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“生還劇”はなぜおもしろい?『オデュッセイア』は王道エンタメの原点!『インターステラー』などの名作もあわせて紹介

  • 2026.7.26

全世界74地域で公開され、全世界興収2億6,406万ドル(約427億円)を記録し、2026年実写映画のなかでも大ヒットスタートを切ったクリストファー・ノーラン監督最新作『オデュッセイア』(7月20日Box Office Mojo調べ)。ノーラン作品およびマット・デイモン主演作の最高オープニング記録を更新し、トム・クルーズも絶賛するなど世界的な社会現象となっているなど、9月11日(金)の日本公開にも大いに期待がかかる。

【写真を見る】オデュッセウスの妻のペネロペ(アン・ハサウェイ)と、息子のテレマコス(トム・ホランド)

【写真を見る】オデュッセウスの妻のペネロペ(アン・ハサウェイ)と、息子のテレマコス(トム・ホランド) photo by Melinda Sue Gordon [c] Universal Studios. All Rights Reserved.
【写真を見る】オデュッセウスの妻のペネロペ(アン・ハサウェイ)と、息子のテレマコス(トム・ホランド) photo by Melinda Sue Gordon [c] Universal Studios. All Rights Reserved.

映画史上初となる全編IMAX撮影がもたらす圧巻の映像体験や、豪華キャストの熱演が大きな話題を呼ぶなか、観客の心を深く揺さぶる大きな要素となっているのが、本作の根底にある「愛する家族のもとへ、生きて帰る」という“生還劇”のテーマだ。今回は、時代を超えて愛される生還劇の名作を振り返りつつ、なぜ人はこのテーマに惹かれるのかを考えながら、世界を狂喜させている『オデュッセイア』の熱狂の真相をひも解いていく。

主人公のオデュッセウス(マット・デイモン)と女神アテナ(ゼンデイヤ) photo by Melinda Sue Gordon [c] Universal Studios. All Rights Reserved.
主人公のオデュッセウス(マット・デイモン)と女神アテナ(ゼンデイヤ) photo by Melinda Sue Gordon [c] Universal Studios. All Rights Reserved.

世界の命運を背負い、壮絶な旅の果てに故郷への帰還を果たそうとする「ロード・オブ・ザ・リング」シリーズや、火星にただ1人取り残された宇宙飛行士が、限られた資源と過酷な環境のなかで地球への帰還に挑む『オデッセイ』(15)など、あらゆる困難を乗り越えて生還を目指す物語は、世代や時代を超えて多くの観客の心を掴んできた。

そんな「生還劇」ルーツともいえる物語が、本作の原案となった古代ギリシャの詩人ホメロスによる英雄譚「オデュッセイア」だ。西洋文学の金字塔にして“世界最初の物語の1つ”としていまもなお語り継がれる傑作は、一見すると難解な印象を受けがちだが、実は現代の王道エンタメ映画で人々を魅了し続けている「生きて帰る物語」の原点と言える。

構想20年、ノーラン監督が念願の映像化!10年もの旅路と壮大な愛の物語を描く『オデュッセイア』

冷徹な野心を宿すアンティノオス(ロバート・パティンソン) photo by Melinda Sue Gordon [c] Universal Studios. All Rights Reserved.
冷徹な野心を宿すアンティノオス(ロバート・パティンソン) photo by Melinda Sue Gordon [c] Universal Studios. All Rights Reserved.

いま、映画史に新たな1ページを刻む1作として、世界中から熱い視線を集めている『オデュッセイア』。本作は、アカデミー賞最多7部門を受賞した『オッペンハイマー』(23)のノーラン監督による、過去最大級のスケールで描き出すエンタテインメント超大作。

最新のIMAX技術を駆使し、世界各地で撮影されたアクションが展開される本作には、オデュッセウス役を演じるデイモンのほか、錚々たるキャストが集結。トム・ホランド、アン・ハサウェイ、ロバート・パティンソン、ルピタ・ニョンゴ、ゼンデイヤ、シャーリーズ・セロンらハリウッドが誇る超豪華キャストが出演することでも大きな話題を呼んでいる。世界屈指のキャスト陣を従え、ノーラン監督が満を持して解き放つのは、全編IMAXカメラで捉えた圧倒的リアリティと臨場感あふれる映像美、そして映画史を塗り替える壮大なドラマだ。

愛、欲望、裏切り、帰還と、エンタメ要素が凝縮した超大作『オデュッセイア』 photo by Melinda Sue Gordon [c] Universal Studios. All Rights Reserved.
愛、欲望、裏切り、帰還と、エンタメ要素が凝縮した超大作『オデュッセイア』 photo by Melinda Sue Gordon [c] Universal Studios. All Rights Reserved.

トロイア戦争終結後、イタケの王、オデュッセウス(デイモン)は、息子テレマコス(ホランド)、妻ペネロペ(ハサウェイ)ら家族の待つ故郷へ帰還を目指す。しかし彼の前には、神々の介入や1つ目の巨人、魔女、荒れ狂う大海原といった容赦ない試練が立ちはだかる。愛、欲望、裏切り、復讐が交差するなか、オデュッセウスは10年にも及ぶ果てしない旅を乗り越え、再び愛する家族のもとへ帰ることはできるのか…。

まさにすべてのエンタテインメント要素が詰め込まれた超大作で描かれるのは、決して希望を失わず、数々の困難に立ち向かいながら、故郷へ戻ることを諦めない、英雄オデュッセウスの姿だ。愛する人との再会を想い、どれほど過酷な状況でも希望を失わない強さ、そして困難を乗り越えた先に待つ感動。それこそが、2800年前から現代に至るまで受け継がれてきた「生還劇」ならではの普遍的な魅力であり、王道エンタメの原点とも言える。

映画史上初となる全編IMAX撮影を敢行した『オデュッセイア』 photo by Melinda Sue Gordon [c] Universal Studios. All Rights Reserved.
映画史上初となる全編IMAX撮影を敢行した『オデュッセイア』 photo by Melinda Sue Gordon [c] Universal Studios. All Rights Reserved.

