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「うちの子水遊びできないの?」晴れていても保育園で水遊びができない意外な理由

  • 2026.7.22

こんにちは!保育士のはるです。夏本番、子どもたちが一番心待ちにしている時間といえば、やっぱり「水遊び」や「プール遊び」ではないでしょうか。朝から「今日プールある?」と何度も聞いてくる子、水着に着替えるだけでテンションが上がる子……。この時期の保育園は、子どもたちの笑顔と歓声であふれています。でも、そんな楽しみな時間なのに、「今日は水遊びお休みでした」と保育士から声をかけられて、「え、うちの子だけ?」「元気にしてるのに、なんで?」「晴れていたのにやらないの!?」とモヤモヤした経験のある保護者の方、実は少なくないのではないでしょうか。保育園では、子どもの安全や集団生活での運営をふまえ、複数の基準から水遊びの可否を判断しています。それも一つではなく、体調面、身体的な面、気温や水温といった外部要因、そして地味に見落とされがちな「プールカード」の問題まで、いくつもの視点が絡み合っているんです。この記事では、保育園で水遊びができない・見合わせる理由を、現場の保育士目線で詳しくお伝えします。「知らなかった!」と思っていただける内容もあるかもしれません。今年の夏、お子さんとの水遊びをより気持ちよく楽しむためのヒントにしていただけたら嬉しいです。

「体調面」で参加できない、意外と厳しい判断基準

まず一番多いのが、体調面での見合わせです。「鼻水が出ている」「咳がある」というだけで、「今日はお休みしてください」と言われた経験がある方も多いのではないでしょうか。保育園は「集団」であるので、一人一人にあわせた対応ができません。今日は鼻水出てるから5分だけにしようとか、そういった個別の配慮が難しいんですね。なのでどうしても一定のルールに沿って行うことになります。

鼻水・咳があるとなぜ止められるのか

保護者の方からすると、「熱もないし、本人は元気に遊んでいるのに」と感じることも多いと思います。実際、鼻水や軽い咳があっても、機嫌よく過ごせている子はたくさんいます。ただ、保育士が水遊びを見合わせる際に考えているのは、大きく分けて2つの視点です。・本人の体調悪化のリスク水に入ることで体温調節がうまくいかず、体力を消耗しやすくなります。鼻水や咳がある状態は、体がすでに小さな負担を抱えているサインでもあります。そこに水遊びの体力消耗が重なると、その日の夜や翌日に発熱してしまうケースは珍しくありません。「昼間は元気だったのに、夜に急に熱が上がった」という経験をされた保護者の方もいらっしゃるのではないでしょうか。・周囲への感染リスク鼻水や咳の原因が風邪であれば、飛沫や接触を通してクラスの子どもたちに広がる可能性があります。プールや水遊びの時間は、着替えや距離の近さもあって、普段以上に接触が増える場面です。一人の症状から、クラス全体に広がってしまうことも実際にあります。保育士としては、「この子は大丈夫そうだから」と個別に判断してしまうと、線引きが曖昧になり、他のご家庭への説明もつかなくなってしまいます。だからこそ、ある程度基準を統一して対応せざるを得ない、という背景があります。

クラスで感染症が流行している時期の対応

プール熱(咽頭結膜熱)やヘルパンギーナ、手足口病など、夏に流行しやすい感染症は数多くあります。今年の夏は手足口病に苦しめられた……というご家庭も少なくないのではないでしょうか。クラス内で感染者が出ている時期は、症状がない子も含めて水遊びそのものを中止にすることがあります。園によっては他クラスで流行っているから……と水遊びの中止を決めることも。「うちの子は症状がないのに、なぜ全員お休みなの?」と疑問に思われる方もいらっしゃると思います。ですが、感染症は潜伏期間があり、症状が出る前から感染力を持っていることも珍しくありません。見た目には元気でも、体の中でウイルスや菌が広がり始めている可能性はゼロではないのです。クラス単位・園単位で水遊びを中止にするのは、「今、症状が出ている子」だけでなく、「これから発症するかもしれない子」も含めて、全体を守るための判断だとご理解いただけると嬉しいです。

楽しみにしている子に保育士も伝えにくい

正直に言うと、「今日はお休みね」と伝えるのは、保育士にとっても心苦しい瞬間。楽しみにしていたお子さんの顔を見ると、こちらまで切なくなります。それでも、「大丈夫だろう」で流してしまって体調を崩してしまったら、お子さん本人がつらい思いをすることになります。保育士は「今日を楽しく過ごしてほしい」という気持ちと同じくらい、「今後も元気に園生活を送ってほしい」という気持ちで判断をしています。もし「今日はうちの子、微妙なラインかも」と思うことがあれば、朝の受け入れ時に一言相談していただけると、園としても対応がしやすくなります。

