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花火大会で場所を横取りした家族、5分後に示された映像

  • 2026.8.10
ハウコレ

屋台から戻ると、場所取りに敷いていたはずのレジャーシートが、通路の脇に畳んで置かれていました。相手の母親は、私が何を言っても笑っていました。けれど、隣でスマホを構えていた男性が歩み寄ってきた瞬間、周りの視線が一斉にこちらへ集まりはじめます。

毎年の場所取り

娘が生まれてから、この花火大会には家族3人で毎年来ています。今年は私が先に河川敷へ行き、土手の見やすい一角にシートを敷きました。四隅を石で押さえ、保冷バッグとタオルを置いて、目印としては足りると思っていました。合流した夫と娘と屋台を回って戻るまで、30分もかかっていません。それなのに、シートのあった場所には知らない家族連れが座っていました。通路の脇に畳まれたシートの上には、私の保冷バッグとタオルが重ねて置いてあります。

「証拠ある?」

「ここ、シートを敷いていたんですが」と声をかけると、母親らしき女性が顔だけをこちらへ向けました。「来たときには何もありませんでしたけど」。夫が通路の脇を指さしても、「知りません。落ちてたんじゃないですか」と取り合いません。警備の人を呼ぶべきか、呼んだところで打ち上げに間に合うのか、考えばかりが空回りします。娘が私の手を強く握り直したので、私は一度言葉を切りました。すると女性は、周りに聞こえる声で笑ったのです。「証拠ある?」隣のシートの人たちは、みんな目を伏せていました。

隣にいた男性

そのとき、隣で三脚にスマホを固定していた若い男性が立ち上がり、こちらに近づいてきました。「映ってますよ。シートを畳むところから、全部」差し出された画面の中では、あの女性がシートの石をどけて畳み、通路へ運んでいくところが流れていました。画面の端を、見ている人の書き込みが次々と流れていきます。会場の様子をずっと配信していたのだそうです。女性は映像と周りの顔を順番に見て、それきり口を閉じました。父親らしき男性が「おい、もう行くぞ」と子どもたちの荷物を抱え上げました。

そして...

家族連れが土手を下りていくと、周りの人たちがシートを敷き直すのを手伝ってくれました。男性は「大ごとにするつもりはないんで」と笑って、三脚の前に戻っていきます。打ち上げが始まるころには、娘は焼きそばを頬張って、さっきのことを忘れた顔をしていました。見上げた空に大きな一輪が開いて、隣で夫が缶のお茶を開ける音がしました。

(30代女性・会社員)

本記事は、ハウコレ読者への独自アンケートに寄せられた実体験をもとに制作していますが、個人が特定されないよう、一部設定を変更しています。

(ハウコレ編集部)

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