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「2万円分、全部まとめて引くから」行列の先頭で景品を次々と袋に詰めた客。だが、店員が急遽告げた一言とは

  • 2026.7.30
「2万円分、全部まとめて引くから」行列の先頭で景品を次々と袋に詰めた客。だが、店員が急遽告げた一言とは

開店前から駐車場まで続いた列

近所のコンビニで、人気キャラクターのくじが発売される日でした。

私はたまたま用があって、朝早くに家を出ていたのです。

店の前に着くと、駐車場のほうまで列が伸びていました。

「これ、何時からですか」

「10時からって、貼り紙してありましたよ」

前に並んでいた人が、入口のほうを指さして教えてくれます。

列には親子連れが多く、私のすぐ後ろにも、母親と男の子が並んでいました。

男の子は、小さな財布を両手で握っています。

「何個買えるの」

「1個か2個ね」

「1個でいいよ」

くじの箱は、レジの横に積み上げられていました。

先頭で広げられたビニール袋

10時になって、列が動き始めます。先頭にいたのは、大きなトートバッグを提げた男性でした。

「2万円分、全部まとめて引くから」

レジの店員が、はい、と短く答えます。

男性は台の上のくじを次々と引いていきました。

出てきた景品を、持参したビニール袋にそのまま入れていきます。

ぬいぐるみ、タオル、小皿。袋はみるみる膨らんでいき、男性は二枚目のビニール袋を足元のかばんから引き出して、レジ台の上に広げました。

列は、まったく動きません。

店員は止める様子もなく、淡々と手を動かしていました。

購入の回数に制限があるとは、どこにも書かれていなかったのです。

後ろのほうから、ため息のような音が聞こえます。それでも誰も、声には出しませんでした。

後ろから聞こえた小さな声

そのとき、私の後ろにいた男の子が、母親の手を離して二歩ほど前に出ました。

「あの、まだ残ってますか」

責める声ではありません。ただ本当に知りたくて聞いた、という声でした。

店員の手が止まります。

「……少々お待ちください」

店員は奥に入って、しばらく電話をしていました。

戻ってくると、レジの前で列全体に向かって頭を下げます。

「お待たせしております。本日は、お一人様20回までとさせていただきます」

先頭の男性が振り返りました。

「聞いてないけど」

「申し訳ございません。ただいま決まりましたので」

男性は袋の口を握ったまま、少しの間、黙っていました。

それから、数えかけていた券を台に戻します。

「……まあ、いいよ」

会計を済ませて、男性は袋を提げて出ていきました。

制限を決めていなかったことが、そもそもの問題だったのだと思います。

列が動き出すと、後ろの子どもたちにも順番が回ってきました。

男の子が引いた1枚を、店員が開いて読み上げます。

「当たりです。おめでとうございます」

男の子は両手で景品を受け取って、母親のほうを振り返りました。

※GLAMが独自に実施したアンケートで集めた、30代・女性読者様の体験談をもとに記事化しています

※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。

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