見落としがちな「身体」の理由

体調面以外にも、水遊びの可否を左右する「身体」に関するチェックポイントがあります。特に見落とされがちなのが、爪の長さと、とびひなどの肌トラブルです。

爪が伸びている子はなぜチェックされるのか

水遊びの前、保育士が必ずと言っていいほどチェックしているのが、子どもたちの爪の長さです。「え、そんなところまで見ているの?」と驚かれる方もいらっしゃるかもしれません。爪が伸びていると、次のようなリスクが高まります。これは水遊びだけではなく、普段から気にかけています。・友だちを引っかいてしまい、思わぬケガにつながる・自分の顔や体を引っかいてしまう・特に目の周りを触ったときに、目を傷つけてしまう危険がある水遊びは肌の露出が多く、子ども同士の距離も近くなりがち。普段の遊びであれば防げるような接触も、水の中でのはしゃぎ合いでは避けきれないことがあります。伸びた爪が思わぬケガの原因になってしまうことは、実際の保育現場でも起きています。家庭で爪を切るタイミングは意外と難しく、「切ろうと思っていたのに忙しくて忘れてしまった」ということもあると思います。私自身、子育てをしている身として、その大変さはとてもよく分かります。ただ、水遊びの日の前日や当日の朝など、「この日は必ずチェックする」というタイミングを決めておくと、園としても安心して受け入れができます。

とびひなど肌疾患への考え方

もう一つ、水遊びの可否に大きく関わるのが、とびひ(伝染性膿痂疹)をはじめとした肌のトラブルです。とびひは、水ぶくれや、かさぶたのような発疹ができる皮膚の感染症で、非常に感染力が強いことが知られています。患部を触った手で他の場所や他の子に触れることで、あっという間に広がってしまうことがあります。夏場は汗をかいて肌がジュクジュクしやすく、虫刺されを掻き壊してしまうことがきっかけで発症するケースも多く見られます。とびひの症状がある場合は、完全に治るまで水遊びを見合わせていただくこともあり、「ほんの少しだけだから」「もうかさぶたになっているから」と思われる場合でも、保育士としては慎重にならざるを得ません。これは、症状のあるお子さん本人のためでもあり、他の子どもたちを守るためでもあります。とびひ以外にも、あせも・虫刺されの掻き壊し・水いぼなど、夏は肌トラブルが起きやすい季節。「これくらいなら大丈夫かな」と迷ったときは、遠慮なく朝の受け入れ時や連絡帳でご相談いただきたいです。園でも、患部を保護する方法(絆創膏や防水シールなど)で参加できる場合とできない場合があるので、個別に判断させていただいたり、水遊びが始まる前におたよりで通知を出しています。

「うちの子だけ入れない」への配慮

爪や肌トラブルで水遊びを見合わせるとき、実はその子自身が一番寂しい思いをしています。「なんで自分だけ入れないの」という気持ちは、大人が思う以上に子どもの心に残るものです。そのため、水遊びに入れない日は、別の遊び(シャボン玉遊びや、水を使わない室内遊びなど)を用意して、「見ているだけ」にならないよう工夫している園も多いです。保護者の方には見えにくい部分かもしれませんが、保育士としても「その子なりの楽しい時間」を作れるよう配慮しています。

気温・水温・熱中症指数、数字で決まる中止基準

「今日は晴れているのに、なんでプールが中止なの?」と疑問に思ったことがある方もいらっしゃるのではないでしょうか。実は、水遊びの可否は感覚ではなく、明確な数字の基準で判断されていることがほとんどです。

気温+水温=50という現場の目安

多くの保育園で使われている目安のひとつが、「気温と水温を足して50以上」というラインです。たとえば気温が33度、水温が22度であれば合計55度となり、この場合は「実施可能」と判断されることが多いです。反対に、気温が28度で水温が20度なら合計48度となり、「肌寒く感じやすい」として中止や短縮の判断がされることがあります。これは、単純に気温だけを見ていると、実は水温が低くて子どもたちが体を冷やしすぎてしまう、というケースを防ぐための基準です。曇りや雨上がりの日は、気温がそこまで高くなくても、水を張ったばかりのプールの水温が低いことがあります。逆に、晴れて気温は高くても、その日の水温次第では、体感的に「思ったより冷たい」となることもあります。保育士は毎朝、気温計・水温計を使って実際に数値を測り、この合計を確認したうえで、その日の実施可否を判断しています。「なんとなく暑いから」「なんとなく寒そうだから」ではなく、きちんとした数字の裏付けがあるのです。

