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横浜は“うどん激戦区”だった! 1日で3軒5杯を完食して気づいた、ラーメン級に深い「うどん沼」の正体

  • 2026.4.25

最近、街を歩いていて「うどん屋がやけに行列してるな」と感じること、ありませんか?丸亀製麺やはなまるうどんといった人気チェーン店はもう国民食レベルですが、ここ最近はそこに加えて1杯1,000円前後の“こだわり個人店うどん”がじわじわと存在感を増している気がします。

業界動向サーチのデータでも、うどん・和食チェーンの既存店売上高は2022年から2025年にかけて概ね前年比を上回る水準で推移しており、業界全体として増加傾向。チェーンも個人店も、うどん市場は全体として追い風のなかにあるのは間違いなさそうです。

なぜ今回、東京ではなく横浜なのか?

その中にあって、特に横浜のうどん文化がめちゃくちゃ面白いということに気づいたんです。横浜といえば「中華街・ラーメン・洋食」のイメージが強いですよね。実際、私もそう思っていました。

でも、調べてみると、横浜市のうどん店は食べログ掲載だけで約90店舗あり、ランキング上位には個人経営の名店がずらりと並んでいます。

しかも注目すべきは、関内エリア(馬車道・関内・元町)にその名店が集中していること。今回訪れる3軒はすべて徒歩圏内に収まります。なぜこのエリアに?と不思議でしたが、調べてみると納得の背景がありました。

関内は1859年の横浜港開港によって形成された、横浜開港以来の中心市街地。横浜港が開港して以来、西洋文化を一気に取り込み、アイスクリーム、ビール、ガス燈など、横浜市発祥とされるものが多く存在するエリアです。

つまり「新しい食文化が生まれる街」としての歴史があるんです。この後紹介する「かばのおうどん」が横浜うどん発祥のお店を掲げているのも、こうした土壌があってこそ。「麺処おおぎ」は1970年創業、饂飩頑陣も自家製麺とあご出汁で食べログ100名店入り。老舗と新鋭が同じエリアでしのぎを削る、まさにうどん激戦区なんです。

「観光のついで」ではなく、うどんそのものを目的に横浜に来る価値がある。これを確かめるべく、1日で3軒・計5杯のチャレンジに挑みました。

【11:15】1軒目:饂飩頑陣 本店(馬車道)

饂飩頑陣

HP: https://www.udon-ganjin.com/

スタートは食べログ100名店にも選ばれる名店である、馬車道の饂飩頑陣。1日わずか3時間(11:00〜14:30)の昼営業のみという潔さで、開店15分後に着いた時点で既に行列ができていました。

1杯目:あごだし限定うどん

あごだし限定うどん

着丼した瞬間、透き通った黄金色の出汁に思わず声が出ます。だしソムリエが毎朝、15種類以上の厳選素材で店内仕込みするあご出汁は、一口すするとまず飛魚(あご)の上品な甘み、続いて深い旨味が追いかけてくる二段構え。

塩分の角が全くなく、出汁だけで最後まで飲み干せるやつです。しかも限定には、あおさも乗っており、磯の香りもふわっと口の中で香り出汁をより際立たせます。

豆板醤のようなものも乗っており、辛さも追加されることで、出汁にインパクトが加わり食べ応えも増します。

そして麺。ここが頑陣の本気を最も感じる部分で、尋常じゃない太さとコシ。箸で持ち上げるとずっしり重く、噛むと小麦の香りがブワッと広がるので、喉越しで流し込むというより、「麺を食べている」という確かな手応えがあります。麺の量は200gから500gまで無料で選べるので、迷わず400gをセレクト!

そして、注目してほしいのはこの店の天ぷらです。ここの天ぷらは(も)本気です。衣が薄いだけでなく、サクサク触感を残しながら海老や鳥つくねの火加減も抜群でこだわりが見えます。

2杯目:頑陣天(冷)

頑陣天(冷)

勢いそのままに、看板メニューの頑陣天を冷で追加注文。大海老天・鶏天・ちくわ天がどーんと盛られた、見た目から勝ち確の一杯です。

面白いのが、冷で食べることで麺のコシがさらに際立つこと。あご出汁で温かい麺を味わった直後に、冷水でキリッと締められた同じ麺を食べると、「こんなに表情が変わるのか!」と驚かされます。温は出汁に溶け込む麺、冷は麺の存在感で勝負する麺。同じ店の、同じ自家製麺で、ここまで二面性を見せてくれるのも驚きです。

そして天ぷら。衣はお出汁を吸ってシットリ、海老は大ぶりでプリプリ、鶏天はジューシー。特に鶏天は2個入っていてボリュームも満点。何度も言いますが、天ぷら単体でも完結するレベルなのに、これが麺と絡むと反則的な美味しさになります。

2。この時点で胃は完全にうどんモード。でもまだ2軒残っている……。

饂飩頑陣 本店
神奈川県横浜市中区住吉町6-74 A102/馬車道駅徒歩3分/11:00〜14:30

【13:00】2軒目:麺処おおぎ 大通り公園前・蓬莱町本店(関内)

