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夏休み中、子どもの騒ぐ声が聞こえる家へ配達に…インターホンを押した瞬間、“ピタリと止んだ声”に宅配員がほっこりしたワケ

  • 2026.8.17
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出典:photoAC(※画像はイメージです)

皆さまこんにちは。元宅配員のmiakoです。

夏休みは、子どもたちの声で賑やかになるお家が増える季節ですよね。
一方で、保護者の方にとっては、お子さんのように長い休みがあるわけではなく、仕事や家事に追われながら慌ただしい毎日を過ごされている方も多いのではないでしょうか。

夏休み中は子どもだけでお留守番をしているというお家も少なくありません。

今回は、そんな夏休みのある日に、宅配員として体験した「静かすぎる家」でのお話をお届けします。

玄関前に並んだ自転車と、賑やかな声

あれは10年近く前のことです。
当時はまだ置き配が主流ではなく、対面での配達が中心でした。

その日は平日の午後、一軒のお宅へ荷物をお届けに伺いました。
車を停めて荷物を抱え敷地内へ入ると、玄関の近くには小学生くらいの子が乗るようなサイズの自転車が数台並んでいました。

ぱっと見た感じでは4台ほどだったでしょうか。
夏休みに入り、お友だちが集まって遊んでいたようです。

外にいても、家の中を走り回るような元気な子どもたちの声が聞こえてきました。

「これなら荷物を受け取ってもらえそうだな」

そう思いながら、玄関横のインターホンを押しました。

チャイムを押した瞬間、家の中が静まり返って

「こんにちは、宅配便です」

声をかけましたが、インターホンから返事はなく、玄関付近に人の気配もありません。
それどころか、それまで聞こえていた子どもたちの声も、ぴたりと止まっていました。

少し待ってからもう一度インターホンを押し、声をかけてみましたが、反応は変わりません。

ふと近くの窓へ目をやると、カーテンがかすかに揺れたように見えました。
それでも玄関が開くことはなく、返事もありません。

そこでようやく、普段停まっているはずの車が見当たらないことに気づきました。
大人のご家族は外出されていた可能性が高かったのです。

「出ない」という約束を守っていたのかもしれません

確認したわけではないのですが、おそらくお子さんたちだけでお留守番をしていたのでしょう。

「留守番中は誰が訪ねてきても無視していいよ」と言われていたり、「玄関を開けないように」と保護者の方と約束していたりした可能性が浮かびました。

もしかすると、何か悪戯をしていた最中で、大人に見つかりたくなかっただけ、という可能性もあったのかもしれません。
そう思うと、子どもたちが息をひそめて私から隠れている様子が、なんだかほほえましくも思えたりしました。

しかし、実際の理由が何であれ、あれほど静かだったのは、大人との約束をきちんと守っていたからなのかもしれません。
そう考えると、お子さんたちなりに、大切な約束を必死に守ろうとしていたことが伝わってくるようでした。

家にいることはわかっているのですが、荷物をお渡しできない以上、不在として扱うしかありません。

不在票をポストへ入れ、ご家族からの再配達のご連絡を待つことにしました。

車へ戻るまで、そのお宅はずっと静かなままでした。
そんな子どもたちなりの健気な姿に、「お留守番、頑張ってね」と心の中でそっとエールを送り、その場を離れました。

夏休みのお留守番で気をつけたいこと

お子さんだけでお留守番をさせることに、不安を感じる保護者の方も多いのではないでしょうか。

ある程度成長したお子さんであれば、訪問者の様子を見て判断できることもありますし、「荷物が届いたら受け取っておいてね」とお願いして出かけ、お子さんが対応してくれるご家庭もあります。

一方で、お子さんだけで留守番をしている間に、思わぬトラブルに巻き込まれてしまうケースもあります。
不審者と鉢合わせてしまったり、身元を偽って訪ねてきた相手にだまされてしまったりする事例も報告されています。

そのため、インターホンや電話には一切対応しないというルールを決めているご家庭もあります。
また、家中の窓や扉をしっかり施錠したり、テレビや照明をつけて生活音や明かりがあるように見せたり、大人の靴を玄関に置いておいたりと、お子さんだけで留守番をしていることを外から分かりにくくする工夫をされているご家庭もあります。

夏休みは、お子さんだけで過ごす時間が増えるご家庭も少なくありません。
この機会に、ご家庭でお留守番中の約束事を改めて話し合ってみるのもよいかもしれません。

荷物を受け取っていただけるお宅にも、そうでないお宅にも、それぞれの事情があります。
今は置き配指定にされるご家庭が増えましたが、置き配ができない荷物もあります。
そんな中、宅配員を装って近づく不審者が現れないとも限りません。

あの日の静かな玄関先から伝わってきたのは、お子さんたちが保護者の方との約束をきちんと守ろうとする姿でした。
それは、再配達になっても仕方のないことです。

大人の留守中に荷物が届くこと自体を不安に感じる場合は、コンビニ受け取りや営業所止めといった、別の受取先に変更することもできます。

私たち宅配員も、ご家族の安全を何より大切に考えています。それぞれのご家庭に合ったルールを決めていただけると、私たちも安心して配達することができます。

これからも、そうした一つひとつのご家庭の事情を大切にしながら、安心して荷物をお届けできるよう配達を続けていきたいと思います。

そして、子どもたちが安心して過ごせる夏休みになることを願っています。



ライター:miako
宅配ドライバーとして10年以上勤務した経験を生かし、現場で出会った人々の温かさや、働く中で積み重ねてきた"宅配のリアル"を、経験者ならではの視点で綴っています。
荷物と一緒に交わされてきた小さなエピソードを、今は文章としてお届けしています。


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