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横浜に死角はあるのか!?織田翔希の数字から見えた花巻東「攻略の糸口」…準々決勝4試合を読む

  • 2026.8.18

第108回全国高校野球選手権大会は準々決勝を迎える。天理-三重、仙台育英-智弁和歌山、花巻東-横浜、健大高崎-有明。いずれも興味深い組み合わせだが、中でも注目したいのが、絶対的エース・織田翔希を擁する横浜と花巻東の第3試合。

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横浜に死角はあるのか――

今大会の戦いぶりを見る限り、簡単に崩れる姿は想像しづらい。一方で、ここまでの試合を振り返ると、対戦相手がまったく攻略の糸口をつかめていないわけでもない。

まず気になるのが、織田の投球内容だ。ここまで15回2/3を投げ、打者58人に対して被安打7、四球6、死球2、防御率1.15。被安打の少なさはさすがだが、四死球は計8個を数える。

初戦の沖縄尚学戦では8回139球を投げ、6安打を許しながら12奪三振。3四球、2死球も記録した。12三振という数字だけなら圧倒的にも映るが、6安打に5四死球と考えれば、沖縄尚学がまったく手も足も出なかったわけではない。

花巻東が探るべき攻略の糸口も、このあたりにあるように思う。

高めは捨て、四球を取れるところでは取る。ただし、早いカウントで甘く入ったストレートまで見送ってしまえば、追い込まれて織田の球威と変化球に対応しなければならなくなる。高めのボール球を見切る選球眼に加えて、どの球を待ち、どの球なら早いカウントから仕掛けるのか。狙いをどこまで明確にできるかがポイントになりそうだ。

もっとも、横浜の強さは織田一人で説明できるものでもない。むしろ今大会で気になっているのは、織田の投入と打線の爆発が中盤以降に重なっていることだ。

日南学園戦では序盤から1-1の接戦となり、6回裏には無死満塁のピンチを迎えた。横浜はここで織田を投入すると、3人を打ち取って無失点。相手に傾きかけた流れを断ち切ると、直後の7回表には打線がビッグイニングを作った。織田自身も3回を被安打1に抑えている。

霞ケ浦戦では、また違った形で横浜の強さが表れた。

5回終了時点では1-2とリードを許していたが、それまでの攻撃でも先頭打者を出し、送りバントを絡めながら何度も得点圏まで走者を進めていた。霞ケ浦がよくしのいでいた一方、打順が3巡目に入れば、さすがにどこかで捕まるのではないか。試合を見ながら、そんな感覚もあった。

そして迎えた6回。4番・川上慧の安打から江坂佳史が送り、田島陽翔の内野安打で一死一、三塁。霞ケ浦はここで先発・小林から稲山への継投に動いた。

代打・安食琥太郎に四球を与えて満塁となったものの、脇山魁音を三振に仕留めて二死。霞ケ浦としては、あと1アウトまで来ていた。

しかし、9番・千島大翼がうまくライト前へ運んで逆転打。さらに1番・小野舜友が2点適時二塁打で続き、横浜はこの回だけで4点を奪った。霞ケ浦も継投に動き、二死までこぎ着けている。それでも最後のアウトを取らせず、下位打線から上位へつないで一気に試合をひっくり返したところに、横浜打線の怖さがある。

しかも、リードを奪った直後の6回裏からは織田が登板。四球を一つ与えたものの被安打0で、そのまま霞ケ浦の反撃を封じ込めた。

日南学園戦と霞ケ浦戦を並べると、一つの共通点が見えてくる。中盤までロースコアで進んでも、6回前後から試合を動かし、その後を織田が抑える。この2戦の横浜には、そんな勝ちパターンが見えている。

となれば、花巻東が狙いたい展開もある程度見えてくる。

まずは序盤に先行し、ロースコアを維持すること。その上で、横浜打線が3巡目に入る6回前後を継投も絡めながらどう乗り切るか。ここで集中打を許さず、横浜に試合を動かさせないことが大きなポイントになる。

