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「勘弁してほしい」「エグい…エグられた」直木賞“受賞”小説のドラマ化、原作に忠実な世界観で見続けてしまう “中毒性”

  • 2026.8.21
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倉科カナ(C)SANKEI

2013年製作のWOWOWドラマ『鍵のない夢を見る』は、人気作家・辻村深月の第147回直木賞受賞作品をドラマ化したもの。現代の地方都市の閉塞感の中に生きる5人の女性の、心の奥底を覗くオムニバスドラマ。ごく普通に生きる女性たちが、ささやかな欲望によって奈落に落ちていく背筋の凍る物語だ。倉科カナ、成海璃子、木村多江、高梨臨、広末涼子がそれぞれヒロインを務める。

※以下本文には放送内容が含まれます。

オムニバス形式の背筋の凍る5つの物語

第1話『芹葉大学の夢と殺人』は、元恋人に振り回される女性の行く末を描く。二木未玖(倉科カナ)は、ありえない夢ばかりを本気で語る元恋人・雄大(林遣都)と、おかしいと分かってはいながらも関係をなかなか断ち切れないでいた。未玖が選んだ悲劇的な選択とは。

第2話『美弥谷団地の逃亡者』は、DV男から離れられない女性が主人公。浅沼美衣(成海璃子)は、出会い系サイトで知り合った男性・陽次(大東駿介)と付き合い始めるが、次第に美衣を束縛し、暴力を振るうようになる。それを知った美衣の母・真理子(高島礼子)は、美衣を守ろうとするが、最悪の結末を迎えてしまう。

第3話『石蕗南地区の放火』は、とんだ勘違いをする女性の物語。笙子(木村多江)は、合コンで知り合ったダサい男・大林(大倉孝二)と休日に出掛けたことを周囲に隠していた。そんな中、大林が連続放火事件の犯人として逮捕される。笙子は、大林が自分に会いたくて放火をしたのだと確信するが、大林が語った動機は全く違うものだった。

第4話『仁志野町の泥棒』。ミチル(高梨臨)は観光バスツアーのバスガイドが小学校の同級生・律子(佐津川愛美)だと気付く。小3の時、転校してきた律子と仲良くなるが、律子の母親に盗癖があるという噂を聞く。さらに律子が万引きする現場を目撃し、ミチルは距離を置くようになる。しかし、ミチルにとって忘れられない衝撃的な思い出は、律子にとっては違ったようで。

第5話『君本家の誘拐』は、育児に追い詰められる若い母親の物語。君本良枝(広末涼子)はショッピングモールで、少し目を離した隙に娘の咲良がベビーカーごと消えてしまい、取り乱していた。待ち望んでいたはずの娘・咲良の泣き声に悩まされ、離れたいと思っていた自分を良枝は激しく後悔する。咲良の行方は......。

「勘弁してほしいと思うほどリアル」日常に潜む狂気に反響

『鍵のない夢を見る』が描くのは、人間の愚かさや弱さ、そして日常に潜む狂気であって、特別な人間の異常な物語ではない。5人の主人公はどこにでもいる普通の女性たちで、自分や周りの人にも、どこか重なる部分があるかもしれない。「誰かに愛されたい」「幸せになりたい」といった誰もが心に抱える小さな欲望が、関わる人や環境によって少しずつ歯車を狂わせ、取り返しのつかない結末を招いてしまう。だからこそ、5つの物語を見終えたあとも、他人事とは思えない怖さが残る作品だ。

また、少しずつ歪んでいく心理描写も秀逸で、5人のヒロインを演じる女優陣の存在が、それぞれの物語に深みを与えている。

どの話も重くて暗いのだが、1話完結のオムニバス形式で見やすく、引き込まれる世界観に、つい見続けてしまう中毒性がある。SNSでは「勘弁してほしいと思うほどリアル」「エグい…エグられた」「原作に忠実な世界観」といった声が寄せられている。5つの物語を通して描かれる日常に潜む人間の弱さや欲望の怖さは、視聴後もじわじわと心に残るだろう。


出典:WOWOWドラマ『鍵のない夢を見る』WOWOWオンデマンドより

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