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千葉県を襲った想定外の大雨リポ【みんなの防災】

  • 2026.8.14

ニッポン放送報道部畑中デスクのニュースコラム「報道部畑中デスクの独り言」(第483回)

■お盆休みに自然が牙をむく

8月13日夜、千葉県が記録的大雨に見舞われ、千葉市など22市町にレベル5大雨特別警報、同じく千葉市など6市にレベル5土砂災害特別警報が発表されました。特別警報は翌日早朝まで続きました。一夜明けて少しずつ被害状況が明らかになっており、千葉県などによると、14日昼の時点で4人が死亡、1人が心肺停止になっています。この中で、佐倉市では66歳の女性が冠水した道路で車に閉じ込められて死亡するなど、冠水による被害が目立っています。

国道14号は冠水の中、渋滞が続いていた(8月14日午前0時過ぎ撮影)※一部加工しています

この日は関東地方を中心に大雨に見舞われ、当初は埼玉、東京を中心に大雨・土砂災害・氾濫の「レベル4危険警報」が相次いで出されていました。この情報は自治体が避難情報を発表する目安となるものですが、危険警報を基に避難指示などを出している自治体はそれほどありませんでした。私はこの日、午前デスクを終えて、午後には各種警報が相次いだことから、デスク補助を務めました。夕方になって千葉県の市原市、市川市に避難指示が出され、文字通り「雲行き」が怪しくなっていきます。そして午後7時半ごろ、千葉県に大雨特別警報の発表となりました。五月雨的に土砂災害特別警報も追加。線状降水帯も発生し、首都圏で千葉県は「ピンポイント(大きなピンですが)」でレベル5相当の情報が出されるという状況でした。

雨量は千葉市中央区で13日夜、1時間に115ミリで、平年の8月1か月分とほぼ同じ数値、佐倉市では3時間で189.5ミリの雨が降り、この地点での観測最上最大になりました。

■特番取材で現地へ……、雨脚、閃光、冠水、放置された車両

ニッポン放送では14日午前0時から特別番組を放送することになり、私は現地リポートのため、深夜、車で千葉の取材に向かいました。京葉道路で一之江を過ぎ、千葉県に入ると雨脚が強まってきます。また、雷の閃光が何回も見られました。また、サイレンも所々で鳴っており、何らかの災害対応で奔走していたとみられます。午後11時に入ったのは船橋市。JR西船橋駅周辺の雨は小降りでしたが、周辺を取材すると午後7時ごろにはたたきつけるような雨が降っていたということです。飲食店は営業中の所もあり、客もそこそこ入っていました。一方、タクシー乗り場には約50人が行列をなしていました。駅周辺で仕事を終えて待っていた女性は「いままで見たことないぐらいの雨の量、雷もずっと鳴っていた。ロータリーにある横断歩道では足首ぐらいまで水が浸かっていた」と話していました。雨に備えて長靴だったものの、中まで濡れてしまったそうです。駅前のカラオケ店は豪雨の時間には雨宿りもかねて客でいっぱいになったとのこと、一度客は減ったものの、深夜になってまた増えてきました。ただ、従業員は交代の時間で「帰れるかな」と不安そうに話していました。

その後、国道14号、通称「千葉街道」で車を南に走らせます。習志野市内はコンビニやラーメン店の看板も灯っていました。一方で千葉市内に入ると、一段と雨脚が強まり、大粒の雨がたたきつけ、「豪雨一歩手前」という状況になります。路面はこの時点でも10cm程度冠水し、前方の軽のワンボックスカーがゆっくりしたスピードながら水しぶきを上げて走っていきます。花見川区から中央区に入ると、午前0時を過ぎて片側二車線の道路は大渋滞、一時全く動かなくなります。一帯は路肩と中央分離帯を街路樹が覆っているため、車のライトを頼りに進みましたが、幸い、信号は点灯していました。ただ、周辺には真っ暗の建物も見られ、建物によって停電が発生していた可能性があります。

特別番組では安全を確保した上で、電話によるリポートを行いました。渋滞は原因不明ながら収まる気配がありません。雨脚も依然弱まらず、細心の注意を払いながら、このままでは立ち往生する危険があると考え、渋滞から離脱して道一つ外れた団地群のある地域に入ります。深夜の暗闇の中ではありましたが信号は点灯、コンビニも細々と営業していました。店の自動ドア前にあるマットはぐっしょり濡れており、雨風が激しかったことがうかがえます。団地をみると、踊り場の照明はついていました。ただ、この時点で千葉市では2万軒以上が停電していたということです。不安な夜を過ごされたことと思います。

特に目についたのは路上に無造作に放置された車両が多かったことです。豪雨による冠水で動かなくなったとみられます。車は一般に水深30~40cmでエンジンが停止する可能性があると言われており、路上は当時その高さまで浸水していた可能性があります。防水性に配慮されているものの、ハイブリッド車の乗り捨ても目立ちました。

冠水の状況

■「台風一過」とはもはや呼べない時代に

千葉県で大雨特別警報が発表されたのはこれが初めて。また、5月に新しい防災気象情報の運用が始まってからの「レベル5大雨特別警報」もこれが初めてということです。さらに、関東の大雨特別警報は伊豆諸島を除けば、2015年の関東・東北豪雨で栃木・茨城・宮城各県に発表されて以来のことです。

気象庁によると、「縁辺流」と呼ばれる日本の東にある高気圧の縁を回る暖かく湿った空気と本州上空6000mにある-6度以下の寒気により大気の状態が不安定になったことが主な原因とされています。午前中から雨雲が流れ込んでいたことから大雨は予想されたものの、雨雲が一カ所に停滞することは予想できなかったということです。

折りしも週の前半には台風15号が茨城県に上陸、関東を横断しました。幸い大きな被害はなかったのですが、その後も大気の状態が不安定になるため、警戒が呼びかけられてはいました。しかし、台風が過ぎるとどうしても心理的な影響を与えます。こうした心理のすきを襲った今回の災害であったと言えるかもしれません。

今回は真夜中のわずかな時間を切り取った取材でしたが、最近は台風中心だけでなく、中心から離れた雨雲が豪雨をもたらすケースも珍しくなくなりました。もはや「台風一過」とは安易に呼べない時代であると改めて感じます。

(了)

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