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「自分がいい母親って思われたいだけ」と言い放った息子。習い事に熱を入れるのは誰のため?【著者インタビュー】

  • 2026.8.8

【漫画】本編を読む

「我が子のためなら、なんでもしてあげたい」この気持ちは、親として自然なものだろう。しかし、その愛情ゆえの行動が、いつの間にか子どもを苦しめる“呪縛”に変わってしまうとしたら……。

『勝たないと意味がないでしょ? ~全部あなたのため・母の呪縛~(幸せの裏側シリーズ)』(みほはは/KADOKAWA)は、息子のスイミングのサポートに全力を注ぐ専業主婦・可奈の物語だ。スクール内で選抜された「選手コース」で、息子の想太がトップになったことをきっかけに、可奈の情熱は次第にエスカレート。やがて想太の心を少しずつ蝕んでいく。そして可奈は、「息子のため」と信じて疑わなかった行動が「全て自分のためだった」という現実に直面する。

子どもを信じて任せることと、親として全力でサポートすることのバランス。そして、ママ友との軋轢、夫婦のすれ違い。自身の体験から着想を得ながら、現代家族の悩みを描いた本作について、著者のみほははさんに話を伺った。

――本作には、みほははさんご自身が息子さんの習い事で得た体験や見聞きしたことをエッセンスとして取り入れていると伺いました。中でも、当時の印象的なエピソードがあれば教えてください。

みほははさん(以下、みほはは):作中には、息子のスイミングに熱を入れる母親に対し、息子が「自分のためだろ」「自分がいい母親って思われたいだけ」と言い放つシーンがあります。

私が「息子の習い事に熱を入れるのは自分のため」と気づいたのは、スイミングスクールで他の親御さんが熱心にお子さんを応援する姿を遠目から見たときでした。周囲の様子や、自分を客観的に見たことで「どうして私は、こんなにも必死なんだろう」と、ふと思ったんです。そこから、「私は息子が勝ったときに、他の子のお母さんから『息子くんすごいね』と褒められたいんだな」と自覚するようになったんです。

――主人公がママ友に「子どもの人生は子ども自身のものだよ」と言われたり、息子から「俺の人生はお母さんのものじゃない」と言われたりするシーンは、描きながらグサッとくる部分もあったのでしょうか。

みほはは:このようなシーンも実体験から描きました。私の息子が通っていた水泳教室とは別のスクールのコーチに、「子どもの人生は、子どものものですよ。お母さんが決めるものじゃないんです」と言われたときに、すごくハッとしたんです。私が、自分の人生と子どもの人生を一緒にしていたことを、その方は見抜いていたんだろうなと思い、本作にも取り入れました。

当時を振り返ると、下の子もまだ小さく、私は働いていなかったので、自分が「◯◯くんのお母さん」という存在でしかなかった。今思えばすごく変な話ですが、子どもの功績は自分の功績だと思っていたんです。

そのコーチの言葉を受けて、子どもが褒められたことで喜ぶのではなく、自分自身がやったことで褒めてもらえるような人生にしたい、と思うようになりました。

取材・文=松本温美

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