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「距離近くない?」同じ列で待ってるイライラしている男。だが、私の笑顔の対応で状況が一変

  • 2026.8.7

背中に感じた、妙な圧

休日の昼下がり、私は夫と近所のドーナツチェーン店に立ち寄りました。ショーケースには色とりどりのドーナツが並び、どれにしようかと二人であれこれ相談していたんです。

「新作のチョコ、おいしそうだね」

「私はやっぱり、定番のオールドファッションかな」

そんな他愛のない会話をしながら、どのドーナツを箱に詰めるか、ゆっくり吟味していたときのことです。

ふいに背中のあたりに、妙な圧を感じました。振り返ると、六十代くらいの男性が、すぐ後ろに立っていたのです。

その距離が、とにかく近い。ほとんど背中にぶつかりそうな勢いで、明らかにいらいらした様子で、こちらをじっと見ています。

(距離近くない?)

よほど急いでいたのかもしれません。けれど、あまりの近さに、私は思わず身をすくめてしまいました。

隣の夫も、その圧を感じ取ったのでしょう。そっと肩を引いて、居心地悪そうにしています。楽しかったはずの買い物の空気が、じわりと張り詰めていくのが分かりました。

笑顔で譲ったら、空気がゆるんだ

正直、少し怖いな、と思いました。でも、私たちは特に急いでいたわけではありません。

ここで張り合っても、いいことなんて一つもない。そう考えて、私は男性のほうへ体を向け、できるだけ穏やかに笑いかけました。

「お先にどうぞ」

男性は一瞬、驚いたように目を見開きました。それから、少しばつが悪そうに、

「どうも」

と短く言って、私たちの前へと進んでいったのです。

その一言を境に、あれほど尖っていた男性の雰囲気が、ふっとやわらいだのが分かりました。

レジで店員さんに注文するときも、はじめは不機嫌そうでしたが、去り際にはほんの少しだけ、表情がゆるんでいたように見えたんです。

強く出られると身構えてしまうけれど、こちらが一歩引くと、相手も肩の力を抜くのかもしれません。

「ちょっと怖かったね」

「うん。でも、譲ってよかったかも」

「変に言い返してたら、せっかくの休みが台無しだったよ」

夫とそんなふうに小声で笑い合いながら、私は自分でも意外なほど、清々しい気持ちでいました。

あのとき、負けたくない一心で張り合っていたら、きっとお互いに嫌な気分のまま、後味の悪い一日になっていたはずです。

強く言い返すことだけが、正解じゃない。ほんの少しの余裕と笑顔が、張り詰めた空気を、こんなにもやわらかく変えてくれる。

腹を立てて損をするより、さらりと譲って得る心地よさのほうが、ずっと大きいと知りました。ささやかだけれど、確かに気持ちのいい出来事でした。

※GLAMが独自に実施したアンケートで集めた、30代・女性読者様の体験談をもとに記事化しています

※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。

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