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大家「家賃10万円上げる!無理なら出て行け」私「了解です♪」→退去当日、大家の態度が一変したワケ

  • 2026.8.17

私は10歳の娘を育てるシングルマザーです。
当時、娘と暮らしていたのは築40年ほどの木造アパート。雨の日には共用廊下に水がたまり、玄関ドアもきしむほど古い建物でしたが、家賃が周辺の相場より安いうえ、私の職場や娘の小学校にも通いやすく、母子2人で暮らすには助かっていました。
ただ、ひとつだけ悩みの種がありました。

それは、60代の男性の大家さん。ほかの住人とは笑顔で雑談しているのに、なぜか私にだけ態度がきつく、顔を合わせるたびに嫌みを言われることも……。

そんなある日、その大家さんから突然、信じられないことを告げられたのです。

突然の家賃10万円アップ宣言

ある日の夕方、外出先から戻ると、アパートの前に大家さんが立っていました。

私の姿を見るなり、「おい、ちょっと」と呼び止めてきた大家さん。その表情を見た瞬間、私は嫌な予感がしました。

すると、大家は唐突にこう言ったのです。

「来月から家賃を10万円上げる! 払えないなら出ていけ!」

あまりにも突拍子のない話に、私は一瞬、何を言われたのかわかりませんでした。

「え……10万円ですか?」

ただでさえ古いアパートなのに、翌月からいきなり10万円もの値上げをすると言われても、簡単に納得できるはずがありません。そもそも、大家さんに一方的に言われただけで、すぐにその金額を支払わなければならないとも思えませんでした。

ところが大家さんは、私を見下すような口調で、「母子家庭なら手当だってもらってるんだろ? それくらい余裕で払えるんじゃないのか?」と続けてきました。

手当はもらっていましたが、それでも生活に余裕があるわけではありません。むしろ、娘との生活を守るために毎月やりくりしていた私にとって、聞き捨てならない言葉でした。

その場では「考えさせてください」と言って部屋へ戻りましたが、私の気持ちはすっかり冷めていました。

すると、大家さんとのやり取りを近くで聞いていた娘が、「ママ、もうここじゃなくてもいいんじゃない? もっと安心して暮らせるところに行こうよ」と言ったのです。

まだ10歳の娘に心配をかけてしまったことが申し訳なく感じられる一方、その言葉で私の気持ちは決まりました。

「そうだね。引っ越そうか」

家賃が安いからと我慢してきましたが、これ以上大家さんの言動に振り回されながら暮らす必要はないと思ったのです。

私たち親子を追い出したかった理由

それから数日後、同じアパートに長く住んでいる女性と立ち話していた私。

大家から家賃の値上げを告げられたことを話すと、その女性は驚いた顔をして、「やっぱりあなたにそんな話をしたのね……」と言いました。

詳しく聞くと、大家は近いうちに自分の孫夫婦をアパートへ住まわせたがっているそう。そこで、私の部屋を空けようとしているのではないか、と言うのです。ほかの住人には大幅な家賃値上げの話など出ていないとのことでした。

もちろん、それだけで大家の本当の目的を断定することはできませんでした。それでも、私にだけ突然10万円もの値上げを持ちかけてきたことを考えると、どうしても疑問が残ります。

私は家賃の値上げに応じず、契約内容を確認したうえで退去することを決意。後日、大家さんのもとへ行き、「その金額への値上げには応じられません。ちょうどいい機会なので、退去します」と伝えました。

すると大家は、一瞬だけうれしそうな表情を浮かべたのです。

「そうか、そうか。出ていくならそれでいい」

その反応を見て、私は「やっぱり私たちに出ていってほしかったのかもしれない」と感じました。

大家の誤算

そして、引っ越し当日――。

娘と荷物を運び出し、私は長年暮らした部屋を空にしました。すべての荷物を運び終え、部屋の確認や鍵の返却をするために大家さんを待っていると、若い男女がやってきました。どうやらその2人は、大家さんの孫夫婦だったようです。

退去後の部屋を見せる予定だったらしく、大家さんは私たちに構わず上機嫌で2人を室内へ案内しました。孫夫婦は事前に部屋の写真を見せてもらっていたそうですが、実際に中を見るのはこの日が初めてだったようです。

ただ、事前に見せてもらっていたのは、かなり前に撮られた写真だったようで、しばらくすると室内から戸惑ったような声が聞こえてきたのです。

「え……壁のシミ、こんなにひどかったの?」

「天井にも雨漏りしたような跡があるし、ちょっとカビ臭くない?」

長年暮らしていた私にとっては見慣れた光景でしたが、初めて部屋をじっくり見た孫夫婦にとっては、かなり衝撃的だったよう。築年数が古いだけならまだしも、十分に修繕されていない箇所もありました。

やがて部屋から出てきた孫夫婦は困ったような顔をして、「ごめん。ここに住むのは無理だよ。別のところを探す」とはっきり断っていました。

それまで得意げだったのに、すっかり黙り込んでしまった大家さん。孫夫婦が去り、私が鍵を返すため話しかけると、慌てたようにこんなことを言ってきたのです。

「ちょっと待て! 引っ越しを取りやめられないか? 家賃は今までのままでいい」

あれほど「払えないなら出ていけ」と言っていた人とは思えない変わりよう。しかし、私の気持ちはすでに決まっていました。

「いえ、もう新居への引っ越しも終わっていますので」

そう伝え、娘と一緒にアパートを後にしました。

その後、新たな環境で生活を立て直した私たち。大家さんと顔を合わせるたびに嫌な思いをしていたころと比べると、娘と落ち着いて過ごせる環境を選んで本当によかったと思えました。

後になって、以前から親しくしていたアパートの住人から聞いた話では、私が使っていた部屋にはなかなか次の入居者が決まらず、大家は募集条件を見直したそうです。家賃を大幅に下げたものの、その後もしばらく空室が続いているとのことでした。

◇ ◇ ◇

大家から家賃の値上げを求められても、大家が一方的に告げた金額で直ちに家賃が確定するわけではありません。納得できない場合は、契約内容や値上げの根拠を確認し、必要に応じて専門機関へ相談することが大切です。

理不尽な要求をきっかけに住環境そのものを見直すのもひとつの選択肢。今回は最終的に退去を選びましたが、それは「大家に言われたから出ていかなければならなかった」のではなく、娘との暮らしを考え、自分自身で新しい環境を選んだ結果でした。

住まいは、毎日の生活の基盤となる大切な場所です。理不尽な要求や嫌がらせに悩んだときこそ、自分にどのような選択肢や権利があるのかを確認したうえで、より安心して暮らせる道を選びたいものですね。

※本記事は、実際の体験談をもとに作成しています。取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。


著者:ライター ベビーカレンダー編集部/ママトピ取材班

ベビーカレンダー編集部

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