熱中症指数(WBGT)の重要性

「熱中症指数」、いわゆるWBGT(暑さ指数)も判断基準の一つとしている園は多いです。これは気温だけでなく、湿度・輻射熱(日差しの強さ)なども含めて算出される指標で、単純な気温よりも「体感的な危険度」を正確に表すとされています。環境省の熱中症予防情報サイトなどでも、この指数をもとにした「運動指針」が公開されており、指数が高い日は「激しい運動は中止」「外出はなるべく避ける」といった目安が示されています。水遊び自体は体を冷やす効果がある一方で、直射日光の下でのプール準備や着替え、順番待ちの時間などは、実はかなりの熱中症リスクを伴います。そのため、「水に入っている時間は涼しくても、その前後の時間で熱中症になってしまう」ということを防ぐ目的で、熱中症指数が高い日は水遊び自体を中止・短縮にする判断になるのです。「せっかく水着に着替えたのに、10分で終わってしまった」ということがあった場合、それは決して気まぐれではなく、こうした数値を基準にした安全配慮であることを、判断の背景として参考にしていただければと思います。

地味に困る「プールカード忘れ」問題

ここまでは体調や気候といった「参加できない理由」についてお伝えしてきましたが、実はもう一つ、地味に、でも確実に現場を悩ませているのが「プールカードの忘れ」です。

小学校でもプールカードは必須

「プールカードなんて、うちの子の園だけの独自ルールじゃないの?」と思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、実は小学校でも同じようにプールカードの提出が必須とされているケースがほとんど。子どもたちの小学校でも毎朝の健康チェックで提出となっています。プールカードは、その日の体調(体温、食欲、睡眠、目や耳の症状など)を保護者が確認し、記入・押印(またはサイン)することで、「今日は水遊びをしても大丈夫です」という保護者からの意思表示を示す大切な書類です。園や学校側は、これをもって「保護者が体調を確認した上での参加」であることを確認しています。つまり、プールカードは単なる「面倒な手続き」ではなく、子どもの安全を保護者と園・学校が一緒に確認し合うための、大事な仕組みなのです。

「電話くれてもいいのに」という親の気持ち

プールカードを忘れてしまった場合、多くの園では「今日は水遊びに参加できません」という対応を取らざるを得ません。これに対して、「電話一本くれれば、口頭で確認できたのに」というお声をいただくことがあります。保護者としての気持ちはとてもよく分かります。忙しい朝、うっかり記入を忘れてしまうことは誰にでもあることですし、「せっかく楽しみにしていたのに」という子どもの気持ちを思うと、なんとかしてあげたいと思うのが親心だと思います。ただ、ここには園側の事情もあります。プールや水遊びの時間帯は、多くの保育士が水場や着替えの見守りにかかりきりになっています。一人ひとりの命を預かる時間だからこそ、通常保育以上に人手と集中力が必要とされる場面です。その中で、「プールカードを忘れた子の保護者に電話をかける」という作業は、実は簡単なようで難しいものです。電話をかける担当者が一人抜けることで、その分、水場やプールサイドの見守り体制が手薄になってしまいます。子どもたちの安全を最優先にする以上、「電話をかけている間に何かが起きたら」という可能性は、どうしても見過ごせません。また、電話がつながらない場合や、保護者の方が仕事中で対応が難しい場合もあり、確実性という点でも、口頭確認よりも「事前の書面確認」の方が安全性が高いという判断があります。

保育園の本音と実際のクレーム

「せっかく元気だったのに」「電話一本でいいのに」「遊ばせてあげてほしかった」というお気持ちをぶつけられたことは実際にあります。正直、保育士としても楽しみにしていた子に「今日カードなかったんだ」と伝えるのは心苦しく感じます。ただ、園側は安全確認と見守り体制の確保を優先し、事前確認を原則としています。「子どもの安全を確保しながら、限られた人数で他の子どもたちも見守らなければならない」という現実的な制約の中での判断であることを、知っていただけたらと思います。その上で、忘れを防ぐために家庭でできる工夫もいくつかご紹介します。・プール・水遊びのある曜日を、玄関やカレンダーに大きく掲示しておく・前日の夜、または朝の身支度と同時にプールカードを記入する習慣をつける・記入したプールカードは、その場ですぐにバッグの決まった場所に入れる・きょうだいがいる場合は、上の子の分も含めて一括で確認できるチェックリストを作る小さな仕組み化ですが、「うっかり忘れ」を減らすのに効果的です。もし忘れてしまった場合も、「仕方ない」と割り切って、次の対策につなげていただければと思います。一見すると「厳しいルール」に感じられるかもしれません。ですが、その根底にあるのは「今日を楽しく過ごしてほしい」という気持ちと同じくらい強い、「子どもたちの安全と健康を守りたい」という保育士の思いです。保護者の皆さんにとっても、「今日はなぜダメだったんだろう」と疑問に思ったときに、この記事の内容を思い出していただけたら嬉しいです。そして、もし気になることや心配なことがあれば、遠慮せずに担任の保育士に聞いてみてください。園と家庭が同じ方向を向いて、子どもたちの夏を安全に、そして思いきり楽しいものにしていけたらいいなと思っています。今年の夏も、お子さんにとって笑顔いっぱいの水遊びの時間になりますように。

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