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肉球を駆使した猫の「ふみふみ」が、疲れた心と体をもみほぐす…極上のリラクゼーション時間をお届けする『ねこのマッサージ屋さん』【書評】

  • 2026.7.23

【漫画】本編を読む

『ねこのマッサージ屋さん』(久川はる/オーバーラップ)は、その名の通りかわいい猫たちが営業するマッサージ店が舞台。肉球を駆使した施術によって、疲れ切った人間たちが癒やされていく様子を描いたコミックである。

仕事で疲労困憊の会社員・猫山はある日、猫のマッサージ師が施術をしてくれるという不思議な店に辿り着く。そこは、猫店主をはじめとした個性豊かな猫たちが、やる気があるのかないのかわからない絶妙なテンションで営業している店だった。しかし、その肉球による「ふみふみ」マッサージの効果は絶大で、疲労とともにストレスも一瞬で溶かされてしまうものだった。

本作はとにかく猫の「かわいい」に全振りしている。ストーリー自体は非常にシンプルで、何か大きな事件が起きるわけではない。ただ疲れた人間たちが猫たちに癒やされるのだが、その繰り返しがたまらないのである。そして猫たちは自由気ままで、ときに施術中なのに寝てしまうこともあるのだが、その「猫らしさ」も大きな魅力だ。「もし本当に猫がマッサージをしてくれたらこうあってほしい」という願望がそのまま表現されているのである。

客の人間たちがかなりの「猫好き」として描かれているところも心地よい。猫山をはじめ、店に通う人たちは全員、日々に疲れている。しかし猫たちの気まぐれに翻弄されながらも「ふみふみ」をされるうちに、凝り固まった表情と気持ちが柔らかくなっていく。その様子を見ているだけで幸せな気分になるだろう。

回を重ねていくうちに、新しい仲間が増えてさらににぎやかになるほか、なんと「ねこのマッサージ屋さん」の隣に「いぬのマッサージ屋さん」が登場してしまう。ライバル店が現れたことで猫たちが縄張り意識を燃やしたり、ゆる〜く対抗心を見せたりする姿も必見だ。

人は疲れているときには、刺激よりも「ただただ癒やされたい」と思うことがある。本作はまさにそんな時のための作品だ。そして猫たちによる「ふみふみ」が、明日への活力もくれる……かもしれない。読むマッサージ、ぜひお試しください。

文=富野安彦

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