲームを通しても、Bリーガーの方たちを見ると、やっぱり憧れから目標にだんだんなってきて、自分でも手が届くのではないかと思っているところです。ただ、ここで本当に満足せず、リーグ戦でしっかり結果を出して、Bリーガーになる夢を叶えたいと思います」

青学バスケットボール部は、これからひと夏を越えて秋のリーグ戦に向かう。Bリーグや高校バスケに比べれば注目度はまだ低いものの、令和の個性豊かで熱い想いを持った選手がそろっているのが学生バスケの見どころだ。

上野山は学生バスケの魅力について、「大学のチームはどこも個性的なチームだし、本当に見ていて面白いです。これを機に、観客の皆さんが大学バスケは面白いかもと思ってくれたら、その瞬間に価値が生まれると思う」と、熱い言葉も残した。

学生全員がプロになるわけでないが、バスケにすべてを打ち込む彼らの熱量を感じにコートサイドへ訪れるのも、日本バスケットボール界における楽しみ方の一つだ。青学OB戦は、そのきっかけを改めて広め、格好の機会になったはずだ。

そして、現役生たちの本番はこれからだ。
青山学院大学は8月26日、第102回関東大学バスケットボールリーグ戦の初戦で日本大学と対戦する。上野山が語った「新しい青学」が、この秋どんな戦いを見せるのか。豪華な先輩たちから受けた刺激を胸に、青学のリーグ戦が始まる。

【青山学院大学・直近のリーグ戦日程】8月26日(水)12:00 vs 日本大学/キッコーマンアリーナ8月29日(土)11:00 vs 白鷗大学/白鷗大学本キャンパス8月30日(日)16:00 vs 明治大学/白鷗大学本キャンパス※試合日程・開始時間などの最新情報は、青山学院大学男子バスケットボール部および関東大学バスケットボール連盟の公式サイトをご確認ください。

文=大橋裕之

元記事で読む
の記事をもっとみる

注目コンテンツ