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香水の正しいつけ方を香りのプロが伝授! “フレグランスの作法”完全ガイド

  • 2026.7.29
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基本のまとい方から濃度別のおすすめの使い方、NG事項まで。今、香水を楽しむために知っておくべきあれこれをフレグランスアドバイザーのMAHOさんにASK!

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香水の正しいつけ方 “基本の3ルール”

1. 振りかけるのは1カ所に1プッシュ!

「香りそのものを楽しみつつ、周囲への“香害”になりにくい、いわゆる適量は1カ所に1プッシュ。なお、ここでいう“1プッシュ”とは、限界までしっかり押し切るフルプッシュのこと。多くの製品はフルプッシュすることで、1つのパーツにつけるのに最適な量が均一なミストとなって広がるよう考案されています。つけすぎるのが怖いからと半押しされる人を見受けますが、そうすると製品によっては霧になり切らずにリキッド状でぽたりと肌についてしまうことも。局所的にリキッドがつくと、むしろその部分だけが強く香ってしまうこともあるのでご用心」

2. “肘から香水を持つ手”くらいの距離をあけて噴霧

「そもそもフレグランスのスプレーボトルは、霧上で空気中に広がったミストをまとうことで、肌の広い面積へ均等に香りを漂わせることができる設計。霧上に広がらないような近距離から吹きかけると、スプレーの特性をいかしきれない場合もあります。そこでおすすめなのは、肌と吹き出し口の距離を25cmほど離して噴霧すること。女性なら、ちょうど香水を持つ手から肘までの長さがこれくらいなので、肘を起点に考えるとわかりやすいでしょう。ただしトラベルサイズなど、ボトルがごく小さい場合はミストの広がり方も狭いので、10~15cmほど離せばOK。ミストを薄く均一にまとうほうが、結果的に穏やかな香り方に」

3. 洋服を着る前、素肌にまとう

「ふんわりと柔らかな香り立ちを楽しむため、そして香害を避けるため、まとうのにベストなのは洋服で隠れているパーツ。そう考えると、朝にまとうのは服を着る前の素肌が理想です。香水もランジェリーのように、衣服を着る前に身につけるものと捉えていただけたら。なお服を着た後で出掛けに急いで手首や首筋につける人も多いかもしれませんが、衣服からアウトしているパーツにピンポイントでつけようとすると、おのずと至近距離から噴霧することになり、局所に高密度な香りをまとうことになりかねないので、おすすめできません」

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香りをまとうのに最適なパーツ

まずつけたいのはウエストラインや膝の裏

「一番おすすめなのは、左右のウエストラインをはじめとする腰下のパーツ。鼻から距離があるので香害になりにくく、柔らかく立ちのぼるアロマを楽しめます。男性なら太ももの裏側、女性は膝の裏側や足首に。左右に1プッシュずつ、合計で4~6プッシュが適量です。

ただ、上半身にまとうこと自体がNGというわけではありません。センシュアルなムードを高めたい夕方以降なら、ショルダーラインから背中にかけての広めの範囲にまとうのもいいでしょう。このパーツも服の下になるので周囲にダイレクトに香りが届くのを避けられますし、親密な関係の相手と寄り添ったときやハグをしたときには、印象的に香りが届く、という演出ができます」

香水をつけないほうがいいパーツ

汗をかきやすいところはNG! 鼻に近い場所も注意を

「脇の下や足の裏をはじめとする汗腺が多い場所は避けるべき。香料と汗が混ざると匂いが変質してしまうリスクがあります。胸の真ん中など体の中心部や、頭皮、耳後ろも皮脂や汗の分泌が多いので、香水とは相性がよくないパーツです。また首筋に香りを纏う、というのは非常にセンシュアルな演出になるので、TPOを慎重に選びたい。朝、満員電車に乗る前に首筋に振りかけると、他者の鼻に近い場所ですから香害になるリスクが。しかも首は直射日光が当たりやすい場所。アクセサリーをつけている人も多く、紫外線や金属との摩擦といった複合的な要因で肌に刺激になりやすいのも懸念点です。首筋につけるとしたら夕方以降や、センシュアルのスイッチを押したい特別なときに限定するべき」

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香水の種類と濃度、持続時間

オーデコロン 賦香率:約2~5% 持続時間:1~2時間
オーデトワレ
賦香率:約5~10% 持続時間:3~4時間
オーデパルファン
賦香率:約10~15% 持続時間:4~6時間
パルファン
賦香率:約15~30% 持続時間5~7時間以上

