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一人が好きだけど友達がいる子と、ほんとに孤独な子の違い

  • 2026.8.15
Credit:OpenAI,ナゾロジー編集部

休み時間になると、友達の輪に加わらず、一人で本を読んだり、自分の好きなことをして過ごしたりする子がいます。

こうした姿を見ると「友達がいなくて寂しいのでは」と心配になりますが、一人で過ごすことを好むことと、孤独を感じていることは必ずしも同じではありません。

同じように一人で過ごしがちな子どもでも、ちゃんと友達とも必要に応じて交流できる子と、友達が出来ず孤独を感じている子では何が違うのでしょうか。

米国ジョージア大学(University of Georgia)のレイチェル・A・ファンズ(Rachael A. Pfanz)氏らは、小学4・5年生473人を対象に、一人で過ごしがちな傾向と、本人が感じる友人・仲間とのつながりとの関係を調べました。

その結果、重要だったのは「一人でいるかどうか」ではなく、本人が「仲間との繋がりを大切だと思っているか」という考え方の違いだったのです。

研究の詳細は、2026年6月24日付で学術誌『The Elementary School Journal』にオンライン掲載されています。

目次

  • 「一人でいる子」は本当に孤独なのか?
  • 一人が好きでも「人とのつながり」を大切にする子は孤独を感じない

「一人でいる子」は本当に孤独なのか?

この研究を理解するうえで、まず区別しておきたいことがあります。

研究者たちが調べたのは、単純に「友達が何人いるか」でも、「人付き合いが嫌いか」でもありません。

研究の前提にあるのは、子どもが仲間との交流から離れて一人で過ごすようになる理由は一つではない、という考え方です。

友達と関わりたいのにうまく輪に入れない子もいれば、周囲との関係には大きな問題がなくても、一人で遊ぶほうを好む子もいます。

そこで研究チームは、後者のような「一人で過ごすことを好み、仲間との交流は控えがちな傾向」に注目しました。

論文ではこれを「unsociability(非社交性)」と呼んでいます。

この傾向については、本人の自己申告だけでなく、同じ学校生活を送っているクラスメイトからの評価も使われました。

つまり、「自分は一人が好きだと思っている」という本人の認識だけではなく、周囲の子どもから見ても一人で行動しがちな傾向があるかを確認しています。

その上で、一人で過ごしがちな本人に、その状態をどう感じているか尋ねました。

ここで論文が測ったのが、dyadic dissatisfaction(1対1の友人関係が満たされていない感覚)と、network dissatisfaction(仲間集団とのつながりが満たされていない感覚)の2つです。

これらの感覚が満たされていないと、「親しい友達がいない」「クラスに居場所がない」などの孤独を感じている状態と評価できます。

そして研究者たちは、ここでもう一つの要素を追加で調査しました。

それが、「自分がクラスの仲間の一員であることを、どれほど大切だと考えているか」です。

研究者たちの仮説は、一人で過ごしがちな傾向と孤独な感覚との関係が、この「所属を大切だと思う気持ち」によって変わるのではないか、というものでした。

一人が好きでも「人とのつながり」を大切にする子は孤独を感じない

分析すると、興味深い違いが現れました。

「自分がクラスの仲間の一員であることは自分にとってそれほど重要ではない」と答えた子どもでは、一人で過ごしがちな傾向が強いほど、1対1の友人関係についても、仲間集団との関係についても、つながりが満たされていないという、孤立感や孤独感が強い傾向が見られました。

ところが、「自分がクラスの仲間の一員であることは大切だ」と考えている子どもでは事情が違いました。

その場合、一人で過ごしがちな傾向が強くなっても、友人関係や仲間集団との関係について感じる不足感は特に確認されなかったのです。

つまり、外から見れば同じように一人で過ごしているように見えても、その意味は同じではなかったのです。

では、なぜ「人とのつながりを大切だと思うこと」が、このような違いにつながったのしょうか。

研究チームは一つの可能性として、一人で過ごすことを好む子でも、所属を大切だと思っていれば、友達からの誘いをすべて断るのではなく、ときには誘いを受け入れて交流を続けるのではないかと考えています。

その場合、一人で過ごす時間を持ちながらも友人関係は維持され、「今日は一人でいたい」と断ったとしても、別の機会では誘いに乗って関係を保てる可能性があります。

しかし、仲間として所属することを大切に考えない子の場合、誘われても常に参加を拒む可能性があり、結果的に孤立を深める可能性があります。

所属を重要と考えないというのは、例えば、学生時代にクラスの仲間たちを見て「群れてバカみたい」「一人じゃ何も出来ない人たち」というような捉え方をして、体育祭や文化祭などでみんなが協力して何かをしようという場合でも、一切参加を拒んでしまう、というような感じだとイメージするとわかりやすいかもしれません。

今回の研究で重要なことは、一人でいることと、孤独であることは同じではなく、その背景にどんな意識の違いが関連するかを示した点です。

一人でいることを好む子が、それでも孤独にならずにいられる条件は何なのかを探った研究だと捉えると、その意義が見えやすくなるかもしれません。

参考文献

Beliefs about belonging and community create safe space to play solo, new study suggests
https://news.uga.edu/unsocial-kids-may-be-happier-than-you-think/

元論文

Belief in the Importance of Belonging Mitigates the Negative Effects of Unsociable Withdrawal
https://doi.org/10.1086/742021

ライター

相川 葵: 工学出身のライター。歴史やSF作品と絡めた科学の話が好き。イメージしやすい科学の解説をしていくことを目指す。

編集者

ナゾロジー 編集部

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