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同棲したいのに…実家暮らしを愛する「子ども部屋おじさん」の彼氏との価値観の違いにぶつかる、アラサー女性の100日間の恋愛バトル!【書評】

  • 2026.7.21

【漫画】本編を読む

大好きな彼と一緒に暮らしたい。そんな純粋な希望から始まる「同棲への道」は、やがて自分自身を見つめ直す時間へと変わっていく。『子ども部屋おじさんの彼と一緒に住みたい私の100日間戦争』(かどなしまる/KADOKAWA)は、実家暮らしをこよなく愛する彼氏と、どうしても同棲したいアラサー女性との奮闘を描いたコミックエッセイだ。

主人公・まるは、同棲カップルの動画を見ては「いつか私も……」と胸をときめかせていた。しかし、肝心の彼氏は、実家暮らしのいわゆる「子ども部屋おじさん」。実家の居心地が良すぎる彼にとって、わざわざお金を払って今の生活を変えるメリットが見当たらないため、同棲の話をしても反応はいつもイマイチだった。それでも諦めきれないまるは、あの手この手で彼の心を動かそうと作戦を練り、100日間にわたる説得の日々が幕を開ける。

本作の魅力は、主人公が本音や葛藤を包み隠さず、どこまでも赤裸々に描いている点にある。最初は「なんで私の気持ちをわかってくれないの?」「実家に甘えている彼が悪い」と相手を責める気持ちが先行する。しかし話し合いが平行線をたどるなかで、まるはあることに気づくのだ。それは、「別れる」ことも「同棲を諦める」ことも選べない自分の寂しさや欠乏感を埋めるために、ただ相手をコントロールしようとしていただけだったのではないか、と。

そこからのまるの変化が本作の読みどころだ。「相手を変える」のではなく「まず自分が変わろう」と決意する。自分の思い通りにならないからと怒るのをやめ、互いが納得できる「心地よい境界線」をひとつずつ手探りで確認していくプロセスは、恋愛に限らず、人との距離に悩んだことがある人にも役に立つアプローチだろう。

ただの恋愛バトル漫画ではなく、不器用なふたりが正面から向き合い、自分たちなりの関係を探していく姿には、応援したくなる微笑ましさがある。果たして100日後に、ふたりが選んだ結末とは。今まさにパートナーとの関係に悩んでいる人には、ぜひ手に取ってほしい作品だ。

文=つぼ子

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