「香水は含まれる香料の濃度(=賦香率:ふこうりつ)の違いで上記のようにカテゴライズされています。ブランドによっては、1つのタイトルでオーデトワレからパルファンまで揃えていることもありますが、そのような場合、実は賦香率の違いだけでなく、異なる骨格で調香されていることも多いのです。

コロンやトワレは基本的に、気分をリフレッシュしたり身だしなみを整えるのに適した爽やかさが強調された設計。朝から使うのに向いているものが多いといえます。昨今、台頭しているオーデパルファンはより香料の深みを感じられる処方ですし、パルファンは肌になじんだ状態が長く保たれるフォーミュラ。ちなみにパルファンはスプレー式でないものがありますが、それらに関しては前述の『つけ方 “基本の3ルール”』とはまた違い、肌の上に点置きするように使うのがおすすめです」

カテゴリーが同じでも持続力は微妙に違う場合も

「同じカテゴリーのフレグランスでも、実は配合している香料の違いで持続時間は微妙に変わってきます。バニラなど甘い香りはゆっくり揮発するので、オーデコロンでも比較的長く香りが続きますし、逆にシトラスは早く揮発するので、オーデパルファンでも持続時間が短めだと感じられるかもしれません。

香りを選ぶときに一番大事なのは、自分のイメージに合う、好きな香りかどうか。気に入ったものがコロンの濃度しかないなら、持続力はリタッチでカバーしながら使う、オーデパルファンなら平日は膝裏だけにつけ、休日はより広い範囲に使ってみるなど、まずはピンときた香りのカテゴリーによって、つけ方を工夫していただきたい。濃密な香りを存分に楽しみたいときは、つけた後ほんの一瞬だけ熱めのシャワーを浴びるのも有効。体温が上がるため一気に肌になじんだような香りになる、夕方におすすめのTIPSです」

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やりがちだけど実はNGな香水の使い方

×手首につけてこする

「前述の通り、長袖のすきまにプシュッと吹きかけること自体が高密度に香りをまとってしまうリスクが高いつけ方ですが、それをこするのはさらに推奨できない使い方です。摩擦するとトップノートのフレッシュなムードが損なわれてしまいますし、本来、体温と混ざりあってゆっくり、その人らしく醸成される香りのストーリーを“早送り”にする原因に。香りの持続性も損なわれます」

×空間にスプレーし、くぐるようにしてまとう

「フレグランスのタイプにもよりますが、一般的なものは頭からまとうとヘアにアルコールがついてしまい、髪がパサつく原因に。首筋など、香りを主張しやすい上半身にミストが多くついてしまうのも気になる点です」

×レイヤリングにこだわる

「1つのパーツに違う香りを重ねづけすると、それぞれの香水の設計を損なってしまう心配が。そもそも香水は、肌にしたためて自分らしい香り方を楽しむパーソナルなもの。まずは香水同士ではなく、自分の肌に対して相性がいいものを選ぶという、心意気を大切にしていただきたい。そのうえで、フレグランス同士のレイヤリングも楽しみたい人は、右サイドと左サイドで違う香りを使うなど、つける場所は変える工夫を」

香水をつけすぎてしまったときの対処法

ウェットティッシュでオフできる

「無香タイプのウェットティッシュで拭き取って。しっかり香りを落としたいときは、アルコールが入ったウェットティッシュがより効果的ですが、同時に肌に刺激になる可能性もあるので注意が必要です。時間があればシャワーを浴びるのもリセット法として有効」

ディナーに行く際の香りの考え方

使うなら柑橘系を下半身にだけ少量

「特に和食系のお店で香水の匂いを漂わせるのは、一般的にNGと捉えられていますよね。どうしてもつけたい場合は、おしぼりや絞ったすだちの匂いに近いような、さっぱりとした柑橘の香りをウエストラインから下だけにほのかに漂わせて。また、和食系のお店に行く予定がわかっているなら、朝にまとう香りは持続力の低いオーデコロンにしておくのが無難でしょう。

一方、イタリアンやフレンチは料理そのものも香り高いことが多いので、強すぎない香りならまとってきて構わないと考えているシェフも多いようです。

なお、センシュアルな雰囲気がほしいからといって、ディナーデートの直前に香りをまとうのはおすすめできません。たとえば18時にディナーの予定があって、その前に雰囲気をスイッチしたいなら15時ごろにリタッチを。食事の後バーに行く場合は、化粧室で足元や膝裏にさっとリタッチしておくと、タクシーに乗り込む際や椅子に腰掛けたとき、ふわりと香りを漂わせられます」