世界的大ヒットを記録している『Michael/マイケル』(公開中)や『スター・ウォーズ/マンダロリアン・アンド・グローグー』(公開中)といった超大作のオープニング記録を凌駕し、世界を驚愕させる本作が満を持していよいよ日本上陸となる。新たな伝説が生まれる歴史的瞬間を目撃するため、いまから期待を高めて続報に備えてほしい。

時空を越え、愛する家族のもとへ“帰還”しようとする宇宙の旅路。SF映画の金字塔『インターステラー』

『オデュッセイア』と同じく、ノーラン監督の代表作として名高い『インターステラー』(14)。舞台となるのは、地球の寿命が尽きかけ、人類の存続が危ぶまれる近未来だ。元宇宙飛行士のクーパー(マシュー・マコノヒー)は、居住可能な新たな惑星を探すという人類の限界を超えたミッションを託され、前人未到の宇宙探索へと旅立つ。しかし、その先に待ち受けていたのは、未だかつて誰も見たことがない、衝撃の宇宙だった。

“宇宙”という極限の舞台で展開されるのは、単なるサバイバルではなく、「必ず、帰ってくる」と約束を交わした父と娘の深い絆。地球のタイムリミットが迫るなか、人類のために旅立つか、それとも家族とともに地球の終わりを待つか。究極の選択を迫られたクーパーは、愛する娘の未来のために宇宙へと旅立つが、2人の間には距離のみならず、時間そのものの隔たりが生じていく。

時空を越えて結ばれる家族の絆は多くの観客の胸を打ち、SF映画のなかでも言わずと知れた名作となった。帰るべき場所、愛する人がいるからこそ、人はどんな困難にも立ち向かえる。その揺るぎない想いこそが、“生還劇”ならではの醍醐味だ。

80億人の命を託された男が、小さな相棒と、人類の未来と“生還”をかけたミッションに挑む『プロジェクト・ヘイル・メアリー』

続いては、今年の上半期の大ヒット作としても記憶に新しい『プロジェクト・ヘイル・メアリー』(26)。未知の原因により、太陽エネルギーが奪われた地球が、数年後には氷河期を迎えるという未曾有の危機に直面する!本作の主人公は、人類最後の希望として宇宙に送り出された中学校教師のグレース(ライアン・ゴズリング)。科学の知識だけを武器に、80億人の命を賭けたミッションを託されたグレースは、やがて同じような境遇の使命を受け、故郷をこの危機から救おうと動いていた小さな相棒ロッキーと出会う。彼らは愛する故郷の星を救うため、そして共に生きて帰るため、宇宙での超難解なミッションに挑む。

姿や言葉、故郷さえも異なるグレースとロッキー。遠い遠い宇宙の果てで、運命的な出会いを果たした2人は、手探りの共同作業を経て、やがて孤独を癒す大切な存在へと変化していく。そして、なによりも“守りたい存在”に変わった彼らがたどり着くひとつの答えとは。誰かのために生き抜き、互いの故郷を守り帰還を目指す、その想いに胸打たれる“生還劇”は、世界中の人々の心を惹きつけ、全世界興行収入が約1,107億円を突破し、大いに話題を呼んだ。

明日さえも見えない世界で、孤独な男が絶望のなかで未来をつなぐ“生還劇”『ラスト・サバイバー』

『オデュッセイア』に先駆け、8月28日(金)より公開される新作『ラスト・サバイバー』でも、注目の生還ドラマが描かれる。本作の舞台となるのは、パンデミックにより荒廃した近未来の世界。生存者たちが奪い合い、殺し合う狂気の世界で、パイロットのヒッグ(ジェイコブ・エロルディ)は、愛犬の存在や亡き妻の記憶に支えられながら、過酷な環境のなかで孤独な日々を耐え抜いていた。そんなある日、小型機の無線に届いた“謎の声”をきっかけに、失われた日常と希望を求めて、ヒッグは未知の空へと旅立つ決意をする。

明日さえも見えない終末世界で、ヒッグが求めるのは単なる生存ではなく、もう一度誰かと繋がり、生きる希望を見つめるということ。絶望のなかでも希望を捨てず、大切な存在を胸に未来へ進み、生き抜こうとする姿は、“生還劇”が時代を超えて人々を魅了してきた理由そのものだ。本作も生き抜く力と、失われたものを取り戻そうとする想いが心を掴む、感動のサバイバルドラマとなっている。

『オデュッセイア』は9月11日(金)より公開 photo by Melinda Sue Gordon [c] Universal Studios. All Rights Reserved.
『オデュッセイア』は9月11日(金)より公開 photo by Melinda Sue Gordon [c] Universal Studios. All Rights Reserved.

こうして見ると、家族への想い、仲間との絆、そして未来への希望など、数々の名作や話題作を生み出してきた「生還劇」の魅力は、ホメロスによる英雄譚「オデュッセイア」から現代へと脈々と受け継がれていることがうかがえる。“物語の原点”ともいえる壮大なストーリーが、なぜいまもなお人々の心を魅了するのか?その理由を、至高の映画体験が味わえる超大作『オデュッセイア』でぜひたしかめてみてほしい。

文/山崎伸子

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