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165cm×185cm、身長差20cmの凸凹男子カップルが積み重ねる愛おしい日々。そしてふたりが選んだ道は? 『165185』が第4巻にて遂に完結!【書評】

  • 2026.8.6

【漫画】本編を読む

『165185』(野良おばけ/KADOKAWA)は、身長165cmの日下部誠と185cmの遠山聖という、身長差20cmの男性同士のカップルが、少しずつ恋人として距離を縮めていく日々を描いたラブストーリーだ。派手な事件や劇的な展開ではなく、「好きな人と一緒にいる時間」の尊さを積み重ねていく作品である。

高校の卒業式。誠は、ずっと憧れていた聖へ思いを伝えるだけのつもりで告白する。しかし、伝えられれば十分だったはずの告白は、予想外にも成功してしまう。かくして恋人同士になったふたりは、日々の何気ないコミュニケーションを重ね、お互いのことを少しずつ知りながら距離を縮めていく。

ふたりの恋愛を「特別なイベント」のオンパレードではなく、「日常」として着実に描いている点が本作の魅力だろう。デートや記念日だけではなく、一緒にご飯を食べること、沈黙の時間を共有すること、見つめ合うこと。そんな時間が、恋人になったことで少しずつ意味のあるものへと変わっていくのだ。その繊細な感情表現が尊くて心地がよい。

そして完結となる第4巻では、ふたりがいよいよ同棲生活をスタートさせる。生活リズムや家事のルールなど、ともにスタートした新生活での日常を築きながら、互いを思いやる姿が微笑ましい。また、高校時代の誠の恋心が描かれた過去のエピソードも収録されており、「なぜ誠は聖に惹かれたのか」という物語をより深く楽しめる部分にも触れられる。シリーズを締めくくるにふさわしい、心が温かくなる読後感を期待してほしい。

ふたりの間には大きな誤解も過剰なすれ違いもない。それでもずっと彼らを見ていたくなるのは、恋人同士が少しずつ相手を知り、理解し合っていく過程そのものが何より愛おしいからだろう。「好き」という気持ちは、一緒に過ごす時間のなかで少しずつ育っていく。本作は、そんな恋愛から感じる幸せそのものを描いている。優しいラブストーリーを楽しみたい人に、ぜひ手に取ってほしい作品だ。

文=富野安彦

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