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香水に関するよくある質問 Q&A

Q. 香水をつけ直すときにおすすめのテクニックは?

A. 脚にプラスしてさりげなく

「リタッチするときは、スカートなら膝裏、パンツスタイルならアキレス腱あたりに。鼻と距離のあるボトムにまとうことで、いかにも“今つけました”という印象を周囲に与えずに香りをプラスできます。特に持続力の短いコロンは、リタッチしながら使うのに適しています」

Q. 香水のベストな保管場所は?

A. ボックスに入れて引き出しの中へ

「フレグランスは、温度と光で劣化します。室内に降り注ぐLEDのライトも意外に光量が多く、香りが変質する原因になりかねません。理想は、日光や照明が直接当たらない場所での常温保存。購入時のボックスに入れたまま、あまり開け閉めしない引き出しの中に入れておきましょう。ボトルが大きい場合は、しばらく使うぶんだけをアトマイザーに移し替えるのもおすすめ」

Q. 季節によってつけ方は変えるべき?

A. 春・夏→紫外線と汗に要注意!

「気温が高く日差しが強いシーズンは特に、紫外線があたる部分にはつけないほうがいい。汗、光、香水の3要素が重なると肌を刺激してしまうことがあります。最初に『つけ方 “基本の3ルール”』でお伝えしたように、服で隠れるところにまとうぶんには問題ありません。日が落ちてから、より大胆な楽しみ方にトライして」

秋・冬→まずは保湿で下準備を

「秋冬は空気が乾燥して、香りが持続しにくいシーズンとなります。香りを長持ちさせるためには、フレグランスをまとうパーツにボディクリームを塗り、しっかり保湿しておくことがキーに。フレグランスと同じラインのボディクリームをレイヤー使いして、奥行きのある香り立ちを楽しむのもいいでしょう」

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Q. 流行りのヘアフレグランス、どう使うべき?

A. 表面につけるか内側につけるかで印象操作できる

「髪を香らせるのは清潔感のアピールにつながると考えている人が多いようで、ヘアフレグランスがますます注目されています。一般的なフレグランスよりも香料の濃度が低く、柔らかく香るのが特徴ですが、実は髪に嫌な匂いがつくのを防ぐコーティングの役割も果たしてくれます。ある程度の距離を置き、髪が濡れない程度に使うのが基本。アピールしたいときは髪表面、大人らしく控えめに使いたいときは、表面の髪をすくって内側だけに香らせるのがGOOD」

Q. ロールオンやソリッド、オイルフレグランスの使い方は?

A. 基本的に拡散性が弱いので手首や首筋にもOK

「アルコール不使用のロールオンやソリッド、オイルタイプはゆっくりと揮発して、じんわり香りが長持ちするのが持ち味。拡散性が弱いので、アルコール使用のミストフレグランスでは推奨しなかった、手首や首筋などにつけるのがむしろおすすめです。肌の上に3~5cmほど線上に伸ばすのがベーシックな使い方。

ただしロールオン形状でも、中身がアルコールベースなら拡散性自体はあるので、ローラーを軽く転がすようにしながら点状につけるとよいでしょう」


まとめ

マナーを大切にしながらパーソナルな香りを楽しんで

「最近は欧米の方の間にも“強すぎる香りはNG”という日本的な考え方が広がり始めていて、軽やかに香りをまとうことが、新たなスタンダードとして認識されるようになってきたと感じます。

日本の方には従来通りにマナーを大切にしながらも、より自由に香りそのものを謳歌していただきたい。仕事のとき、家族と過ごすとき、パートナーとドラマティックなひとときを迎えたいとき、といったふうに少なくとも3つくらい自分らしい香りを見つけてローテーション使いすると、香りの世界をより自分らしく楽しめるはずです」

教えてくれたのは……

MAHOさん

フレグランスアドバイザー。メディアやイベント・セミナーなどを通して、香りの楽しみ方や魅力を発信。主宰するプライベートサロンではパーソナルカウンセリングにより、まとう人のキャラクターを引き立てる香り選びのサポートや、日本フレグランス協会ではセールススペシャリストの育成に尽力。「大分香りの博物館」香りのアンバサダー。

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