1. トップ
  2. カルチャー・教養
  3. 【自由研究に直結】セミの声が減った理由を“親子で科学する夏”へ

【自由研究に直結】セミの声が減った理由を“親子で科学する夏”へ

  • 2026.8.7
cocreco講談社cocreco

しかし温暖化で暑くなると、彼らの生息地は狭まります。

とくに本州の個体群は、より高地でしか見られないようになりつつあります。ほかにも登山客の踏み荒らしによる食草の減少などが、ベニヒカゲをおびやかしています。

冷涼な地域に住む蝶は、気温の変化に最も敏感な昆虫のひとつです。チョウは温度や湿度に敏感なため、気候変動の影響を受けやすいのです。

地球温暖化により、南方系の種類は北上して分布を拡大していますが、ベニヒカゲのような北方系の種類は分布域が狭まりつつあります。

それではセミの場合はどうでしょう?

cocreco講談社cocreco

しかし、これらの地域も温暖化の影響を受けています。

・幼虫が地中で高温や乾燥に耐えられない

・成虫が活動できる期間が短くなる

コエゾゼミが住みやすい環境はどんどん減ってきています。涼しい森を賑わす鳴き声の1つが消えることは、生態系の異変を示す“警告音”なのです。

じつはミヤマクワガタより影響を受けているクワガタも存在します。

ひとりぼっちのCO₂・ニコといっしょに、温暖化の地球を冒険できる!

日本の夏といえば、クワガタの姿やセミの声が当たり前でした。でも今、山に入ると“違和感”を覚えます。

昆虫の気配が薄い。音が少ない。種類が減っている。

これは気のせいではありません。日本の在来種が、静かに、しかし確実に姿を消しつつあります。

たとえばこの写真のクワガタ、わかりますか? 僕の大好きなミヤマクワガタです。このクワガタが実は消えてしまうかもしれません。

cocreco講談社cocreco

ベニヒカゲ──「冷涼な地域のチョウ」が生息地を狭める

ミヤマクワガタはノコギリクワガタなどの身近なクワガタムシに比べて、冷涼な森を好む種類です。ところが近年、山の気温が上がりすぎて、数が少なくなっています。

・気温が上昇

・幼虫が育つ場所が乾燥して崩れる

・生息地の開発

こうした変化が重なり、「むかしはふつうにいた場所」から消えてしまいました。

以前は標高が低い場所や西日本でも、ミヤマクワガタを簡単に見つけることができました。しかし最近は見つけるのがどんどん難しくなってきているように感じます。

今はまだ山地や北日本では比較的簡単に見つけることはできますが、それでも個体数は減っていると感じます。

日本の昆虫が減ると、何が起きるのか?

ヒメオオクワガタは、日本の冷涼な山地に生きる固有種です。ミヤマクワガタよりさらに寒冷地を好むため、より温暖化の影響を強く受けています。

・幼虫の生育場所となる立ち枯れや倒木の乾燥による環境の悪化

・成虫が活動できる気温の範囲が狭い

・山地の森林が減少

ヒメオオクワガタはクワガタムシの中でも急激に減っている種で、15の府県でレッドリストに指定されています。

cocreco講談社cocreco

日本では36種のセミが知られています。セミの仲間は南方系の種類が多いですが、本州や四国の高地や北海道には北方系のコエゾゼミが生息しています。

コエゾゼミ──数少ない北方系のセミ

ほかにも日本の在来種がどんどんいなくなる可能性を秘めています。

cocreco講談社cocreco

『あちちち地球とだいじなやくそく! ニコとサクの大冒険』

発売日:2026年2月24日

定価:1870円(税込)

ミヤマクワガタ──「冷涼な森の王者」が消えるスピード

※セミナー公開後は、アーカイブ視聴も可能です(~2027年8月31日まで)

cocreco講談社cocreco

『あちちち地球とだいじなやくそく! ニコとサクの大冒険』

発売日:2026年2月24日

定価:1870円(税込)

【夏休み宿題超応援! 無料オンラインセミナー開催】

キッズウィークエンド主催、絵本をテーマにした無料オンラインセミナーが開催決定! 自由研究と読書感想文を一気に攻略しちゃおう!

①自由研究セミナー

タイトル:キミの「なんで?」が未来のチカラ☆自由研究アイデア大作戦

日時:2026年7月30日(木)19:00~20:00

②読書感想文セミナー

タイトル:じつは自由でおもしろい!? キミの読書感想“文”大作戦★

日時:2026年8月5日(水)19:00~20:00

ベニヒカゲは、日本国内では本州の高地と北海道のみに分布するチョウで、長野県と群馬県では天然記念物に指定されているほど貴重な種類です。

彼らは冷涼な草原などに住んでいます。

【著者プロフィール】

牧田 習(まきた しゅう)昆虫ハンター。農学博士。1996年、兵庫県生まれ。オスカープロモーション所属。2015年、北海道大学理学部卒業、2025年3月東京大学大学院農学生命科学研究科同大学院博士課程を修了。昆虫ハンターとして、世界15ヵ国を巡り、NHK『ダーウィンが来た!』などテレビ出演のほか、連載執筆、イベント登壇など幅広く活動中! 甲虫類などの新種を9種発見。最新情報は牧田習のインスタグラム・Xをチェック!(アカウントはともにshu1014my)

昆虫が減ると、

・樹木の受粉が減る

・鳥や小動物の餌が減る

・森の分解サイクルが崩れる

・生態系全体が弱る

つまり、昆虫→植物→動物→人間という“生命の連鎖”が崩れ始めます。

昆虫がいなくなるというのは、「夏の思い出が減る」どころではなく「日本の自然そのものが変わってしまう」ということです。

次回は、日本だけでなく、世界の昆虫たちがどうなっているのか“現場のリアル”をお伝えします。

〈第2回へつづきます〉

ヒメオオクワガタ──「日本固有のクワガタ」が消える危機

cocreco講談社cocreco

300人の小学生と一緒に作った、温暖化の基礎から昆虫・植物・海の問題まで「子ども目線で分かる」大人気科学絵本! 国連メディアコンパクト「1.5℃の約束」初の公式認定絵本です。

この本をお題に開催した牧田習先生のセミナーアーカイブも公開中。クイズに挑戦してみよう!

cocreco講談社cocreco
元記事で読む
の記事をもっとみる

注目コンテンツ