麺処おおぎ

HP: https://tt-page.com/oogi-honten/

1軒目の頑陣から徒歩圏内の、1970年創業の老舗おおぎへ。関内駅周辺に3店舗を展開しており、蓬莱町本店は年中無休・昼から夜まで通し営業というフレキシブルさがありがたいお店です。

3杯目:豚肉せいろうどん

豚肉せいろうどん

一口食べて、早速頑陣との違いに衝撃を受けます。おおぎの麺は細めの平打ち麺で、つるっとした喉越し重視タイプ。頑陣の剛麺が「噛むうどん」なら、こっちは「すするうどん」。同じ“うどん”という言葉でこんなに別物になるのか、と脳の処理が追い付かなかったです。

つけ汁は玉ねぎと豚肉の甘さとブレンドしたおおぎの出汁で、豚バラの脂が出汁に溶け込んで豚の甘味が際立つ濃厚なつけ汁。冷たい細麺をこの熱々のつけ汁にくぐらせた時の温度差、たまりません。豚の脂が喉を通っていく感覚で、頑陣の和風テイストから一気に振り切ってきた印象です。

4杯目:山かけせいろうどん

山かけうどん

ここで山かけせいろを追加。豚肉せいろの濃厚さの対極で、すりおろした山芋のネバネバが細麺に絡みつく、あっさり・さっぱり路線。出汁のキレがダイレクトに感じられて、「同じ店の、同じ麺でも、具とつけ汁でこんなに違う顔を見せるのか」と感心。

面白かったのは、豚肉せいろ→山かけせいろの順で食べたことで味覚がリセットされたこと。普通なら限界のはずなのに、山かけの軽やかさのおかげでスルッと完食できてしまいました。おおぎの麺の細さが、連食性の高さに繋がっているんだと気づきました。ここで胃は限界の一歩手前。でも、まだ3軒目が残っている……。

麺処おおぎ 大通り公園前・蓬莱町本店
神奈川県横浜市中区蓬莱町1-1-3 関内BELLビル1F/関内駅南口徒歩3分/11:30〜22:00

【13:30】3軒目:かばのおうどん 横浜元町本店(石川町)

かばのおうどん

HP: https://kaba-oudon.com/

最後は関内の隣駅、石川町へ移動。“横浜うどん発祥のお店”を掲げる無添加出汁の専門店かばのおうどん。可愛いカバのロゴに癒されつつ入店します。

5杯目:横浜セット(冷やしうどん)

冷やしうどん

胃のキャパを考えて、締めは冷やしの横浜セットを選択。これが大正解でした。かばのおうどんの哲学は明確で、麺は独自の配合・製法で打ちたて茹でたて、お出汁は添加物を一切加えない、かば天(創作天ぷら)は揚げたてを提供。この3本柱が冷やしうどんだと特にわかりやすいです。

麺は中細でツルッとした食感。頑陣の剛麺でもなく、おおぎの平打ちでもない、第3のタイプが出てきてちょっと感動。無添加出汁は、雑味がないぶん素材の輪郭がクリアに立ち上がってきて、“足し算”ではなく引き算の美味しさを感じます。これまで濃い味を重ねた後の胃に、これが染み渡ります。

天ぷら

そして揚げたての天ぷら

冷たいうどんとのコントラストが最高で、カラッとした衣のサクサク感が、冷麺の喉越しの良さをさらに際立たせます。卓上には「かばの粉(魚粉)」という隠しアイテムがあって、途中でひと振りすると味がガラッと変わります。「同じ1杯のなかで2つの表情を楽しめる」という、カスタマイズ性の高さもリピーターにはうってつけと感じました。

かばのおうどん 横浜元町本店
神奈川県横浜市中区山下町276-2/石川町駅徒歩4分/11:30〜22:00(火曜定休)

5杯食べ終えて気づいた、“うどん沼”の正体

1日で計5杯を食し(※頑陣のあご飯を含めると実質3軒5皿)、正直終盤はお腹との対話でしたが、食べ終えて最大の発見はこれです。

「うどん」というカテゴリーは、実は一つのジャンルではない

  • 頑陣=噛むうどん(極太剛麺×あご出汁。温冷で二つの顔)
  • おおぎ=すするうどん(細平打ち×濃厚つけ汁)
  • かばのおうどん=引き算のうどん(中細麺×無添加出汁×揚げたて天ぷら)

ラーメンで言う「豚骨・醤油・味噌」に相当する振り幅が、うどんにも確実に存在します。しかも今回は横浜エリア3軒だけでこの多様性。日本全国に広げたら、沼はどこまで深いのか。

そしてもう一つ。1日(それも数時間で)5杯でも食べ切れるという事実。けど、もう二度と挑戦しようとは思いません。うどんを約1㎏食べると人は途中で倒れそうになるからです。

ラーメンも5杯も確実に致死量です。ですが、うどんには出汁の違い・麺の違い・温冷の違いで味覚がリセットされる。あれだけ食べてもこんな考えになるまさに“うどん沼”にハマった瞬間だと思います。

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