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「そんなことで?」と言われる悩みほどつらい。“夫婦の感覚のズレ”を描いた理由【著者インタビュー】

  • 2026.7.21

【漫画】本編を読む

夫・翔太と子ども、3人で暮らす結衣。翔太のやりっぱなし、出しっぱなし、突然想定外の行動を取る……などの行動に悩まされていた。そしてある日、「夫はADHDではないか?」という疑念を抱くようになる。そしてADHDについて調べるうちに、発達障害のあるパートナーと生活する中で孤独感や絶望感、無力感に襲われる状態を「カサンドラ症候群」と呼ぶことを知る。しかし、そこまでわかっても解決策は見いだせず、絶望する結衣。そこに「ADHD謎解き探偵団」を名乗るブルドッグと女性が現れて……。

『もしかして、うちの夫はADHD? ~夫の見てる世界を体験したら、すれ違いが減りました~』(はなゆい/オーバーラップ)は、“夫の見てる世界”を通じて、夫婦の間に生じるすれ違いをどう捉え直していくかを描いた作品だ。ADHDの人、そしてそのパートナーからも支持を集める本作は、どのようにして生まれたのか。ADHDグレーである著者・はなゆいさんに話を聞いた。

――本作では「送迎を忘れてしまう」「時間を勘違いしていて約束に間に合わない」など日常の場面を通してADHDの特性や対策が描かれています。こうしたエピソードはどのような基準で選ばれたのでしょうか?

はなゆいさん(以下、はなゆい):特別な事件ではなく、日々の中で繰り返される“小さなズレ”を意識して選びました。というのも、夫婦関係で本当に消耗するのは大きなトラブルだけではないと思うんです。ひとつひとつは些細でよくあることでも、毎日積み重なると「なんで私ばっかり……」という気持ちにつながっていく。しかもそうした問題は外から見ると、「そんなことで?」と思われやすいんですよね。だからこそ私は、日常の温度感を大切にしたいと思いました。

また、ADHDの困りごとは本人だけの問題というよりも、周囲との受け取り方の違いとして現れることが多いと感じています。例えば洗濯物のシーンでは、夫は「脱いだ服を洗濯に出した」という認識です。一方で妻は「何度言っても裏返ったままだし、それを直す負担はいつも自分にある」と感じている。この“認識のズレ”が、夫婦関係では大きな問題なんです。だからこそ「どちらが悪いか」ではなく「なぜこんなすれ違いが起きるのか」を描きたいと思い、こういったエピソードを選びました。

――作中の日常風景には強いリアリティがあります。どのように描いていったのでしょうか。

はなゆい:取材で伺ったお話をベースにしながら、「どこの家庭でも起こりそう」と感じられるリアリティを大切にしました。私は今回、“ADHDの説明漫画”ではなく“夫婦の感覚のズレを描く漫画”にしたいという気持ちが強かったんです。そのため「これ、うちの夫婦でもあった」と読者の方に感じてもらえるような場面を意識しました。

一方で、誰でも体験する日常の出来事だからこそ「それぞれの見えている世界が違う」ことが伝わりやすいのではとも思いました。

取材・文=原智香

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