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「薔薇は60本、王冠も用意したのよ」還暦祝いに真っ赤なドレスで現れた義母。思わぬ姿に驚いた瞬間

  • 2026.8.5

家族のグループチャットに届いた招待

義母が60歳の還暦を迎える少し前、家族のグループチャットにメッセージが届きました。

「記念写真を撮ることにしたから、日曜日の11時にここへ来てね」

添えられていたURLを開くと、町の写真館の案内ページが表示されました。

還暦の記念に、息子や孫たちと家族写真を撮りたいのだろう。私はそう思い、夫と予定を確認しました。

しばらくすると、義母からもう一通メッセージが届きます。

「薔薇は60本、王冠も用意したのよ」

冗談なのか本気なのか分からず、私は思わず夫の顔を見ました。

「母さん、こういうイベントが好きだからな」

夫は驚く様子もなく笑っています。

私が想像していたのは、赤いちゃんちゃんこを羽織った義母を囲み、家族で一枚だけ記念写真を撮るような、昔ながらの還暦祝いでした。

ところが義母からは、さらに念を押すように連絡が届きます。

「せっかくだから、みんなも少しきれいな格好で来てね」

当日、私は子どもたちに襟付きの服を着せ、夫と一緒に写真館へ向かいました。

スタジオの中央に立っていた義母

予約時間に写真館へ入ると、スタッフの方が笑顔でスタジオへ案内してくれました。

扉の先に立っていた義母を見て、私は思わず足を止めます。

義母が着ていたのは、鮮やかな赤色のロングドレスでした。肩には華やかな飾りが付き、頭には宝石風の装飾が輝く王冠が載っています。

さらに、両腕には真っ赤な薔薇の花束を抱えていました。

「どう?還暦なんだから、これくらい派手でもいいでしょう」

義母は少し照れたように笑っています。

普段の義母は、落ち着いた色の服を好む人です。目の前の華やかな姿との落差に、私はすぐに言葉が出てきませんでした。

「すごいね、おばあちゃん。お姫様みたい」

最初に声を上げたのは、子どもでした。

その一言を聞いた義母は、うれしそうに花束を抱え直します。

「今日はおばあちゃんが主役だからね」

義母はそう言って、子どもたちを自分の隣へ招きました。

撮影が始まると、義母一人の写真だけでなく、夫との親子写真や、孫たちに囲まれた写真も撮っていきます。

最初は戸惑っていた私も、楽しそうにポーズを取る義母を見ているうちに、次第に緊張がほどけていきました。

「次は皆さんで、お母さまの近くへ寄ってください」

カメラマンに促され、家族全員で義母を囲みます。

撮影直前、義母が小さな声で言いました。

「こうしてみんなが集まってくれることなんて、なかなかないでしょう。今日は来てくれてありがとう」

派手な衣装ばかりに気を取られていましたが、義母が本当に欲しかったのは、自分を祝う豪華な演出だけではなかったのかもしれません。

節目の日に、家族全員で集まった証しを残したかったのでしょう。

後日、完成した写真が届きました。

中央には、赤いドレス姿で満面の笑みを浮かべる義母。その周りでは、私たちもつられるように笑っています。

写真を見るたびに、最初に義母を見たときの衝撃を思い出します。

それでも今では、赤いちゃんちゃんこではなく、真っ赤なドレスを選んだことも、義母らしい還暦の迎え方だったのだと思えるようになりました。

※tendが独自に実施したアンケートで集めた、30代・女性読者様の体験談をもとに記事化しています

※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。

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