攻撃では、ここまで11打数5安打、4盗塁を記録している花巻東・赤間史弥に注目したい。出塁すれば足を使えるだけに、織田から連打することだけを考える必要はない。四死球でも走者を出し、犠打や盗塁を絡めながら1点ずつ積み重ねる。織田に球数を投げさせながらも、甘く入った球には早いカウントから仕掛ける。そんな攻撃ができれば、横浜相手でも勝機がないとは言い切れない。

それでも予想は横浜としたい。ただし、一方的な展開になるとは思えない。

中盤を迎えてスコアがどうなっているか。そこで花巻東がリードしていれば、横浜もこれまでとは違った終盤を戦うことになる。逆に6回前後で横浜打線がつながり、リードした状態で織田へつなげば、また横浜の勝ちパターンが見えてくる。

この一戦は、横浜打線が3巡目を迎える「6回前後」の攻防に注目したい。

天理-三重 序盤型と後半型、対照的な2校

第1試合の天理-三重は、天理を予想する。

ここまでの戦いを見ると、両校が試合を動かしてきた時間帯には違いがある。後半に打線が勢いを増す天理に対し、三重は序盤から得点して主導権を握ってきた。対照的な2校だけに、序盤から中盤までのスコアが重要になりそうだ。

天理では山中善晴が初戦で3安打1打点を記録し、3回戦でも勝ち越し犠飛と適時二塁打。四死球を足掛かりに走者をため、一気に得点へつなげられるのも天理打線の強みだ。

対する三重では、8打数5安打と好調なリードオフマン・水野央清に注目したい。エース不在の投手陣が継投で天理の中盤以降の攻撃をしのぎ、水野が攻撃の起点となれるか。三重が序盤にリードを奪う展開になれば、天理にもプレッシャーをかけられる。

仙台育英-智弁和歌山 接戦ならベンチワークにも注目

第2試合の仙台育英-智弁和歌山は、仙台育英をわずかに上に取る。

仙台育英では有本豪琉が今大会3試合すべてで安打を記録し、3回戦では3安打。ここまで13打数6安打と好調だ。さらに投手陣の層が厚く、試合展開を見ながら継投できることも強みになる。

一方、智弁和歌山も川原一将が2試合連続でマルチ安打を記録。敦賀気比戦では同点打と決勝打を放った。タイブレークでブルドックシフトを敷き、相手の攻撃を封じた場面も印象に残っている。

投手をどこで代えるのか。バントが予想される場面で守備位置をどう動かすのか。バッテリーがどんな配球で相手の攻撃を断つのか。ロースコアになればなるほど、両ベンチが持つ引き出しの多さも勝敗を左右しそうだ。

健大高崎-有明 終盤まで接戦なら有明にもチャンス

第4試合の健大高崎-有明は健大高崎を予想する。ただ、有明にとっては終盤まで接戦に持ち込めるかが一つのポイントになりそうだ。

有明はここまで3試合連続の逆転勝ち。斉藤遼汰郎も3回戦では急きょ先発を任されながら、9回5安打1失点と好投した。1、2点差のまま終盤へ入ることができれば、3試合続けて試合をひっくり返してきた有明にとって、十分に勝負できる展開になる。

対する健大高崎は、大岩翔斗が3試合連続安打を記録。捕手としても今大会6投手をリードし、チームは3試合で計2失点に抑えている。投手力に加えて足も絡めてくるだけに、序盤から有明守備陣を揺さぶり、先に試合を動かせるかに注目したい。

準々決勝の予想は、天理、仙台育英、横浜、健大高崎。それぞれのチームが自分たちの得意な展開へ、どう試合を運んでいくのかを見てみたい。

中でも花巻東-横浜。横浜打線が3巡目に入り、試合が動き始める中盤を花巻東がどうしのぐのか。そこを越えてなお花巻東が前にいるなら、横浜がこれまでとは違った終盤を迎える可能性も出てくる。

横浜に本当に死角はあるのか。その答えを探しながら、まずは「6回前後」までの戦いに注目だ。

高校野球ウォッチャー・浜風夏人

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